今、世界で【史上最大の富の移転】が静かに始まっている!~あなたはその波に乗れるか?女性が握る経済の未来
「物価が上がって生活が苦しい」
確かに、日本が置かれた経済状況は決して楽ではありません。
でも今まさに世界規模で、ある「巨大な変化」が静かに始まっています。
それが「グレート・ウェルス・トランスファー(Great Wealth Transfer)」、日本語に訳せば「大富の移転」と呼ばれる現象です。
この言葉、日本ではほとんど聞いたことがないかもしれません。
でも、欧米の金融・経済メディアでは2024年以降、最もホットなトピックのひとつになっています。
今回は、その全貌をわかりやすく解説しながら、「この流れを知っている人」と「知らない人」ではどんな差が生まれるかをお伝えします。
◆「大富の移転」とは何か?
「大富の移転」とは、ベビーブーム世代(団塊の世代)が生涯かけて蓄えた膨大な資産が、今後数十年にわたって次の世代へと引き継がれていく歴史的な現象です。
数字で見ると、その規模の大きさに驚くと思います。
スイスの金融大手UBSが2025年に発表した「グローバル・ウェルス・レポート」によると、今後20〜25年間で世界全体で83兆ドル(約1京2000兆円)以上の資産が次世代へ移転されると試算されています。
日本の国家予算(一般会計)は約110兆円です。
この移転額はその100倍以上。人類の歴史の中でこれほどの規模の資産が一度に動いたことはかつて一度もありません。
米国の調査会社セルリ・アソシエイツは、2048年までに移転される資産は最大124兆ドルに達する可能性があるとも予測しており、その規模の推定値は調査機関によって多少異なりますが、「史上最大の富の移転」という点では各機関の見解は一致しています。
誰から誰へ?世代間移転の全体像
では、誰の資産が、誰へ渡るのでしょうか。
渡す側:ベビーブーム世代(団塊の世代)
1946年〜1964年生まれのいわゆる「ベビーブーマー」たちは、戦後の経済成長、株式市場の長期的な上昇、そして不動産価格の高騰という「三つの追い風」の中で資産を築いてきた世代です。
世界の中の大国アメリカを例に上げると、ベビーブーマーは米国の全資産の51.8%、総額78兆ドル以上を保有しています。
そして今、最も若いベビーブーマーでも60代に入り、世代全体が「遺す側」へとシフトしていく段階に入っています。
受け取る側:X世代・ミレニアル世代・Z世代
移転先は主に次の三世代です。
X世代(1965〜1980年生まれ):最初に恩恵を受ける世代。今後10年で約39兆ドルを受け取る見込み。
ミレニアル世代(1981〜1996年生まれ):25年間で約46兆ドルを受け取る最大の受益世代。
Z世代(1997年以降生まれ):約15兆ドルを受け取ると予測される。
さらに興味深いのは、資産の動き方です。
フェーズ1:夫婦間の「横の移動」(9兆ドル)
最初のステップは、世代間の相続ではなく夫婦間での資産移動です。
夫から妻へ、あるいは妻から夫への相続であり、この「横の移動」だけで世界全体で約9兆ドルに達すると予測されています。
フェーズ2:世代間の「縦の移動」(74兆ドル)
配偶者が受け継いだ資産、あるいは単身高齢者の資産が、最終的に子供や孫へと受け継がれるフェーズです。
これが約74兆ドルという最も大きな割合を占めます。
この「横」と「縦」の両方のフェーズにおいて、極めて重要な役割を果たすのが女性の存在です。
このことについては最後に書きます。
日本は無関係?実は日本こそ主要プレイヤー
「これはアメリカの話でしょ?」と思った方も多いかもしれません。
実は、そうではありません。
世界経済フォーラム(WEF)の2025年レポートによると、この大富の移転が最も集中して起きる国として、アメリカ、イギリス、ヨーロッパ諸国と並んで「日本」が明示されています。
なぜ日本が主要国として挙げられるのか?
