触れずにできることが増えた今も、僕が「手当て」を大切にする理由
話を聞くことも、鑑定をすることも、画面越しにできる時代になりました。
遠くにいる人とつながれることは、とても便利です。言葉だけでも、気持ちが整理されたり、心が軽くなったりすることがあります。
それでも僕は、身体へ実際に触れる施術を大切にしています。
「手当て」という言葉のとおり、人の手が身体に触れることには、言葉とは違う伝わり方があると感じているからです。
つらい場所を説明できなくても、触れられたときに初めて「そこが疲れていた」と気づくことがあります。
自分では力を抜いているつもりでも、手が触れた途端に呼吸が変わり、身体が少し沈むこともあります。
もちろん、触れれば必ず癒やされるわけではありません。
人に触れられることが苦手な人もいます。過去の経験やその日の状態によって、安心できる距離は一人ひとり違います。
だからこそ僕は、触れることを施術者の都合で進めないようにしたいと思っています。
痛みはないか。
姿勢は苦しくないか。
触れられたくない場所はないか。
相手の反応を確かめながら、その人が安心して受け取れる刺激を探していく。
僕にとって施術は、身体を一方的に直す作業ではありません。
「ここでは無理をしなくていい」と身体に伝える対話です。
強い刺激を我慢してもらうより、やさしく触れられる中で、自分の身体の感覚を思い出してもらいたい。
人の身体に触れる仕事を20年以上続けてきても、手の感覚だけですべてが分かるとは思っていません。
だから話を聞き、表情を見て、呼吸を感じ、必要であれば医療機関での確認も勧めます。
手は、答えを押しつけるためのものではありません。
その人が自分の身体へ戻ってくるまで、静かにそばにいるためのもの。
これから技術がどれだけ便利になっても、僕はその「手当て」の時間を大切にしていきたいと思っています。

強い刺激が苦手な方や、安心できる場所でゆっくり身体を緩めたい方へ。たなごころの施術については、公式LINEからご相談いただけます。
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