鹿児島大学工学部 ― 元アドミッションコーディネータの視点で「大学が本当に求めている学生像」を読み解く ―
1. 学部概要
学べる分野
鹿児島大学工学部では、「人々の暮らしをより便利で安全にする技術」を学びます。
機械や電気、情報だけでなく、建築、化学、海洋、先端材料など幅広い工学分野を学べるのが特徴です。
現在は次のような分野を中心に教育・研究が行われています。
機械工学(ロボット・自動車・航空宇宙・設計)
電気電子工学(電力・電子回路・半導体・通信)
情報・AI(プログラミング・人工知能・データサイエンス)
建築学(建築設計・都市計画・防災)
化学・材料工学(新素材・エネルギー・環境)
海洋・土木・社会基盤工学(インフラ・防災・海洋資源)
数学や物理、化学などの基礎科学を土台に、「社会で役立つ技術」へと発展させていく学部です。
注目の特徴
鹿児島大学工学部の最大の特徴は、地域課題を最先端の工学技術で解決する実践的な学びです。
鹿児島県は、
活火山・桜島
離島地域
再生可能エネルギー
海洋資源
半導体関連産業
防災・減災
など、多様な社会課題と研究テーマに恵まれています。
そのため工学部では、
火山災害対策
インフラ維持管理
ロボット・AI
再生可能エネルギー
次世代材料
海洋技術
など、地域と連携した研究が数多く行われています。
また、企業や自治体との共同研究や実践型教育も盛んです。
「学んだ知識を社会でどう生かすか」を意識した教育が充実しています。
身につく力
工学部で身につくのは、専門知識だけではありません。
数学や物理を活用して課題を分析する力
AIやプログラミングなどのデジタル技術を使いこなす力
実験・設計・ものづくりの技術
チームでプロジェクトを進める力
課題を発見し、解決策を提案・実現する力
社会や企業のニーズを踏まえて新しい技術を生み出す力
卒業後は、メーカー、情報通信、建設、エネルギー、化学、半導体、自動車、公務員など幅広い分野で活躍できる「実践的な技術者・研究者」としての力が身につきます。
元「中の人」のチェックポイント
鹿児島大学工学部といえば、桜島の防災研究、再生可能エネルギー、海洋・離島技術、半導体・AIなど、地域課題と最先端技術を結び付けた教育・研究。
学びの活かし方にも力を入れていて、「実践的な技術者・研究者」として活躍できそう。
2. この学部に向いている人
理系だけど、何を作りたいかはまだ決まっていない…
「機械も面白そうだけど、情報系にも興味がある。」
「AIやロボットには興味があるけれど、自分に向いている分野がまだ分からない。」
「数学や物理は好きだけれど、将来どんな仕事に就きたいかは決めていない。」
そんな受験生にも、鹿児島大学工学部はおすすめです。
工学部には、機械、電気電子、情報、建築、化学・材料、海洋・土木など幅広い分野があります。
高校で学ぶ数学や理科を土台に、「社会で役立つ技術」を学びながら、自分の興味や適性を見つけていくことができます。
「理系に進みたい」という気持ちがあれば、入学後の学びを通して、自分が本当にやりたいことを見つけられる可能性があります。
鹿児島大学工学部がオススメの人
それでは、鹿児島大学工学部に向いている人をみていきましょう。
① 「ものづくり」が好きな人
工学部では、機械や建物、コンピュータシステム、新素材など、「社会で役立つもの」を生み出すことを学びます。
機械を設計したい
ロボットを作りたい
AIを開発したい
建物や橋を設計したい
環境問題を技術で解決したい
そんな気持ちを持っている人にはぴったりです。
② 数学や理科を「実際の社会」で生かしたい人
高校で学ぶ数学や物理、化学は、「何の役に立つの?」と思うことがあるかもしれません。
工学部では、それらの知識を使って、
新しい製品を開発する
災害に強い街をつくる
AIを活用する
エネルギー問題を解決する
など、社会の課題に挑戦します。
「勉強したことを実際に役立てたい」という人に向いています。
③ チームで協力して課題に取り組むことが好きな人
現代の技術開発は、一人だけで完結することはほとんどありません。
工学部では、
実験
設計
グループワーク
卒業研究
などを通して、多くの人と協力しながら課題を解決する力も身につけます。
コミュニケーションを取りながら、一つの目標に向かって取り組める人は、大きく成長できるでしょう。
④ 地域や社会に貢献できる仕事がしたい人
鹿児島大学工学部では、
防災・減災
再生可能エネルギー
海洋資源
離島インフラ
AI・情報技術
など、地域が抱える課題をテーマにした研究が数多く行われています。
