観戦記 第8節 RB大宮アルディージャ VS 大分トリニータ
概要
2025/4/5
大宮VS大分 2-2
得点: 20分:有馬、21分:豊川、53分:藤原、94分:カプリーニ
@NACK5
*現地観戦*
大宮フォーメーション

試合前に発表された肉離れのシルバの位置には、和田さんが今シーズンリーグ戦初スタメン。去年も小島とボランチを組む事が多かったが、その際は小島が攻撃に回り、守備範囲の広い和田さんがバランスを取るって役割分担が多かったけど、今日もそのような縦関係になる事が多かった。
1トップには藤井に代わりサンデーが入る。プレビューの通り、アンカーをケアしながらCBにプレスをかける役割を与えられたのだが・・・。
大分の印象
前節の愛媛戦から、がらっとやり方を変えてきた!
…って最近の試合、これ、いつも書いてる気がする・・・
基本は愛媛戦と同じ3-1-4-2の1アンカー陣形だが、3CBをほぼ最終ラインに残していた愛媛戦と違い、この試合では攻撃時に左CBのデルランがSB化することで4バックに可変するやり方にしてきた。
また中盤の三人は非常に流動的。基本は天笠の1アンカーだが、主にIHの野村が下がってきて2ボランチになったり、天笠が逆に上がったり、SBの位置に開いたり、もう一人のIHの榊原と共にポジションを目まぐるしく入れ替わりしまくっていた。榊原はボランチに落ちてくることもあったが、WGの位置に入ったり、2列めからミドルシュートを撃ったり、主に前目に陣取って攻撃参加していた。
とにかく前半はこの三人の流動性に手を焼き、プレスでほとんど捕まえきれなかった。
デルランのSB化や榊原のWG化などで押し込んだ折には、4-2-4 (2-4-4)のような形で大宮のWBを押し込むと共に、サイドで人数の優位性を生んでいた。
大分は愛媛戦の守り寄りの戦い方から一変、非常に前への推進力を見せつけた攻め方だった。大宮対策と得点力不足解消を狙うと共に、ある程度点の取り合いを覚悟した攻め方にも見えた。
前半の流れ
大分の想定外(?)の4バック化と中盤3人の流動性によって、大宮のプレスが全く噛み合わず、大分に好きなようにボールを持たれ続けた前半。
アンカーを気にしながらサンデーがCBにプレスに行っても、シャドー野村が落ちてボランチ2枚になって簡単にあしらわれたり、左WBの宇津元に低い位置にピン留めされた茂木の前のスペースを、SB化したデルランに使われたり、好き放題やられてしまった。
ボールを相手に渡して試合を進める事が多い大宮だが、この試合は全く中盤で奪う事ができず、ボールを持たれすぎてしまった前半だった。
左CBのSB化…、中盤3枚の流動化による制圧…、プレスの噛み合わせ…。最近どこかで見たような…。あ、徳島でやられたのと似た形だ!
大分の守り方は、ハイゾーンでは2トップによるハイプレス、ミドルゾーンでは5-3-2のブロックを組むやり方。5-3-2ブロックの弱点である中盤3の横幅の薄さも、榊原、野村、天笠の運動量でカバーし、左右の揺さぶりによるほころびもほとんどなかった。
大宮は後ろからある程度繋いで、ハイプレスに来る大分の2トップを最終ラインに引き込んでから、パスで中盤まで持ってった後、サンデーを目がけて裏へ50/50のパスを何度か配給していた。しかし愛媛戦同様、大分のCBはそれを許さず、チャンスは生まれなかった。
また大分に中盤を支配され、セカンドボール回収やビルドアップを引っ掛けられてからのショートカウンターを受ける事も多く見られた。
厳しいマークにあいロストも目立った健勇(*健勇潰しは最近どのチームも狙っている大宮対策)の一方、豊川は今日は難しいパスを何度もキープして、チャンスまで持ってってくれていた。これまで健勇のキープに依存していた面が多かったビルドアップにおいて、左右シャドーが均等にキープして前に運べれば尚良し。
前半の失点・得点
風上だった大分も前半、ロングボールで大宮の裏を何度も狙っていたが、得点も裏狙いとネガトラから。
パスをインターセプトされた大宮のネガトラ時の、陣形が揃ってない隙きを突かれ、狙われていたガブリエウの裏に綺麗なスルーパスを通されて勝負あり。ドフリーとなったFWがなんなく決めて大分が先取点。なんか山口戦でも見たようなフィニッシュの形で、ボールを奪ってから10秒以内という、お手本のようなポジトラ&カウンターだった。
しかし、その直後のプレーですぐに同点に。笠原からのロングフィードをサンデーがヘディングですらしたところに、豊川が走り込んで胸でコントロールしてシュート!相手DF三人に囲まれながらも、難しい球をコントロールしきった豊川の技術の高さが光ったゴールであった。
ともあれ同点で前半は終了。
前半は完全な大分ペースで、大宮は1チャンスからサンデーと豊川の個人技でなんとか同点にできたが、ほとんどいいところが無い前半であった。
