ファイナンス(企業財務)の基本③:「金銭の時間的価値」はこんなに簡単に理解できた
前回は、ファイナンス(企業財務)の中身に少しだけ入り、「ファイナンスの考え方ができると、何が良いのか?」について書きました。
今回は、ファイナンスのテクニカルな内容の1本目として、「金銭の時間的価値」について、書いていきたいと思います。
まずは、簡単に前回のおさらいです。
ファイナンスを理解して、できるようになること(前回のおさらい)
ファイナンスの考え方を理解できると、下記のような事象について考え、意思決定できるようになります。
特定のプロジェクトを実施すべきか否か、またそれはなぜか
ある企業の買収を検討した際にいくらで買うべきか
資金調達・資金の使い方により、どうすれば企業価値を高めることができるか
上のようなことができるようになりたい!と思った方は、ぜひ、ここから先の「テクニカルな内容」についても、読み進めて頂ければと思います。
「金銭の時間的価値」とは?
ファイナンスの世界で有名な言葉として、下記があります。
今日の100円は、明日の100円よりも価値がある
この言葉はどういう意味かというと、「明日もらう100円は、100円よりも価値が低い」ということを言っています。
ではなぜ、ファイナンスの世界では、そのように考えるのでしょうか?
「明日(1日後)」だと少しわかりにくいので、ここからは「今日の100円は、1年後の100円よりも価値がある」で考えてみます。
ファイナンスでは、「今、手元に100円あれば、1年後には(例えば金利5%で105円に)増やせる」という考え方をします。そのため、逆に、「1年後の100円というのは、今の手元のお金が増えて100円になった」と考えます。よって、1年後の100円は、今の価値(手元のお金)としては、100円よりも小さいと考えます。
ここで、「今の価値」をファイナンスの言葉で「現在価値(Present Value)」といい、1年後(X年後)の価値を「将来価値(Future Value)」といいます。

ファイナンスではまず、この「現在価値」という考え方に慣れることが大切です。実は、この先に行う「投資判断」などは、ある活動によって、企業が将来的に生み出すであろうキャッシュを、全て「現在価値」に換算して、「今、投資すべきかどうか」という判断をします。
ここで、しれっと上図に「割引率」という言葉が書いてあります。実は、これもファイナンスで大切なキーワードのひとつです。「割引率」については、次回、書いていこうと思います。今のところは「利子の逆バージョン」くらいに捉えて頂ければと思います。
最後に、簡単な例で、「金銭の時間的価値」の理解を深めたいと思います。
「金銭の時間的価値」の考え方(例)
あなたは、給料の支払いに関して、下記A,Bのオプションを提示されています。ファイナンスの観点では、どちらを選択すべきでしょうか?
ここでは、割引率30%(年間)とします。
[A] 1年後に15万円もらえる
[B] 今、12万円もらえる
ファイナンスの考え方に基づいて、「現在価値」に換算して比較してみましょう。
すると、[A]の現在価値 = 15万円 / 1.3 = 11.5万円となります([B]は、今もらうので、現在価値=12万円です)。現在価値を比較すると「[B]を選択すべき」と考えるのが答えとなります。
この例を通じて「え、この結論は割引率で変わるけど、割引率はどうやって決めるの?」と思った方もいるかと思います。その点も含めて、次回、ご紹介できればと思います。
今回は、ここまでにします。
次回は、「割引率」について書いていきたいと思います。
