見出し画像

【JACE2026まとめ】福岡から持ち帰った透析CE必読の3トピック



はじめに


JACE2026(第36回日本臨床工学会)が
5月16日・17日に福岡で終わりました。

11年ぶりの福岡開催、
テーマは「志の醸成~臨床工学を未来に紡ぐ」

今回は透析・血液浄化・VAに関わるCEに絞って、
現場で即使える3つのトピックを整理しました。
参加した方の復習にも、
行けなかった方のキャッチアップにも使ってください。


① VAアクセス管理は「多角的評価」の時代へ


以下、2セッションがともにVA管理の"進化"を議論する場になっていた。

シンポジウム12「バスキュラーアクセス管理の新たな展開を洞察する」
公募企画20「透析医療におけるエコー下穿刺手技の標準化に向けた現状と課題」

これまでのVA管理は触診・視診による物理的評価が主流で、
施設によってはRIやQa測定を組み合わせる程度だった。
今学会で強調されていたのは、
従来の身体所見に加え、
電子聴診器・血流動態解析・エコーをセットで使う多角的評価
というアプローチだ。

現場での意味:
エコー下穿刺については「標準化」という言葉が明確に打ち出された。
穿刺ルートの選定や困難血管へのアプローチが
属人化しやすいこの業務に対して、
施設間格差をなくしていく方向性が示されている。

特に重要なのは、
エコー穿刺を「うまい人だけがやる技術」から
「施設としての標準手順」へ格上げするという姿勢だ。


アクション:

  • 自施設のエコー下穿刺の実施状況と手順書の有無を確認する

  • RIやQaに加え、電子聴診器・エコーによる評価を記録として残す体制があるか点検する

  • 困難血管リストの作成・更新が定期的にできているか確認する



② 透析医療安全の"提言"を現場で実現するには

シンポジウム3
「透析医療安全の再考~提言を再現するために~」は
2時間枠で行われ、安全管理の議論が集中した。

日本透析医学会・日臨工から
さまざまな安全提言が出されているにもかかわらず、
現場での実装率には施設差が大きい。
今回のセッションで問われていたのは
「提言はある。でもなぜ現場に根付かないのか」という点だ。

出てきたキーワードは
「可視化」「KPI設定」「インシデント分析の共有」。
単に手順書を作るだけでなく、
安全指標を数字で追い、それを施設内で見える化することが、
安全文化の醸成につながるという視点だ。

現場での意味:
透析室でのヒヤリハット・インシデントを
「起きたこと」として記録するだけでなく、
「どんな状況で起きやすいか」を分析して
共有する仕組みが今後求められる。

CEが診療報酬の加算にも
つながる安全管理の「質の向上」を示す
エビデンスを積み上げていく時代になっていく。

アクション:

  • 自施設の透析インシデント分析が定期的にスタッフ全員で共有されているか確認する

  • VA穿刺ミス・回路トラブルのKPIを施設として設定できているか見直す

  • 提言文書(日透医・日臨工)を施設の手順書に紐づけられているか確認する


③ 生涯教育ポイント制度が令和8年4月に始動

パネルディスカッション29「志を育む生涯教育 ― 新ポイント制度を共に考える」では、
日本臨床工学技士会が令和8年(2026年)4月から
「生涯教育ポイント制度」を正式運用開始
することが改めて確認された。

これは医師・看護師など他職種の生涯教育システムに準じたもので、
学会参加・eラーニング・研修会などの活動を
「ポイント」として記録・蓄積する仕組みだ。

スキルアップが「見える化」され、
専門・認定臨床工学技士の資格更新にも関係してくることが予想される。

現場での意味:
JACE2026参加そのものが生涯教育ポイントの対象になる可能性が高い。
今後の学会・研修参加を「記録に残す」という意識が必要になってくる。
また、管理職・施設責任者にとっては、
スタッフの学習状況を把握する管理ツールとしての活用も検討に値する。

アクション:

  • 日本臨床工学技士会の公式サイトで生涯教育ポイント制度の詳細を確認する

  • 自施設のスタッフ全員が会員登録・情報把握できているか点検する

  • 今年度の学会・研修参加記録を整理し始める


まとめ|今週中にやること

  • VA管理:エコー下穿刺の手順書・記録体制を確認する

  • 透析安全:インシデント分析の共有サイクルを見直す

  • 生涯教育:日臨工会員ページで生涯教育ポイント制度の最新情報を確認する

JACE2026は「志の醸成」がテーマでしたが、現場に置き換えると「今日の業務に自分の意味を見つける」ということだと思います。 大きな学会のうねりを、明日の透析室でどう生かすか。そこが僕たちCEの腕の見せどころです。


このnoteはJACE2026(第36回日本臨床工学会)の公式プログラム情報をもとに作成しています。 個人の見解を含みます。

いいなと思ったら応援しよう!

らむばね@臨床工学技士 皆さんの優しいお気持ちを活動費に充てます! まあ、ええんちゃうかー。と思てくれはったら幸いです