それは日本が世界でも突出した「高齢化社会」であり、同時に「貯蓄大国」だからです。
エコノミストのイェスパー・コールが日本経済新聞系のジャパン・タイムズに寄稿した試算によると、日本では今後10年間で約1800兆円(約5兆ドル)の家計資産が高齢世代から若い世代へ移転されるとされています。
さらにその試算では、この移転額は日本の年間GDPとほぼ同規模であり、若い世代の可処分所得を毎年約15%押し上げる効果があるとも述べられています。
経済モデルではほとんど考慮されてこなかった、この「静かな経済変動」は、日本の将来に対して非常に大きなインパクトをもたらす可能性があります。
「知っている人」と「知らない人」の差
では、この現象を知ることが、なぜ「自分を豊かにすること」につながるのでしょうか?
大きく3つの視点から考えてみましょう。
① 受け取る準備ができているか
米国で行われたある調査によると、ミレニアル世代とZ世代の84%が10万ドル(約1500万円)以上の遺産を受け取ることを期待していると回答しています。
しかし同時に、別の調査ではベビーブーマーの55%が、実際には25万ドル未満の遺産しか残せないと考えているという「期待と現実のギャップ」も明らかになっています。
なぜこのギャップが生まれるのか。理由のひとつは「お金の話を家族でしていないから」です。
親の資産状況や遺産の分け方、相続税の問題・・
こうした話題は日本でも特にタブー視されがちです。
でも、準備なしに大きな資産を受け取っても、その多くは税金や管理の失敗によって急速に目減りします。
ある試算では、事前に適切な計画を立てないと相続資産の相当部分が税金や手数料で失われることも指摘されています。
準備した人と準備しなかった人では、実質的に手元に残るお金が大きく変わってくるのです。
② 資産を「増やす側」に立てるか
この現象が面白いのは、「受け取る側」だけでなく「資産を管理・運用する側」にも大きな変化をもたらすという点です。
膨大な資産を引き継いだ若い世代は、親の世代とは異なる投資行動をとることが調査で明らかになっています。
ミレニアル世代やZ世代の投資家は、親世代が好んだ「資産を守ること」よりも、プライベートエクイティや新興市場、暗号資産など「リスクをとって資産を増やすこと」に積極的です。
また、環境・社会・ガバナンス(ESG)投資への関心も高く、次世代投資家の約90%が、自分のお金を通じて企業の環境行動に影響を与えたいと考えているというデータもあります。
「若者はお金に無頓着」という古いイメージは、もはや正確ではありません。
テクノロジーを活用した資産管理、価値観を反映した投資行動など、こうした新しい「お金との付き合い方」を理解しているかどうかが、これからの時代の分岐点になります。
③ 「格差の連鎖」を意識できるか
この大富の移転は、全員に均等に恩恵をもたらすわけではありません。
セルリ・アソシエイツのデータによると、移転される資産全体の42%は、全世帯のわずか1.5%にあたる高額資産保有世帯から生まれる見込みです。
つまり、資産を持つ家庭の子供はより豊かになり、そうでない家庭との格差はさらに広がる可能性があります。
アジア開発銀行(ADB)が日本と米国を対象に行った研究でも、親から遺産を受け取った人は、そうでない人と比べて自分の子供にも遺産を残す可能性が高いという「遺産の世代間連鎖」が確認されています。
これは単純に「生まれた家庭で人生が決まる」という絶望的な話ではなく、「自分の代で意識的に資産形成を始めることの価値」を示しています。
親世代の資産に頼れない人ほど、金融リテラシーを身につけ、早期に自分の資産形成を始めることが重要なのです。
今すぐできることは?「波」の前に立つための5つのアクション
こうした大きなトレンドを知ったうえで、具体的に何をすれば良いのでしょうか。
1. 家族とお金の話をする
日本では難しく感じるかもしれませんが、親の資産状況や意向を知っておくことは「備え」の第一歩です。
感情的にならずに話せるよう、まずは「将来の相続税の仕組みを一緒に勉強する」といった切り口から始めるのが現実的です。
2. 相続・贈与の基礎知識を身につける
日本は世界でも有数の「相続税が高い国」として知られています。
日本の相続税は最高税率55%と世界トップクラスに高く、G7諸国の中でもフランスに次ぐ水準です
基礎控除が低く、一般家庭でも課税対象になりやすいです。
適切な知識がないまま資産を受け取ると、多くの部分が税金として消えます。
生前贈与の仕組みや非課税枠など、基礎的な知識を今のうちから学んでおくことが大切です。
3. 投資の基礎リテラシーを高める
資産は受け取るだけでなく、「育てる」必要があります。
NISA・iDeCoといった日本独自の制度を活用しながら、長期・分散投資の考え方を今から習慣として身につけておきましょう。
4. 相続を「待つだけ」にしない
受け取る側だけでなく、自分自身の資産形成も並行して進めることが大切です。
大富の移転の恩恵を受けられる人とそうでない人がいる以上、自らの力でも経済的な土台を築く視点は欠かせません。
5. 情報の非対称性を武器にする
この記事で紹介したような「グレート・ウェルス・トランスファー」は、海外では広く議論されているにもかかわらず、日本ではまだほとんど知られていません。
こうした「まだ日本では知られていない海外の常識」を早めにキャッチアップする習慣そのものが、長期的に見て大きな差を生み出します。
◆なぜ「女性」が最大の恩恵を受けるのか?