「技術を通して社会を良くしたい」という思いを持つ人には、学びが実感しやすい環境です。
逆に向いていないかもしれない人
一方で、
「自然現象の仕組みそのものを深く研究したい」
「理論を追究することに最も興味がある」
という人は、理学部のほうが学びのイメージに近いかもしれません。
工学部は、科学の知識を土台にしながら、「どうすれば社会で役立つ技術になるか」を考える学部だからです。
「考えること」と同じくらい、「作ること」「改善すること」「実現すること」に魅力を感じられるかどうかが、工学部を志望するうえでは大切なポイントになります。
元「中の人」のチェックポイント
AIや半導体、防災、再生可能エネルギー、海洋技術など、現代社会が必要としている技術分野を数多く学べる。
現時点で、「まだ将来の職業は決めていないけれど、技術で社会に貢献したい」という受験生こそ、大学での学びを通して将来を考えられる。
少し余談ですが、進路相談会などで高校生からよく質問されるのが、「理学部と工学部、どちらが自分に合っているか分からない」という相談です。
そのとき私は、次のように説明していました。
「自然の法則を知りたい」なら理学部
「その法則を使って社会に役立つものを作りたい」なら工学部
もちろん、どちらも大学入試では数学や理科が重視され、大学入学後でも数学や理科をを学びますが、学びのゴールが異なるところがポイントです。
3. 学びの特徴
アドミッションポリシー(求める学生像)
鹿児島大学工学部が求めているのは、数学や理科を基礎として、ものづくりや社会課題の解決に挑戦したい人です。
高校で培った基礎学力に加え、
自ら学ぶ意欲
論理的に考える力
新しいことへ挑戦する姿勢
チームで協力する力
なども重視されています。
また、工学は一人で完結する学問ではありません。
企業や自治体、異なる専門分野の人たちと協力しながら新しい技術を生み出す場面がすくなくありません。
そのため、コミュニケーション能力や主体性も大切にされています。
「数学や理科を生かして、社会の役に立つものを作りたい人」
「AIやロボット、建築、エネルギーなど、新しい技術に興味がある人」
そんな受験生を求めている学部です。
カリキュラムポリシー(教育の進め方)
工学部では、基礎から応用、そして実践へと段階的に学べるカリキュラムが組まれています。
1・2年次には数学・物理・化学・情報などの基礎をしっかり学び、専門科目の土台を築きます。
その後は、
実験
演習
設計
プログラミング
グループワーク
卒業研究
などを通して、知識を「使える力」へと発展させていきます。
さらに、企業や自治体との連携を取り入れた実践的な学びも重視されており、「学んだことを社会でどう生かすか」を意識した教育が行われています。
ディプロマポリシー(卒業時に身につく力)
卒業時には、専門知識だけでなく、技術者として社会で活躍するための幅広い能力を身につけます。
具体的には、
数学・自然科学を工学へ応用する力
課題を分析し、解決策を考える力
設計・実験・解析を行う力
AIや情報技術を活用する力
チームでプロジェクトを進める力
プレゼンテーションやコミュニケーション能力
技術者としての倫理観や社会的責任
などです。
これらはメーカー、建設、情報通信、エネルギー、行政など、さまざまな分野で求められる力です。
カリキュラム(4年間の学び)
それでは、鹿児島大学工学部のカリキュラムの特徴をみていきましょう。
1年次:工学の基礎を身につける
まずは教養教育とともに、
微分積分
線形代数
物理学
化学
プログラミング
情報リテラシー
などを学びます。
これから工学を深めるための共通基盤を固める大切な時期です。
2年次:専門分野の基礎を学ぶ
所属するコース・プログラムごとに、
機械設計
電気回路
電子工学
建築設計
材料工学
情報工学
海洋・土木工学
など、専門科目が本格的に始まります。
実験や演習も増え、「学ぶ」から「使う」へと学びが変化していきます。
3年次:実践的な学びへ
専門実験や設計演習、プログラミング、グループワークなどを通して、実社会を意識した課題に取り組みます。
研究室配属を見据え、自分の興味のある分野を深める時期でもあります。
4年次:卒業研究
研究室に所属し、教員の指導を受けながら卒業研究を行います。
実際の研究や開発を通して、
課題を発見する
解決方法を考える
実験・設計・解析を行う
成果をまとめて発表する
という、技術者・研究者として必要な一連のプロセスを経験します。
PBL・実習
