諸行無常は、最先端の科学理論だった。
仏教の四法印。これは仏教思想の4つの柱。
正しくは思想ではなく、この世界の真実を解き明かした4つの原理だ。
つまり、この4つの原理を知れば、大まかだが仏教がわかる。
また、世界もわかってくる。
その中の一つ、諸行無常がある。
これは「諸行無常の響きあり」とあるように一般的に知られた言葉。
すべては変化の連続であり、何一つ固定化されたものはないという。
肉体、細胞、物質、人間関係、感情、すべての諸現象は変化、変化の連続である。
現代物理学でわかっていることは、すべてのものは粒子でもなく、波動でもない、何ものかという結論。
巨大な岩石も、ミクロの視点から観察すると振動している。目の前の机も、ペンも、テレビも何もか。これが最先端の科学、量子論の見解です。
ブッダは現代でいうと理論物理学者だったといえるかもしれない。
諸行無常とは科学的原理そのものだ。
古代ギリシアの哲学者ヘラクレイトスは語った。
「万物は流転する」
「同じ川に二度入ることはできない」
2つとも諸行無常と同じような意味だ。
ヘラクレイトスは世界の根源(アルケー)は生成変化であると洞察した。
その象徴としてあげたのが「火」だ。
火は常に揺らいでいる。
現代科学、量子論などでは、すべての始まりは「ビッグバン」などではなく「揺らぎ」や「震え」であったと考察している。
古代ギリシアの自然哲学者と現代科学者の、意見の一致。
非常に興味深い。
数学者で有名な、同じ自然哲学者のピタゴラスは「輪廻」を説いていた。古代のインド思想と共通している。
ブッダの死後、100年後にギリシアでピタゴラスが誕生している。
ブッダ亡き後、古代のインド思想家とギリシアの哲学者が何かしら交流があったのでは、という仮説もある。
仏教の影響をピタゴラスが受けていたのかもしれない。
ピタゴラスは、ピタゴラス教団の教祖でもあった。
どちらにしても古代の仏教思想と最先端の科学である量子論、重なる点があることが不思議だ。
富士山も小さな石も、鉄の扉も、人間も、何もかも常に揺らいでいる。
ミクロの視点では粒子でもなく、波動でもなく。時間を超越した震え。
一言で、何もかも「諸行無常」だ。
