プロ野球選手会 2軍再編受け1軍球団数拡大を改めて要望「1軍でもやるべきじゃないかというところの話はしました」
日本プロ野球選手会と日本野球機構(NPB)の事務折衝が17日、都内で行われた。
先日のオーナー会議で来季から2軍公式戦を1リーグ3グループ制へ再編することが決まったことを受けて、選手会の森事務局長は「(3地区制について)野球普及だったり、興行だから違う見せ方みたいなところで3地区制みたいなところもあって、選手会として思ったところは、だったら1軍の方でやるべきじゃないかなと。1軍をエクスパンション(球団拡張)で増やしたりとか、選手も1軍で活躍できる選手をもっと、1軍のところで見せていく方がもっっといろんな意味で野球普及だったり、活性化になるんじゃないかというのを改めて感じたところではある。そういう成果が出たのだったら1軍でもやるべきじゃないかみたいなところの話は一応しました」と、要望したことを明かした。
今までプロ野球のエクスパンションについて公に語った人というのが、政府関係者のように一見影響力がありそうで部外者だったり、王さんのように影響力はあるけどイチ球団の実質名誉職だったり(つまり実権はない)、古田のようにやはり影響力はあるけど結局部外者だったり、なかなか「当事者」の口からこの話が出てくる事はなかった。
だから選手会の責任者からこの話が出てきたのは結構大きいと思っている。この森という人物自体はあまり評価できないが。
ファームに新潟とくふうハヤテが参戦した時、NPBサイドは「エクスパンションとはまったく無関係の話」と否定していたが、それは立場上そういわざるを得ないだけで、もしもこの2チームが地域貢献とか動員面で成果を挙げるなら、当事者サイドにも意欲が出て来るし、NPBサイドも放っておけなくなる筈だ、と予測はできた。
とは言えファームなので、凄く目立った成果があったわけではないが、この「新しい血」が当事者にエクスパンション発言をさせた事は確かなようだ。
ところでこの話になると野球ファンは「本拠地」の話しかしないわけだが、本拠地に関しては実績のある新潟と静岡が優先になるだろう。それよりも、1球団が保有できる選手の人数をどこまで制限する事になるか、という面白くない話の方が大事になる筈だ。
一軍で活躍できる選手を増やしたい、というのが選手会の希望ならば、育成選手を含めて1球団で保有できる選手数に上限がない現状はその希望に適っていないし、戦力均衡の原則にも適っていない。
まずここを変えていく必要がある。支配下登録選手と育成選手を合わせた数には上限を設けないと、「球団を増やす」という発想につながっていかない。エクスパンションはここを正すという目的も大きいと思っている。
その上で球団が増えたとして、野球の「質が下がる」事を懸念する向きもあるが、確かに最初はそうなると思う。しかし「一軍」で活躍できる場を増やすというのが選手会の希望であり、一度も一軍に上がれずに引退する選手が現実に一定数いる以上、そういう「段階」は経ていかないといけない。
チームを「減らす」事にはやたら積極的な人がいるが、チームが減ると「プロ野球の衰退」を強く世間に印象づける事になり、大衆はプロ野球を斜陽産業として心理的に敬遠するようになる。そして更なる衰退を招く。
しかしチームを増やすと、1球団あたりの選手数に制限があっても、戦力の分散により全体のレベルが下がったように見えても、世間に衰退を印象づける事は避けられる。
DH制に賛成するファンが多い理由として、ファンにとってDHで起用して欲しい選手がいるのも、ファンに「現役ドラフトに供出しろ」と言われる選手がいるのも、選手には潜在的な「新天地」が求められている事を示している。
そのように考えると、エクスパンションには選手会にも地域にも需要があるとは思う。反面、そのために1球団あたりの「保有選手数」をどうするかが議論にならないところを見ると、まだ当事者の誰も真面目かつ具体的には考えていないんだろうなという感じはする。だから今回の話もまだまだ「大きな動き」としては考えられない。