鹿児島大学工学部では、「実際にやってみる」ことを重視した教育が数多く取り入れられています。
例えば、
設計演習
ロボット製作
プログラミング演習
電子回路製作
建築設計演習
構造実験
フィールド調査
企業と連携した課題解決型学習(PBL)
など、講義で学んだ知識を実践の中で活用する機会が豊富です。
特にPBLでは、学生同士がチームを組み、課題の分析から解決策の提案・発表までを行います。
技術力だけでなく、コミュニケーション力やプロジェクトを進める力も養われます。
特色ある授業
鹿児島大学工学部ならではの特徴は、地域の課題を最先端技術で解決する教育です。
例えば、
桜島の火山防災
離島のインフラ整備
再生可能エネルギーの活用
海洋資源の利用
半導体・AI技術の応用
など、鹿児島ならではのテーマを扱う授業や研究が数多くあります。
また、企業や自治体との共同研究やインターンシップも活発で、学生のうちから実際の社会課題に触れる機会が豊富です。
少人数で行われる実験や卒業研究では、教員との距離も近く、一人ひとりが丁寧な指導を受けながら専門性を高めていくことができます。
元「中の人」のチェックポイント
大きな魅力は、火山、防災、離島、海洋、再生可能エネルギーといった地域課題を教材にしながら、全国や世界でも通用する技術を学べること。
単に講義を受けるだけの学部ではなく、実験・設計・PBL・卒業研究を通して「自分の手で考え、作り、改善する力」を身につけられる。
「理論を社会で使える技術へ変える4年間」を通して、地域に根ざした実践的な教育を受けられる点が大きな強み。
4. 研究
主な研究分野
鹿児島大学工学部では、機械・電気電子・情報・建築・化学・海洋・土木など幅広い工学分野で研究が行われています。
機械工学
機械工学では、「より安全で効率のよいものづくり」を目指した研究が進められています。
例えば、
ロボット工学
自動車・航空機の設計
精密機械
流体工学
熱エネルギー利用
生産システム
などが主な研究テーマです。
近年は、AIやIoTを活用したスマートものづくりにも力を入れています。
電気電子工学
電気や電子技術は、私たちの生活を支える重要な分野です。
研究では、
半導体
電力システム
通信技術
電子デバイス
制御工学
センサー技術
など、次世代社会を支える技術の開発が行われています。
情報・AI
情報分野では、
人工知能(AI)
データサイエンス
画像認識
情報ネットワーク
サイバーセキュリティ
ソフトウェア開発
など、社会のデジタル化を支える研究が進められています。
AIやビッグデータの活用は、医療、防災、交通など幅広い分野へ応用されています。
建築・社会基盤工学
建築や土木分野では、
建築設計
都市計画
地震・火山防災
コンクリート材料
橋梁・道路
インフラ維持管理
など、安全で暮らしやすい社会をつくるための研究が行われています。
桜島を抱える鹿児島ならではの防災研究も特色の一つです。
化学・材料工学
新しい材料や環境技術の研究も盛んです。
例えば、
新素材の開発
電池材料
水素エネルギー
環境浄化
高分子材料
ナノテクノロジー
など、未来の産業を支える研究が進められています。
海洋・環境工学
鹿児島大学ならではの特色ある分野です。
鹿児島湾や東シナ海をフィールドとして、
海洋エネルギー
港湾・海岸工学
海洋環境保全
離島インフラ
海洋資源
などの研究が行われています。
全国でも海洋と工学を結び付けて学べる環境は多くありません。
卒業研究テーマの例
4年次には研究室に所属し、自分のテーマを設定して卒業研究に取り組みます。
実際の研究テーマや、それに近いテーマには次のようなものがあります。
機械工学
災害対応ロボットの開発
ドローンの飛行制御
自動運転技術
ロボットアームの制御
電気電子工学
次世代半導体デバイス
電力需要の最適化
ワイヤレス通信技術
センサーシステムの開発
情報・AI
AIによる画像認識
医療データ解析
防災情報システム
機械学習を活用した需要予測
サイバーセキュリティ技術
建築・社会基盤工学
桜島火山地域の防災計画
地震に強い建築構造
インフラの老朽化診断
離島地域のまちづくり
化学・材料工学
リチウムイオン電池材料の開発
環境に優しい新素材
触媒反応の高効率化
バイオマス資源の有効利用
海洋・環境工学
海洋プラスチック問題の分析
港湾構造物の耐久性評価
洋上再生可能エネルギー
海洋観測データの解析
鹿児島大学ならではの研究
鹿児島大学工学部の魅力は、地域課題を世界レベルの研究テーマへ発展させていることです。
例えば、
桜島周辺の火山防災
