知るメモ|2月16日【寒天の日】|寒天とゼラチンは何が違う?~低カロリーかつ高食物繊維食品の秘密!
皆さんは、なぜ2月16日が「寒天の日」かご存知でしょうか?
実はこれ、あるテレビ番組がきっかけなんです。
2005年(平成17年)2月16日、NHKの人気番組『ためしてガッテン』で寒天が特集され、その後日本中から寒天が消えるほどの空前の大ブームが巻き起こりました。
この出来事を記念し、また寒天の産地である長野県茅野市(ちのし)などの伝統的な「天日干し」が最盛期を迎える時期であることから、日本寒天工業組合が制定しました。
今回は、知っているようで意外と知らない「寒天」の正体を紐解いていきましょう。
◆寒天の正体?
寒天は、簡単に言うと「海藻の煮汁を凍結・乾燥させたもの」です。
原料のこだわり
主な原料は、テングサやオゴノリなどの赤藻類(海藻)です。
それをいったん煮出した液を冷やして固めたものが「ところてん」。
そのところてんを凍結させ、水分を飛ばして乾燥させたものが「寒天」です。
かつては自然の寒気を利用して乾燥させていましたが、現在は工場で効率的に製造されています。
寒天の誕生は「偶然の産物」
江戸時代初期、京都の旅館「美濃屋」の主人・美濃太郎左衛門が、捨てた「ところてん」が冬の寒さで凍り、日中の光で乾燥して白くなっているのを発見しました。
これを煮直してみたところ、臭みのない透明なゼリー状になったことが寒天の始まりとされています(伏見の御駕籠休み本陣での逸話)。
元々「ところてん」は 中国から奈良時代(710〜794年頃)に伝来 したと考えられており、季節を問わず食べられる即席の凝固食品でした。
寒天は、この ところてんを乾燥保存できる形に発展させた日本独自の加工品と言えます。
◆寒天の化学的構造 — なぜ固まるのか
寒天の主成分である アガロース と アガロペクチン はいずれも 多糖類(大きな糖の鎖) です。
これらは水中でネットワーク状の構造を形成し、そこに水分を閉じ込めて ゲル をつくることでゼリー状になります。
アガロース:強いゲル形成性を持つ。
アガロペクチン:ゲルの質感に影響する。
寒天は 80%前後が食物繊維 で、消化酵素では分解されにくい性質を持っています。
◆寒天、ゼラチン、こんにゃくなど・・どう違う?
一般的なゼリーなどで、それぞれ見た目は似ている「固まるもの」という共通点はあっても、その化学的性質は全く異なります。
それぞれの物理的性質(ゲル化の仕組み)・原料・食感 の違いを整理します。
比較表
寒天
原料:海藻(テングサ等)
成分:多糖類(アガロース等)
凝固温度:30~40℃(常温で固まる)
融解温度:85℃以上(一度固まると熱に強い)
食感:歯切れよく、ホロホロゼラチン
原料:動物の皮膚・骨(コラーゲン)
成分:タンパク質
凝固温度:20℃以下(要冷蔵)
融解温度:25~30℃(口溶けが良い)
食感:弾力があり、プルプル蒟蒻/白滝
原料:蒟蒻芋(グルコマンナン)
成分:多糖類(食物繊維)
凝固温度:pH調整(石灰等)で凝固
融解温度:非可逆(熱で溶けない)
食感:強い弾力と粘りペクチン
原料:果実(リンゴ・柑橘等)
成分:多糖類
凝固温度:糖分と酸の反応
融解温度:高温で安定
食感:粘性のあるゲル
寒天 vs ゼラチン
ゼラチンはタンパク質なので、パイナップルやキウイなどの「タンパク質分解酵素」を含む果物と一緒にすると固まりません。
しかし、寒天は炭水化物(食物繊維)の一種なので、どんな果物でもしっかりと固めることができます。
ここが料理における大きなアドバンテージです。
ゼラチンはコラーゲン由来で、身体の熱で溶けやすく柔らかい食感を生むのに対して、寒天のゲルはより高温でも安定 し、しっかりした固さになります。
寒天 vs こんにゃく
こんにゃくの主成分「グルコマンナン」は、アルカリ性(水酸化カルシウム等)に反応して固まる性質を持ちます。
対して寒天は、物理的な温度変化(冷却)だけで固まります。
食物繊維の質も異なり、寒天は「アガロース」という独自の網目構造を持っています。
寒天 vs ペクチン
どちらも食物繊維の仲間ですが、ペクチンはリンゴやレモンなどの果実の細胞壁に含まれる多糖類です。
寒天が「海藻の骨格」なら、ペクチンは「果物の接着剤」のような役割を果たしています。
ペクチンは「酸」があることで固まる性質を持つため、レモンやベリーなどの酸っぱい果物と相性が抜群で、ジャム、マーマレードなどの増粘・ゲル化(固める)剤に使われています。
逆に、寒天は強い酸と一緒に煮込むと固まる力が弱まってしまいます。
他には、「フルーチェ」にもペクチンが含まれていて、これには特別なペクチン(LMペクチン)が使われています。
ジャムのような「砂糖と酸」ではなく、牛乳に含まれる「カルシウム」と反応して固まる性質を利用したものです。
これは寒天には真似できない芸当です。
◆種類別:どれを選べばいい?
スーパーに行くと、棒寒天、糸寒天、粉寒天といろいろな寒天が並んでいますが、実は使い分けが重要です。
粉寒天(パウダー):
最も一般的。
計量が簡単で、煮溶かしやすい。
家庭料理や製菓で扱いやすいく最適。角寒天(棒寒天):
伝統的な製法(自然乾燥)。
気泡を含みやすいため、口当たりがふんわりする為、和菓子職人が好んで使用するようです。糸寒天(カット寒天):
細く糸状に切ったもの。
サラダやスープの具材としてそのまま使えます。
水戻しするだけでコリコリした食感が楽しめておすすめ。
◆失敗しない寒天調理のコツ
「寒天がうまく固まらなかった」という失敗を防ぐための、科学的な調理のコツとしてまとめてみました。
「沸騰してから2分」の法則
寒天の分子は、沸騰した状態でしっかりと煮溶かさないと、網目構造が作られません。
見た目が溶けていても、弱火で2分間は混ぜながら加熱してください。酸っぱいものは「火を止めてから」
レモン汁やオレンジ果汁などの酸が強いものを一緒に煮込むと、寒天の分子鎖が切れてしまい、固まらなくなります。
必ず火を止め、少し温度が下がってから加えましょう。常温で固まる特性を活かす
ゼラチンと違い、寒天は30〜40℃で固まり、85℃以上という高温でないと崩れません。
夏場のお弁当のおかずの一品とし「寒天寄せ」を入れると、溶け出さずに保形できるので非常に便利です。
◆まとめ
世界ではプラスチック削減のために、海藻由来の「寒天」をパッケージ素材として活用する研究も進んでいます。
江戸時代から続く日本の伝統食材が、地球を救うハイテク素材として注目されているのです。
今日の食卓に少しだけ寒天を取り入れてみませんか?
それはあなたの健康だけでなく、日本の伝統文化を支える一歩にもなるはずです!
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次回は「おにぎり」について少し書いていますので、お時間あれば読んでみてください。
日々の出来事から日記代わりにいろいろ書いています。
前回の記事も時間がありましたら読んでみてください。
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