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滲んだ涙、滲んだ優しさ

先日、長男が次男に手を噛まれる事件が発生した。私はその場にいなかったが、家に帰るなり妻から報告があった。

まず思ったのが、痛かっただろうなということ。長男がまだまだ小さい時に、何度か体を噛まれたことがある。その痛さに目は涙で滲み、噛まれた部分は血が滲み、翌日からは内出血として数日痛みも残ったほどだ。長男の感じた痛みも容易に想像できた。

そしてもうひとつ。やり返したのかどうか、それが気になった。これまで、あからさまに手を出している場面は見たことがない。ただ、おもちゃをとられたり、お絵かきの邪魔をされると、少し乱暴に押したりは見かけた。今回はどうだったのだろうか、と気になった。

2人が眠りについた後、妻から詳しく教えてもらい、驚いた。

まず長男は泣かなかったそうだ。痛い!と叫び、目は少し潤んでいたそうだが、泣かずに我慢していたそう。そして、仕返しもしなかったそうだ。次男から少し距離をとり、噛まれたところを手で押さえながらも、耐えていたらしい。強い。

そして何より、妻が次男を注意した言葉に反応し、「まだ小さいから仕方ない。僕のこと好きだったんだよね」的なことを言ったらしい。兄の自覚なのか。人としての成長なのか。

どちらにしても、それを聞いた私の目には涙が滲んでいただろう。長男に噛まれたときのように。



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