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おばさんに憧れつつ、おじさんに磨きをかける

数年前に還暦を迎えました。

私の年代の男性は、お兄さんでもないし、お爺さんと呼ぶのも可哀そうなので、ここではおじさんということにしておきます。
その理論で行くと、同世代の女性はおばさんになります(異論のある方はコメント欄をご利用ください)。

で、今日は何を書こうとしているかというと、男性である私はどう転んでもおじさん(カジュアルに言うとオッサン)なのに、おばさんの醸し出すオーラに憧れてしまうところが多く、どうしたものかというお話です。

何を言っているのかわかりませんね…。


優しいお心をお持ちの方で、時間の許す方はお付き合いください。

おじさんの難しい顔とおばさんの笑顔

おじさんの最大の難点は、おばさんに比べて不愛想でとっつきにくいオーラを出している事ですね。

ある方が20-30人程度の会場で講演をされたとき、不機嫌な顔をして講師を睨みつけるように話を聞いていた50代ぐらいの男性がいたそうです。講演内容に不満や異論があるのかと気になりながら講演を終えたところ、終了後にその方が講師に歩み寄り、「とても面白かった」と最大限の賛辞を送り、内容に興味深々で、次々と質問をしてきたそうです。

険しい表情をしていたので、話を面白く聞いている様には見えなかったということですね。

また、別の講師の方にお話を伺った際には、「講演会の聴衆に女性が多いと、とてもやりやすい。よく笑ってくれて反応が分かりやすいので。」と仰っていました。一方男性ばかりの講演会場というのは、概してみんな表情が険しく、笑いや反応が乏しいので、話がしにくいということです。

男性、とりわけおじさんって、何でこんなに難しい顔をしてしまっているのでしょう。

これは自分を振り返ってもそうだと思いますね。
自分では不機嫌でもなく普通にしているつもりでも、他人から見ると険しい表情に見られることがあります。私も普通に対応しているつもりなのに「怒ってるんですか?」と言われたことがあります。

私の言う「おばさん」は、親しみやすい表情で良くしゃべり、「いつでも話しかけて!」オーラ満載なのに対し、おじさんはどちらかというと寡黙で、「話しかけるな」オーラを発しているという印象があります。

もちろん、例外はいっぱいあり、「おじさん」「おばさん」で括るのは偏見であることは分かっているのですが、私はそんな「おばさんオーラ」に憧れています。

おばさんの笑顔とおじさんの笑顔

まず第一に「笑顔」は、女性の顔により親和性が高い様に思います。

端的に言って、男性の顔よりも女性の顔の方が「柔らかい」ですよね。

だから、女性の笑顔は概ね「ニコニコ」と形容されて好印象を与えますが、男性の場合、「ニコニコ」と良い笑顔ができる人もいる一方で、笑ってもニコニコ顔にならない人もいる様に思います。

そもそも存在自体、醸し出す雰囲気が違うのでしょう。

例えばおばさんの場合、黒っぽい服を着て黒い帽子を被って歩いていても「ファッション」以上の捉え方はされませんが、おじさんの場合は一つ間違うと「不審者!?」のイメージを与えてしまいます。

そんな恰好をしたおばさんがニコニコ笑っていると、何か楽しい、可笑しいことがあったのかなあ、と思われるだけですが、おじさんの場合、笑っていると逆に「ニヤニヤして気持ち悪い」「怖い」となり兼ねない…

同じような服を着て、同じように笑みをたたえていても、おじさんは随分とハンディを背負っている様に感じます。

これはこれまでの女性の社会への貢献と、男性(の一部)が行ってきた悪行の蓄積による影響があると思うので、男性の私としても連帯責任を負わないといけない部分なのでしょうか?

なぜ、おじさんは良い笑顔が苦手なのか?