離島地域のインフラ整備
再生可能エネルギーの活用
海洋資源の有効利用
半導体・AI技術の社会実装
など、鹿児島ならではの課題を研究対象としながら、全国・世界へ応用できる技術の開発を進めています。
また、企業や自治体との共同研究も盛んで、学生が実際の社会課題に触れながら研究を進められることも大きな特徴です。
元「中の人」のチェックポイント
工学部の研究は、教科書の知識を覚えるだけでは終わらない。
たとえば、AI、ロボット、半導体、防災、エネルギー、海洋といった、これからの社会を支える技術をテーマに研究が行われている。
桜島の火山防災や離島インフラ、海洋資源など、鹿児島という地域ならではの課題に取り組めることは大きな魅力。
5. 学生生活
男女比
鹿児島大学工学部は、男子学生が多い学部です。
2025年度の学生数は、
男子:約85%
女子:約15%
となっており、およそ6対1の割合です。これは全国の国立大学工学部としては平均的でありほぼ同じ傾向です。
一方で、近年は女性技術者への期待が高まっていることもあり、女子学生の割合は少しずつ増えつつあります。
工学部では実験や設計演習、グループワーク、卒業研究などを少人数で行う機会が多く、男女を問わず協力しながら学ぶ環境が整っています。
また、鹿児島大学では女性研究者や女子学生を支援する取り組みも進められており、理工系を志望する女子高校生向けのイベントや研究紹介なども実施されています。
「女子が少ないから不安…」と感じる人もいるかもしれません。
しかし、実際には研究室やプロジェクト単位で活動することが多く、男女の人数差をあまり意識せずに学んでいる学生も少なくありません。
出身地
「地元・九州出身者が中心ですが、全国から学生が集まる学部」です。
鹿児島大学全体では九州出身者が多く、
鹿児島県
宮崎県
熊本県
福岡県
大分県
などから多くの学生が入学しています。
一方で工学部は、
AI
情報
建築
機械
半導体
など専門分野を目指して県外から進学する学生も多く、
中国地方
四国地方
関西地方
関東地方
から入学する学生も見られます。
一人暮らしを始める学生も多く、研究室単位で交流する機会が増えるため、県外出身でもなじみやすい環境です。
留学
工学部では、「研究を世界につなげる」ための国際交流にも力を入れています。
留学制度
大学全体の交換留学制度を利用し、
半年〜1年間の交換留学
短期海外研修
サマースクール
オンライン国際交流
などに参加できます。
また、大学院では海外の大学や研究機関との共同研究や国際学会での発表に挑戦する学生もいます。
提携大学
鹿児島大学はアジア、ヨーロッパ、北米、オセアニアなど、多くの大学と学術交流協定を結んでいます。
工学部では特に、
韓国
中国
台湾
タイ
マレーシア
など、ものづくりや情報技術の研究が盛んな大学との交流が活発です。
留学支援
留学を希望する学生には、
留学相談
英語学習支援
奨学金制度
国際交流センターによるサポート
などが用意されています。
工学分野では英語で論文を読む機会も多く、国際的な研究活動へつながる環境が整っています。
地域連携
鹿児島大学工学部の大きな特徴は、地域そのものを実験室として学べることです。
例えば、
桜島の火山防災
離島の交通・通信・インフラ
再生可能エネルギー
海洋資源の活用
地域企業との共同研究
自治体との防災・まちづくり
など、地域が抱える課題を研究テーマとして扱っています。
また、企業や自治体と連携したPBL(課題解決型学習)やインターンシップも充実しており、学生のうちから実社会の課題に触れられることも鹿児島大学工学部ならではの魅力です。
元「中の人」のチェックポイント
鹿児島大学工学部は、地域課題に取り組みながら全国・世界へ通用する技術を学べる環境があるため、地元だけでなく全国から学びに来る。
工学部としての女子率は全国平均レベル。
とはいえ、基本的に少人数教育なので、「女子だから浮く」という場面は思っているほど多くなく、心配しなくてもよさそう。
企業から女性技術者や女性研究者への期待が年々高まっていて、工学系を学ぶことは将来のキャリアの選択肢を広げられそう。
6. 入試情報
選抜方式
鹿児島大学工学部では、主に次の選抜方式で学生を募集しています。
一般選抜(前期・後期)
最も募集人数が多い入試方式です。
大学入学共通テストと個別学力検査を組み合わせて合否を判定します。
前期日程では数学・理科・英語を中心とした学力が重視され、工学を学ぶために必要な基礎学力が問われます。
後期日程は募集人数が少ないため倍率が高くなりやすく、共通テストの得点力が重要になります。