上で書いた、受け取る側の移転先として女性の存在が重要だということ。
今回の「大富の移転」において、女性は夫婦間(横)と世代間(縦)の両方で恩恵を受ける主要な層になると確実視されています。
その理由は、非常にシンプルかつ抗えない「人口動態」の事実にあります。
① 寿命の違いと年齢差
世界的な統計として、女性は男性よりも平均寿命が長い傾向にあります。
例えば日本の場合、女性の平均寿命は男性より約6年長くなっています。
さらに、結婚において夫の方が年齢が高いケースが多いという事実が加わります。
これにより、必然的に「夫が先に亡くなり、妻が残される」というケースが多数派となる。
つまり、フェーズ1の「横の移動(9兆ドル)」の受け手は、圧倒的に女性が多くなるのです。
② 縦の移動でも恩恵を受ける
もちろん、フェーズ2の「縦の移動」においても、娘や孫娘として資産を受け継ぐ女性が多数存在します。
コンサルティング大手マッキンゼーの調査によれば、アメリカにおいて女性が管理する資産は、2030年までに34兆ドル(国の総資産の約40%)に達する見込みです。
歴史的に男性主導で管理されてきた家計の資産が、これからの数年で急速に女性の手に委ねられることになります。
◆女性が富を握ることで、経済はどう変わるか?
富の管理者が男性から女性へとシフトすることで、金融市場や社会全体にお金が流れる方向性が大きく変わると予測されています。
投資スタイルの変化
多くのデータが、女性は男性に比べて「慎重かつ長期的」な視点で投資を行う傾向があることを示しています。
短期的なトレードで利益を追うよりも、リスクを抑えた分散投資(インデックス運用など)や、将来の生活設計に基づいた堅実な資産形成を好む傾向があります。社会課題解決への資金流入
女性投資家は「自分の資産が社会にどのような影響を与えるか」を重視する傾向が強いとされています。
そのため、環境問題や社会問題に配慮した「ESG投資」や、社会貢献を目的とした寄付活動(フィランソロピー)に、これまで以上の莫大な資金が向かう可能性があります。金融業界のビジネスモデル転換
証券会社や銀行などの金融機関は、劇的な変革を迫られています。
女性顧客のニーズ(透明性の高さ、専門用語を避けた分かりやすいコミュニケーション、人生の目標に寄り添ったアドバイス)に合わせた資産管理サービスの再構築が急務となっています。
◆まとめ
グレート・ウェルス・トランスファーは、一部の超富裕層だけの話ではありません。
日本を含む世界規模で、今まさに進行している「時代の変わり目」です。「若い世代は経済的に不利だ」という見方がある一方で、この流れを理解している人たちは静かに準備を進めています。
お金は動く。
問題は、その波が来たときに「受け取る準備ができているか」「その先に何をするか」を考えているかどうかです。
あなたはどちら側にいますか?
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次回は「NISA貧乏」について少し書いていますので、お時間あれば読んでみてください。
日々の中で資産を作っていくための心構えなどを日記代わりにいろいろ書いています。
前回の記事も時間がありましたら読んでみてください。
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