LGBTQ+として経済的自立を考える前に、まず整理した「マインド」と3つの前提
こんにちは。にじFIRE🏳️🌈です。
これまでの記事では、僕がゲイとして
「経済的自立がなぜ重要だと感じるようになったのか」
というプロセスについて書いてきました。
今回は少し視点を変えて、
「じゃあ、何から考え始めたのか?」
資産形成のいちばん最初の段階について、整理してみたいと思います。
結論から言うと、僕はいきなり投資はしませんでした。
なぜなら、LGBTQ+として経済的自立を考えるとき、
まず整理すべき前提条件が、人によって大きく異なると感じたからです。
まずはお金の「マインド」を見直すところから
正直に言えば、投資をしないまま今描いているFIRE像に
到達するのは難しいと思いますし、
「もっと早くから投資しておけばよかった」と感じることもあります。
ただ、それはあくまで今だから言える結果論です。
少額でも貯金の代わりに投資をしておけば……
そう思えるようになったのも、これまでの振り返りや勉強があったからこそでした。
だからこそ、唯一の正解はないと思っています。
ただし個人的には、いきなり投資に入ることはおすすめしていません。
まず考えるべきなのは、以下の2点です。
・生活防衛資金として「いくら必要なのか」
・そしていくらあれば「自分は安心」できるのか
生活防衛資金については、後述しますが、LGBTQ+として生きる上では、
一般論では語れない事情やマインドが複雑に絡み合い、
結局は「人によって全く違う答え」になりますので、振り返りが大切です。
【自分とお金の関係を振り返る】
ここから少し、僕自身の話をします。
僕は長い間、以下の意識がとても強く、投資に踏み切れませんでした。
「お金は守るもの」
「失ってはいけないもの」
これは必ずしもセクシュアリティに限った話ではなく、
「幼少期からの自分とお金の関係」
を見つめ直す必要がある部分だと思います。
関連した概念として、英語では、
・Money scripts(お金に対する信念・思い込み)
・Money wounds(お金にまつわる恐怖や心の傷)
と呼ばれることがありますが、かなり深い、マインドと直結した領域です。
短期間で整理できるものではありませんが、
日常の行動を振り返るだけでも、見えてくるものがあります。
例えば、僕の場合…
・エアコンは贅沢だと思って育ったため、今でも無意識に我慢してしまう
・100円節約するために、10分かけて遠いスーパーへ無意識に行く(合理的でないと分かっていても)
さらに掘り下げると、こんな背景もありました。
・祖父が投資に失敗した話が家族内で語られ、「投資=ギャンブル=危険」という先入観
・母親の恋人の借金・自己破産の話を聞き、「お金は怖いもの」という感覚が形成された
こうした過去と向き合うのは簡単ではありませんが、
資産形成の前に、この振り返りの時間を持つことが本当に大切だと感じています。
「資産形成は20%が数字、80%が心理状態」
という言葉をどこかで聞いたことがありますが、今では強く実感しています。
生活防衛資金と、LGBTQ+として整理した3つの前提
ここからは、LGBTQ+であるからこその話に移ります。
資産形成の初期ステップとしてよく出てくるのが
「生活防衛資金(Emergency Fund)」です。
一般的には、
・病気や失業などの万が一に備える
・生活費の3〜6ヶ月分を目安に確保する
と言われることが多いですよね。
ただ、正直に言うと、僕には「3〜6ヶ月」では不安でした。
数値的には「それ以上は投資に回した方が効率的」なのは理解しています。
それでも僕は、最低でも1年分は持っておきたいと考えています。
(実家やパートナーの状況を考慮し、実際にはそれ以上を確保しています)
背景には生い立ちによる不安感もありますが、それだけではなく、
LGBTQ+として考慮すべき要素があると感じています。
① 住まいの前提
一つ目は、住居にまつわるコストと不確実性です。
LGBTQ+の場合、住む場所の選択はより慎重にならざるを得ません。
・コミュニティを求めて都市部に住みたいが、生活コストが高い
・制度上の理由で、異性愛者と同じ選択ができない
例えばこんなケースです。
会社の住宅手当を受けるために賃貸契約書の提出を求められる
↓
契約書に同性パートナーの名前がある
↓
カミングアウトを避けるため、住宅手当を諦める
また、同姓カップルという理由だけで
入居を断られた経験も何度もあります。
結果として、
・住居の選択肢が狭まる
・想定より家賃・初期費用が高くなる
こうした事態は十分に起こり得ます。
さらに、僕の場合、外国籍のパートナー(婚約者)がいます。
・制度は整っているが生活費が高い国
・制度は十分でないが生活費が安い国
どこを選ぶのが最適か、今も答えは出ていません。
こうしたLGBTQ+特有の「住む場所の葛藤」を前提に、
一般論よりも余白を持たせた設計が心の安心につながると感じています。
② 「自分一人で生きる」前提
二つ目は、セーフティネットの問題です。
多くのライフプランは、
・配偶者がいる
・家族が支えてくれる
・いざとなれば実家がある
という前提で語られます。
しかしLGBTQ+の場合、以前の記事でも触れた通り、
・家族と距離がある
・同性パートナーは法的には他人
・介護や相続の話が曖昧
というケースも少なくありません。
僕自身、母子家庭で育ち、
将来的に実家を経済的に支える可能性もあります。
つまり、「何かあったときに誰が助けてくれるか」が不透明ですし、
「自助」前提での資産形成をしていく必要があります。
だからこそ、
・現金での余力
・すぐ使えるお金
を、一般的な資産形成以上に重視する必要があると感じました。
③ 働き方が途中で変わる前提
三つ目は、働き続けられることを前提にしないという考え方です。
この点も以前の記事でも触れた通り、LGBTQ+であることで、
・カミングアウトの有無
・職場との相性
・メンタルや体力への影響
といったリスクは、どうしても高くなります。
今は問題がなくても、異動や転職によって環境が一変することもあります。
だからこそ、
・フルタイム前提
・収入右肩上がり前提
の生活防衛資金ではなく、
途中でペースを落としても崩れない設計
を目指す必要があると感じました。
数字よりも、「前提」「マインド」を言語化することから
ここまで3つの前提を整理してみて、改めて感じたのは、
LGBTQ+として生きるうえでは、 「見えにくいコスト」や「想定されていないリスク」を抜きにして、 資産形成を語ることはできない、
ということでした。
そして、お金の不安は「自分が弱いから」ではなく、
一部は生い立ちからくるものであり、
かつ、社会が想定していない人生を生きているから、
だけなのだと思います。
だから、LGBTQ+としての資産形成は、
「いくら増やすか」
「何%で回すか」
といった数字の話よりも先に、
どんな不安を、お金というクッションで引き受けたいのか
を言語化するところから始まるのだと、今は考えています。
もちろん、現実的な数字や投資の話も避けては通れません。
今後の記事では、そのあたりも少しずつ具体的に書いていく予定です。
皆さんが今、お金で感じている不安は何でしょうか。
この文章が、同じようなモヤモヤを抱えている方の
思考を整理するきっかけになれば嬉しいです🏳️🌈
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