総合型選抜
工学への興味や探究活動、ものづくりへの意欲などを重視する入試です。
面接やプレゼンテーション、小論文などを通して、
主体性
課題解決への意欲
学ぶ姿勢
などが評価されます。
学校推薦型選抜
学校長推薦を受けて出願する方式です。
評定平均だけでなく、
数学・理科の基礎学力
面接
志望理由書
などを総合的に評価します。
その他の特別選抜
私費外国人留学生選抜なども実施されています。
難易度
鹿児島大学工学部は、地方国立大学工学部として標準〜やや難関レベルです。
共通テストでは6~7割程度が一つの目安ですが、学科・プログラムや年度によって合格ラインは変動します。
特に、
情報系
電気電子系
は近年人気が高く、倍率が上がる傾向があります。
一方、
機械系
化学・材料系
建築・社会基盤系
などは年度によって倍率が比較的落ち着くこともあります。
数学・理科が得意な受験生ほど有利になりやすい学部です。
各教科の重要度と得点源
数学 重要度:★★★★★ 得点源:★★★★☆
共通テストでも個別学力検査でも問われます。
工学部で最も重要な教科といえます。
個別学力検査でも差がつきやすく、合否を左右しやすい教科です。
英語 重要度:★★★★☆ 得点源:★★★☆☆
共通テストでも個別学力検査でも問われます。
英文読解力は大学入学後も必要です。
安定して得点できる力をつけましょう。
国語 重要度:★★☆☆☆ 得点源:★★★★☆
共通テストのみで使います。
大きく失点しないことが大切です。
理科 重要度:★★★★★ 得点源:★★★★☆
共通テストでも個別学力検査でも問われます。
数学と並ぶ重要科目です。
物理・化学を中心に深い理解が求められます。
社会 重要度:★★☆☆☆ 得点源:★★★★☆
共通テストのみで使います。
意外と共通テストでは得点源にしやすい教科です。
安定して8割以上を目指したいところです。
情報 重要度:★★★☆☆ 得点源:★★★★☆
共通テストのみで使います。
基本事項を早めに固めましょう。
入試対策のポイント
鹿児島大学工学部では、
「数学・理科で勝負し、共通テストで取りこぼさない」
ことが合格への近道です。
おすすめの学習バランスは、
数学は標準問題を完答できる力を身につける
理科(特に物理・化学)は現象を説明できるレベルまで理解する
英語は長文読解を毎日続ける
社会・情報は共通テストの得点源にする
国語は大きく失点しないレベルを維持する
という形です。
元「中の人」のチェックポイント
AIやプログラミング、データサイエンス、電気電子工学などは、数学が土台となっている。
鹿児島大学工学部を目指すなら、数学を「苦手科目」ではなく「武器」に変えることが何より重要。
7. 進路
進級と留年の状況
鹿児島大学工学部では、1・2年次に数学・物理・化学・情報などの基礎科目を集中的に学びます。
これらは専門科目の土台となるため、基礎が十分に身についていないと、その後の設計演習や実験、卒業研究で苦労することがあります。
そのため、工学部は文系学部と比べると留年する学生がやや多い傾向がありますが、多くは基礎科目の単位取得が影響しています。
一方で、
少人数演習
教員による学修指導
研究室での個別指導
など、学生を支える体制も整っています。
授業や実験にしっかり取り組み、計画的に履修すれば、過度に心配する必要はありません。
大学院進学
鹿児島大学工学部では、大学院へ進学する学生が非常に多いことが特徴です。
2025年卒業生では、
卒業生:約390人
大学院進学:約180人
となっており、約半数近くの学生が大学院へ進学しています。
工学分野では、企業の研究開発職や設計職、技術職では修士課程修了者を積極的に採用する企業が多いため、大学院進学は珍しい進路ではなく、ごく一般的な選択肢です。
女子学生の進学について
女子学生も、男子学生と同様に大学院へ進学し、研究開発職や高度専門職を目指すケースが増えています。
近年は企業でも女性技術者・女性研究者の採用や活躍推進が進んでおり、修士課程修了者へのニーズも高まっています。
「女子だから学部卒で就職する人が多い」という傾向は以前より弱まり、専門性を高めるために大学院へ進学する学生も珍しくありません。
主な就職先
鹿児島大学工学部は、毎年多くの卒業生が大手企業や官公庁へ就職しています。
主な就職先としては、
情報・通信
富士通
NEC
NTTグループ
Sky
SCSK
日鉄ソリューションズ
BIPROGY(旧 日本ユニシス)
電機・機械・製造
三菱電機
パナソニック