勿論このままでは駄目な事はベンチも百も承知だろうから、後半からどんなやり方に変えてくるのか凄く興味深く、逆にワクワクしながら楽しみに待っていたハーフタイムであった。
後半の流れ
どんなふうにテツさんが変えてくるのか非常に興味深かった後半。素人の自分でもわかったのが左サイド。
前半はいつもの5-4-1ブロックで守っていたが、後半からは泉が最終ラインに入らず、4-5-1ぎみにしてきた(泉は比較的低い位置をとっていた右WBの吉田をケア)。最終ラインの人数を減らして中盤を厚くする事で、全体的に大宮の選手が右に一人ずつずらせることになり、相手が強みを発揮していた左サイド(大宮の右)にも人数を増やせることになった。
また攻撃時は、CB下口の上がりも許可するようにしてきた。前半はほとんど下口の上がりがなく押し込まれ続けていたが、後半からは積極的にボランチ化し、中盤を3ボランチで厚くしてビルドアップに参加したり、SB化してサイド上がって泉を押し上げたり、大きくやり方を変えてきた。
(あ、あと下口は2回ほど斜めに前線のDFの間に走ってって、ロングボールを受けようとしてたね★)
大分の中盤3枚の疲労が出てきたのもあり、これら(だけじゃあないのは勿論だけど)の対策が功を奏したのか、後半は大宮がペースを握って試合を進めていくことに。
ところが後半突き放したのは大分。CKからニアで合わされて失点。
う~ん、CKはまぁしゃあない!
失点直後に大宮は2枚替え。サンデーからラッソ1トップ、右・藤井、左・豊川の2シャドーに。藤井は流れの中でやることはあったが、今年初シャドー。その後豊川もカプリーニに代わり、同じく茂木と代わった関口とで右サイドの活性化を狙う(→藤井は左シャドーに)。
第1節以来のリーグ戦出場のラッソは、やっぱり前線で収めまくってくれた。確かにPK止められたり、GKと1対1を外したりはあったけど、あれだけ前線で収めてくれるのはチームとして非常に助かった。健勇が退いた後の高さ維持にも貢献できるしで、本当に帰ってきてくれたのが嬉しい。
前述の通り、やり方を変えて全体的に4バック気味に戦っていた大宮も、69分のテツさんの指示から完全に4バックに移行して、4-4-2で相手を押し込みにかかる。一方の大分も対人が強いDFのペレイラらを入れ、前線に1枚残した形の5-4-1でブロックを敷いて逃げ切りを図る。後半途中からはほとんど大宮がボールを握り、サイド攻撃や中央への縦パス等からチャンスを構築し、大分は防戦一方の展開に。
そして大宮の得点は94分!
去年のH今治戦のように、泉がドリブルで2人ほど抜いてペナルティエリアに侵入し、相手が身構える前に素早くアウトサイドで中央にクロス。待ち構えていたカプリーニが左足を振り抜くと、DFとGKの股を抜いてボールはゴールに吸い込まれた。
決していいコースへのシュートではなかったが、ここ数試合ハイパフォーマンスを見せているカプリーニの執念が実ったか。
一旦防御態勢に回った大分が攻勢に転じることは難しく、その後は大宮が最後まで押し込み続けたが、仕留め切るには時間が足りず、同点のまま痛み分けの結果に。
雑感
前半は大分、後半は大宮と、ハーフタイムを挟んで攻勢が全く逆転した試合であった。
大分は前節から大きくやり方を変えてきていて、その対応に苦慮しまくった前半。
いや、本当最近こればっかで、鳥栖、水戸、徳島、そして大分と、近々に戦った4チームは全て大宮戦でやり方を大きく変えてきていた。
そのためどの試合でも、相手のやり方を見極めたり応急対策をしなくてはいけなかったりで、どうしても前半は後手後手に受けに回ってしまっており、中々前半から自分達のやり方に持っていけてない。
この大分戦も、後半、どうやって大宮対策に対する対策(大宮対策対策)をしてくるのか、凄い楽しみにしながら(&勉強しながら)観戦していたのだが、前述の通りある程度大宮対策対策は功を奏し、後半は前半と打って変わって大宮ペースで進める事ができており、この点に関してはある程度満足感のある試合だったかとは思う。CKからの失点はしゃあない。
だけども、やっぱり前半をある程度無駄にしてしまっている感は拭えず、もう少し早めに対策を取って、前半から大宮の形で攻め上がって主導権を握るようになってほしいかなぁとは思う。ただ、これは素人の浅い考えだってのも重々承知。相手もそりゃあ色々策は打ってくるわさ。
後はシルバの不在もやはり大きいかな、と。あれだけセカンドボールを拾ったり、相手から刈り取りまくっていた中盤のフィルター役がいなくなってしまったのも、今日の前半、中盤をうまい具合に使われ続けた遠因であると思われ。肉離れということで、連戦が続くGW過ぎぐらいまでは戻ってこられなさそう。中山、和田、石川、谷内田、このあたりの誰が第一チョイスとなっていくか…。
