高僧像と大晦日の渋滞
2009年12月31日
バンコク ⇒ パチュアップキリカン 350Km
大晦日。バンコクを出発し、パチュアップキリカンを目指す。走行距離は350キロ、行く先々で参拝の車列に巻き込まれるだろうことは、出発前から覚悟していた。
ホアヒンを過ぎたあたりに未だ訪問していないお寺があった、ワット・プッタチャヨというらしい、相当奥まで行ったのだが境内は拍子抜けするほど静かで人もいない。代わりに出迎えてくれたのは、妙に貫禄のある亀の像だった。甲羅はテカテカに光っていて、きっと誰かが撫で回した跡なのだろう。ご利益があるのかは知らないが、私も倣って一撫でしておいた。

次に向かったワット・タンチェットヨットで、とにかくデカい高僧の像である。あとで知ったのだが、これはサムデット・トー(プロムランシー)という高僧の像で、幅11メートル、高さ18メートル、重さは5万キロもあるという。

境内には他にも、名だたる高僧たちの等身大の像がずらりと並んでいた。どの顔も穏やかで、しわの一本一本まで丁寧に作り込まれている。年の瀬だからか参拝客はひっきりなしで、赤い絨毯の上に座って読経を受ける人々の姿もあった。私はといえば、信心よりも野次馬根性の方が勝っていて、ただ人の波に流されながら見て回っていただけなのだが。

境内の一角には、なぜか水牛や象、それに羊(に見えなくもない何か)の像が、花輪をかけられてずらりと並んでいた。動物たちにまで功徳を積ませようというのか、それとも動物自身が功徳を積む対象なのか、真意はよくわからない。ついでに、砂浜に打ち上げられたような漁船の模型まで置いてあって、これが一体何の意味を持つのか、聞きそびれてしまった。

象を模した石の彫刻もあり、これはこれで味があって嫌いではない。結局、こういう寺は理由を求めるより、ただ圧倒されて帰るのが正解なのだろう。

大晦日の混雑をかき分けながら、数十キロ先の宿を目指して、私はまた車に乗り込んだ。年越しはまだ先だが、今日一日だけでも、十分すぎるほど「タイらしさ」を摂取した気がする。
今夜はパチュアップで年越しそばでも食べるか。