京セラ
ソニーグループ
デンソー
トヨタ自動車グループ
本田技研工業(Honda)
建設・インフラ
大成建設
鹿島建設
清水建設
大林組
NEXCO
JR各社
エネルギー・公務員
九州電力
沖縄電力
国土交通省
鹿児島県庁
各自治体
教員
など、非常に幅広い分野へ進んでいます。
女子学生の就職について
女子学生も、
建設コンサルタント
IT企業
半導体メーカー
化学メーカー
電機メーカー
公務員
などへ数多く就職しています。
近年は女性技術者の採用を積極的に行う企業も増えており、設計職、研究開発職、システムエンジニアなどで活躍する卒業生も少なくありません。
進路先の都道府県
就職先は、鹿児島県内だけでなく全国に広がっています。
主な就職先の地域は、
鹿児島県
福岡県
熊本県
宮崎県
東京都
神奈川県
愛知県
大阪府
広島県
などです。
九州で就職する学生が比較的多い一方で、
自動車産業(愛知県)
情報通信(東京都・神奈川県)
半導体関連(九州各県)
など、自分の専門分野に応じて全国へ活躍の場を広げています。
大学院修了後には、さらに全国・海外で研究開発や技術開発に携わる卒業生も多くいます。
元「中の人」のチェックポイント
工学部は「就職に強い学部」ですが、実際には「専門性を高めるために大学院へ進学する学生が多いから就職に強い学部」といえる。
工学系では修士課程修了者を前提に採用を行う企業も多く、大学院進学はキャリアアップのための一般的な選択肢。
男性だけでなく、IT、半導体、建設、化学、エネルギーなど、多くの業界で女性エンジニアや研究者が活躍中。
8. 学費・生活費
学費
鹿児島大学工学部は国立大学のため、学費は全国の国立大学とほぼ共通です。
入学料
約28万2,000円授業料(年間)
約53万5,800円4年間授業料
約214万3,200円学費合計
約242万5,200円
※ 2026年度の標準額です。在学中に改定される場合があります。
追加費用
工学部では授業料以外にも、専門的な学習に必要な費用がかかります。
主なものとして、
教科書代(年間3〜6万円程度)
ノートパソコン(10〜20万円程度)
実験用品・作業着・安全靴など(学科によって異なる)
製図用品(建築系など)
卒業研究・学会参加費(研究室による)
資格試験の受験料(希望者)
などがあります。
特に工学部では、レポート作成やプログラミング、CAD(設計ソフト)などでパソコンを日常的に使用するため、性能に余裕のあるノートパソコンを準備しておくと安心です。
奨学金①:全国共通の制度
最も利用者が多いのは、日本学生支援機構(JASSO)の奨学金です。
給付型奨学金(返済不要)
第一種奨学金(無利子)
第二種奨学金(有利子)
があり、家計状況や学業成績などに応じて利用できます。
工学部でも、多くの学生がこれらの制度を活用しています。
奨学金②:鹿児島大学独自の支援
鹿児島大学では、
民間・自治体奨学金の紹介
各種経済支援制度
家計急変時の支援制度
など、学生生活を支える体制が整っています。
経済的な事情がある場合は、入学前から学生生活課へ相談することもできます。
授業料免除制度
鹿児島大学は、国の高等教育の修学支援新制度の対象校です。
対象となる学生は、
入学料の減免
授業料の全額または一部免除
給付型奨学金
を併せて受けられる可能性があります。
また、多子世帯への授業料等支援にも対応しており、制度の対象や申請方法は毎年度案内されています。
アパート相場
工学部のある郡元キャンパス周辺には、学生向けアパートが数多くあります。
家賃の目安は、
ワンルーム・1K:約3.5〜5.0万円
バス・トイレ別:約4.5〜6.0万円
程度です。
大学周辺には、
スーパー
コンビニ
飲食店
病院
路面電車・バス
などがそろっており、一人暮らしを始めやすい環境です。
首都圏と比べると生活費を抑えやすいことも、鹿児島大学の大きな魅力です。
卒業までの費用シミュレーション
県外から進学し、一人暮らしをする場合のおおよその目安です。
入学料・授業料
約243万円家賃(月4.5万円)
約216万円食費・光熱費・通信費
約300万円教材・パソコン・実験用品など
約50万円合計
約810万円前後
※ 生活スタイルや住居、学科によって変動します。
自宅から通学する場合は家賃が不要になるため、総額は約320〜400万円程度に抑えられるケースもあります。
元「中の人」から保護者の方へ
「工学部は設備が充実しているから学費が高いのでは?」という質問をいただくことがありますが、鹿児島大学工学部は国立大学のため、授業料は他の国立大学と同じ水準です。