不審者問題は別としても、やはりおじさんはおばさんに比べて良い笑顔をするのが苦手な様に感じます。

単純に男女に分けてお話をするのは、あまりよろしくありませんね。

そもそも私が言っているおじさんとおばさんの差異というのは、実は自分の世代(または上の世代)に限定されることなのかも知れません。

昭和を生きてきた自分と、平成以降に生まれ令和を生きる若者たちとでは、幼少時の育てられ方も、学校教育も、社会での男女の役割も、大きく変わってきています。

私を含む昭和のおじさんが、冒頭の講師の先生や子供たちから見て、話しかけにくい、親しみにくい、感情をあまり現さない人に見えることが多いのは、育てられた環境、仕事上の習慣などにも、いくらか影響を受けている様な気がします。

例えば、自分たちが子供の時は、「男の子は泣いてはいけない」というのは絶対的な掟でしたし、「不言実行」が最も尊い様に教えられていました。

また私の場合、厳しい上司(いま考えるとパワハラ上司ですが…)の元で働いた期間があり、余計なことを言うと叱られるので、職場ではポーカーフェイスで会話は必要最小限とし、失言のない様に努めていました。その時の癖が抜けず「難しい顔をしたおじさん」が定着してしまったのかも知れません。

いまから憧れのおばさんを目指す?

職場で一線から退き、その間に社会環境も変わって、初めて自分の好きなことができるセカンドライフへと解放されてみると、あらためて自分にはできない「素敵な笑顔」を自然に出せるおばさん達が眩しく見えることに気付きました。

長年染みついた習慣を変えるのも容易ではありません。生まれつきの性格や顔のつくりもあります。
ジェンダー平等とは言っても、男性と女性の生理的な違いは厳然としてあると思いますし、真似をしたくてもできないこともあります。

ステキな笑顔の人の顔を自分が真似られるかっていうと、例え同性であったとしても、それは無理です。
美しい人を見て、あんな姿になりたい、と憧れる人が数多くいても、そんなことはできないというのと同じです。

なので、おじさんが見習うことができる可能性がありそうなのは、その「形」よりもマインドの部分ですね。

自分たち昭和の男性が、子供の頃から長く支配されてきた固定観念から逃れて精神的に自由になること、感情を抑えずに素直に表現すること。
また、母親となった女性では子に無償の愛と癒しを与えてきた様に、男性も周囲の人に対して愛情を与え続けることではないでしょうか。

おばさんを目指すより、おじさんを磨く

同性の自分から見ると、おじさんの多くは「むさ苦しいオッサン」です。
「癒しの笑顔」を持つ素敵なおばさんとは比較になりません。
テレビなどで目にすることが多い、政治家や企業のエライサンなんかを見ていても、なかなか素敵な笑顔のおじさんには出会えません。

けれども、世の女性の意見を聞いてみると、意外に人気のある「おじさま」もいることに気付かされます。

もちろん、そんな「おじさま」は殆どがイケメン、イケオジの俳優さんだったりするので、なかなか参考にはなりにくい部分はありますが、おじさんもやりようによっては相手に「怖い」「とっつきにくい」ではない印象を与えることができるのかも知れません。

いや寧ろ、おばさんにはない「とっつきにくいからこそ深まる魅力」の様なものが、実はあるのでは?

どんなことを意識すれば良いのでしょうか?

体面を保つことなど考えず、おばさんのマインドを見習う

考えてみると、笑顔が苦手で表情が乏しいとか、とっつきにくいオーラとか、そういうおじさんの弱点は、結構な部分が環境による習慣から身に沁みついてしまった部分もある様にも思います。

昭和に生まれ育った男性が、社会に向け体面を保つために、感情を抑え、表情を抑えてきたことが、そういった影響を比較的うけにくかった同世代の女性との間に違いを生じさせた可能性はないでしょうか。

そう考えた時、幸い還暦を過ぎて社会の一線から退き、大きく変化した時代に世に解き放たれた私たちおじさんは、自らのスタンスを変えるチャンスなのかも知れません。

もっと素直に感情を表していい。
カッコつけずに多少弱みを見せる方が愛嬌があっていい。
責任を取らされるなどと気にせず、素直に思ったことを言っていい。
現役時代の様に利益や効率を優先するのではなく、もっと身の回りの人に目を向けていい。そしてその人たちとの時間を大切にしていい。

そうすれば、憧れのおばさん達の素敵な笑顔に少し近づけて、ちょっとグレードアップしたおじさんになれるかも知れません。

おばさんの笑顔に憧れるところから始まって、自らを見つめなおし、おじさんの素晴らしさに磨きをかけることができれば、というお話でした。

お付き合い頂いた皆さん、忍耐と優しさに感謝します!



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