一方で、工学部ならではの特徴として、パソコンや実験用品、設計・製図用品などの初期費用が必要になる学科があります。
そのため、入学前には学費だけでなく、こうした準備費用も見込んでおくと安心です。
9. 入学後のサポート
リメディアル教育(高校の学び直し)
工学部では、高校で学ぶ数学・物理・化学を土台として専門科目を学びます。
そのため、入学後は初年次教育や基礎科目を通して、大学レベルの学習へスムーズに移行できるよう配慮されています。
特に、
微分積分
線形代数
力学
電磁気学
基礎化学
プログラミング
などは、専門科目につながる重要な内容です。
高校との学習レベルの違いに戸惑う学生もいますが、基礎から段階的に学べるカリキュラムになっているため、着実に力を身につけられます。
学修支援(担任制・少人数教育)
鹿児島大学工学部では、学生が安心して学べるよう、少人数教育を重視しています。
入学後は学年や学科ごとに教員が履修や学生生活の相談に応じる体制があり、3年次以降は研究室で指導教員のもと専門性を深めていきます。
卒業研究では、
テーマ設定
実験・設計
データ解析
論文作成
学会発表
まで、一人ひとりが教員のサポートを受けながら取り組みます。
実験や設計演習も少人数で実施されることが多く、質問しやすい環境です。
取得できる資格
工学部では、学科や履修科目によってさまざまな資格を目指すことができます。
主な資格には、
高等学校教諭一種免許状(工業)
高等学校教諭一種免許状(情報)(対象コース)
測量士補(指定科目履修による)
学芸員(任用資格)
技術士第一次試験の一部免除対象となる教育プログラム(学科・コースによる)
などがあります。
さらに卒業後には、
技術士
建築士
電気主任技術者
情報処理技術者試験
など、専門分野に応じた国家資格へ挑戦する卒業生も多くいます。
資格取得サポート
工学部では、授業そのものが資格取得につながる内容になっている科目も多くあります。
また、
教職課程
建築関連資格
技術士を見据えた教育
情報系資格
など、それぞれの進路に応じた履修指導が行われています。
資格取得だけを目的とするのではなく、「専門知識を社会で活用できる力」を身につけることが教育の中心となっています。
キャリア・就職支援
鹿児島大学にはキャリア形成支援センターが設置されており、
就職ガイダンス
業界・企業研究セミナー
インターンシップ支援
エントリーシート添削
模擬面接
個別キャリア相談
などを利用できます。
工学部では企業との共同研究やインターンシップも多く、研究室を通じて企業との接点が生まれることも少なくありません。
大学院進学を希望する学生への進学相談も充実しています。
ICT・図書館サポート
授業では学習支援システム(manabaなど)が活用され、
教材配布
レポート提出
オンライン学習
授業連絡
などが行われています。
附属図書館では、
工学・情報分野の専門書
電子ジャーナル
学術データベース
論文検索サービス
レポート・卒業研究支援
などが利用できます。
工学部では卒業研究で海外の論文を読む機会も多いため、電子資料の充実は大きな魅力です。
学生寮
鹿児島大学では、県外から入学する学生のために学生寮を設置しています。
寮費は民間アパートよりも抑えられており、生活費を節約したい学生にとって魅力的な選択肢です。
ただし、入寮希望者が多い場合は選考となるため、早めの情報収集がおすすめです。
工学部は県外出身者も比較的多いため、寮や大学周辺の学生向けアパートを利用する学生が多く見られます。
その他の学生サポート体制
鹿児島大学では、学業だけでなく学生生活全般を支える体制が整っています。
例えば、
学修相談
学生生活相談
メンタルヘルス相談
ハラスメント相談
障害学生支援
奨学金・経済支援相談
国際交流・留学相談
など、多様な相談窓口があります。
また、工学部では研究室に所属すると教員との距離が近くなり、学習だけでなく就職や大学院進学についても気軽に相談できる環境があります。
元「中の人」のチェックポイント
受験生から「今でさえ数学や理科が難しいのに、大学の授業についていけるか心配」と相談されるが、鹿児島大学では初年次教育や少人数教育、研究室での丁寧な指導など、段階的に専門知識を身につけられる仕組みが整っている。
専門知識を身につけ、それを社会で生かす力を育てることを重視した教育プログラムであり、「学ぶ→研究する→社会で活躍する」という流れを4年間を通して支えてくれる。
10. この学部を一言で表すと?
「技術で社会の課題を解決し、未来をつくる学部」
鹿児島大学工学部は、数学や物理、化学などの基礎科学を土台に、機械、電気電子、情報、建築、化学・材料、社会基盤など幅広い工学分野を学び、「社会に役立つ技術」へとつなげていく学部です。
講義で知識を学ぶだけではなく、実験や設計、プログラミング、PBL(課題解決型学習)、卒業研究などを通して、自ら課題を見つけ、解決策を考え、形にする力を身につけていきます。
また、桜島の火山防災、離島インフラ、再生可能エネルギー、海洋資源、AI・半導体など、鹿児島ならではの地域課題を研究テーマにできることも大きな魅力です。
卒業後はメーカー、情報通信、建設、エネルギー、公務員など幅広い分野で活躍しており、多くの学生が大学院へ進学して専門性をさらに高めています。
「ものづくりが好き。」
「AIやロボットに興味がある。」
「社会の役に立つ技術を生み出したい。」
「理系の知識を将来の仕事に生かしたい。」
そんな受験生にとって、鹿児島大学工学部は、自分のアイデアや技術で未来をつくる力を育てられる学びの場になるでしょう。
鹿児島大学工学部はこんな人におすすめ!
「ものづくり」が好きな人
機械やロボット、建物、情報システムなど、「形あるもの」を生み出すことに興味がある人に向いています。
数学や理科を社会で役立てたい人
高校で学ぶ数学・物理・化学を、AI、エネルギー、防災、建築などの実社会の課題解決に生かしたい人におすすめです。
AI・情報・ロボットなど最先端技術に興味がある人
急速に発展するデジタル技術を学び、未来の産業を支える技術者・研究者を目指したい人に適しています。
チームで課題に取り組むことが好きな人
実験や設計演習、PBL、卒業研究では、多くの仲間と協力しながら一つの課題を解決していきます。
地域や社会に貢献できる仕事がしたい人
桜島の火山防災、離島インフラ、再生可能エネルギーなど、鹿児島ならではの課題を工学の力で解決したい人にぴったりです。
大学院進学や研究開発職を目指したい人
専門性をさらに高め、企業の研究開発職や高度技術者として活躍したい人にも充実した環境があります。
元「中の人」から伝えたいこと
桜島の火山防災、離島インフラ、海洋資源、再生可能エネルギーといった鹿児島ならではのテーマに取り組みながら、全国・世界で通用する技術者を育てているのが鹿児島大学工学部の最大の魅力です。
その成果は全国や世界の課題解決にもつながっています。
また、多くの学生が大学院へ進学しています。
企業の研究開発職や設計職、情報技術者として活躍していることからも、工学部で身につけた専門性が社会から高く評価されていることが分かります。
最後に
「工学部」と聞くと、
「数学が得意な人しか無理そう」
「男子が多そう」
「専門的すぎて難しそう」
と感じる人もいるかもしれません。
でも、工学部で本当に大切なのは、
「社会をもっと良くしたい」
「ものづくりが好き」
「新しい技術に挑戦してみたい」
という気持ちです。
大学では、高校までに学んだ数学や理科を土台にしながら、先生や仲間と一緒に実験や研究を重ね、一歩ずつ専門性を身につけていきます。
もし今、
「機械も面白そう」
「AIにも興味がある」
「建築も気になる」
と迷っているなら、それは決して悪いことではありません。
高校生の段階で将来の仕事を完璧に決めている人のほうが少数です。
鹿児島大学工学部には、自分の興味を深めながら、社会に役立つ技術を学べる環境があります。
「理系の知識で、誰かの役に立つ仕事がしたい。」
そんな思いが少しでもあるなら、ぜひ一度、オープンキャンパスや大学案内で鹿児島大学工学部の学びに触れてみてください。
あなたが思い描く「未来をつくる技術者」への第一歩が、ここから始まるかもしれません。
この学部を一言で表すと
「鹿児島で学び、技術で社会を変え、全国・世界で活躍できる工学部」
工学部選びで大切なのは、「どの分野が人気か」ではなく、「自分はどんな課題を解決したいのか」を考えることです。
その答えが見つかったとき、志望理由書にも、面接にも、そして大学での4年間にも、自分らしいストーリーが生まれます。
