観戦記 第11節 RB大宮アルディージャ VS 北海道コンサドーレ札幌
概要
2025/4/25
大宮VS札幌 1-0
得点: 67’藤井
@NACK5スタジアム
*現地観戦*
大宮フォーメーション

GW連戦の第一戦目。メンバーを大きく変えてきた。
ワントップには藤井、シャドーには有給休暇明けの健勇と、リーグ戦初スタメンのカプリーニ。そして豊川はベンチからのスタートとなり、スーパーサブ的な役割を担う。ラッソはやはりベンチにも姿を見せず、怪我かコンディション不良が濃厚に…。
ボランチは小島と谷内田がコンビを組み、右WBには安光がこちらも初スタメン。富山時代から左のイメージが強い安光は右でも違いを見せることができるか?
札幌の印象
シーズン序盤から色々試行錯誤中の札幌。藤枝MYFC戦である程度うまくいっていたスタメンを、またも大きくいじってきた。

2トップのバカヨコと田中、2OMFのスパチョークと近藤は藤枝戦と同じ。
ボランチは青木・西野のコンビから木戸と宮澤に。前節ボランチの西野はCBに入り、藤枝戦で最終ラインでパスの起点となっていた高嶺は左SBに入ってきた。
左SBのパクの怪我でスクランブル的なところもあったんだろうけど、いや、ちょっといじり過ぎなのでは?…と思った。
*札幌ユニの背番号の視認性が悪く、最初全然選手配置がわからんかった…。
基本的には最終ラインから繋いでいくパスサッカーだけど、藤枝戦と似たような所と、ちょっと変えてきた所があった。
・バカヨコがTOPに座り、田中が1.5列目を自由に動く
藤枝戦から継続も、藤枝戦より田中は動き回ってなかった印象
・スパチョークと近藤の両OMFがWG化し、高い位置で幅を取る
藤枝戦より近藤がそこまで高い位置を取れていなかった(後述)
✕高嶺からのロングボールで、高い位置の右OMFの近藤の裏抜け
藤枝戦で見せていた攻撃の形だったが、高嶺がCBからSBに移ったという事で、正確なロングボールでの供給は少なかった。
・健勇徹底マーク
ボランチの宮澤が、攻撃の起点である健勇をべったりマーク
試合展開 前半 (大宮の守備)
大宮が札幌対策を色々やってきてた。

札幌が低い位置でビルドアップする時は、カプリーニを一段下げると共に泉を最終ラインに下げない4-4-2のような形になってハイプレスを仕掛けていた (*大分戦の後半のやり方に似ていた)。
相手が4-4-2という事で、噛み合わせ的にプレスに行く相手がはっきりし、久しぶりに前線からのプレスがハマりまくっていた。*ボール奪取位置データの高さからも伺える
札幌としては藤枝戦みたいに、WG化した近藤を高い位置に上げて、泉を低い位置にピン留めして大宮全体を押し下げたい狙いがあったとは思うが、4-4-2で受ける事で、その近藤は下口が見て、SB高尾は泉が見ることに。おかげで泉は高い位置をキープでき、前線からのプレスを継続できていた。
札幌の左で作られて右に振られた時も、泉がSBのマークを捨てて右CBにプレス→空けたSBを下口がマーク→残った最終ラインがスムーズに左にスライド・・・といったチームとして連動した対応も見られ、相手の右サイドの攻撃に対し相当準備をしてきたんだろうなーといった印象を受けた(非公開練習はこのため!?)。
札幌は大宮のハイプレスによって、後ろから中々前に進めない前半。
苦し紛れに後ろから縦パスを前線に送るが、距離がありすぎて大宮にインターセプトしまくられて前線にボールが入らない。
なんとか相手陣内にボールを運べても、大宮はすぐにいつもの5-4-1のブロックを組んで5レーンのスペースを埋めてしまうため、シュートまで持って行けず。WG化したスパチョークと近藤が活きるフリースペースもほぼ無かった。
藤枝戦で威力を見せていた高嶺→近藤のロングボールホットラインも、高嶺がSBに入って距離が遠くなったためか、もしくはCBの時ほど蹴る時間をプレスによって与えられなかったためか、ほとんど怖さを見せられなかった。
ともかく前半はバカヨコにロングボールを当てるくらいしか有効な攻撃が見せられず、札幌はほとんどゴールに迫れなかった。
この辺りは大宮の札幌対策がうまくハマっていた印象。
試合展開 前半 (大宮の攻撃)
大宮のビルドアップは、いつも以上に下から繋いでいく事を狙っており(非公開練習はこのため!?)、藤井がトップだったこともあり、前線へのロングボール(裏抜け・ポスト狙い)は少なかった。
札幌がある程度前からプレスに来ることを見越して、相手を引きつけて空かせたスペースを使う意図が見られた。特に左で作ってできた広大な右のスペースへの安光目掛けたロングボールが有効で、カプリーニの持ち運びと合わせて、右からの有効な攻撃がいつもより見られた(*カプリーニがいると右の攻撃が活性化する)。
札幌の目立った大宮対策としては、前線で収めてパスを散らしまくって攻撃の起点となる健勇の徹底マーク。ボランチの宮澤が健勇に四六時中べったり張り付いていた。
あそこまでマークされると中々ボールを受けて前を向くことは難しかったが、レイオフ的な感じでボールを落とす事はそこまで苦にしておらず、健勇経由の攻撃がそこまで停滞している印象は受けなかった。
また、健勇徹底マークによる副作用も。
ボランチの片方が健勇マークで最終ライン近くまで押し下げられているという事は当然、中盤の前の方はもう片方のボランチの木戸が一人で見る羽目になる。木戸はタスクを与えられ過ぎてて、敵ながらちょっと可愛そうだなと思った。。。
そのため中盤で数的優位を得た大宮は、小島と谷内田のどちらかがフリーになり、札幌FWのファーストプレスを回避できた後は、フリーになったボランチが自由にボールを持って前進する事が出来ていた。
特に谷内田は、安光が上がった後のスペースに落ちてきてビルドアップに加わったり、ボールを受けて前進してボール散らしたりして、中盤のハブ役として非常に機能していた。
スペースを与えられた時の、谷内田の足下の技術とパスの精度(あと右足のFKも)はやっぱり武器になるね。
しかし、札幌のゴール前中央も硬く、小島やカプリーニのいいミドルなどもあったが、ネットを揺らす事まではできず。
内容的には一点は欲しかった前半であった。
試合展開 後半
前半、戦術的にうまく行っていなかった札幌が、どのように変えて臨んでくるか注目しつつの後半。
札幌は木戸に替えて荒野をボランチに入れてきた。
守備の修正としては、前半やっていたボランチ宮澤による健勇徹底マークをやめて、2ボランチが大宮の2ボランチを見るようになっていた(もしかしたら前半の終盤もだったかもだけど)。
まぁそうしてくるよねーって感じで、前半スペースを与えまくっていた中盤を埋めて、大宮のボランチを好きにさせないように手を打ってきた。
また荒野が中盤を前後に動くようになり、パスのハブ役として働くことに。2CBの間に下りてビルドアップ参加したり(前半、宮澤も少しやってたけど)、中盤で受けてボール運んだりと、大宮のプレス回避を始め、色々監督の指示を受けて入ってきたんだろうなって印象。あ、全ての指示まではわからないけど。。。
荒野投入で大宮のハイプレスを回避できるようになってきた札幌は、選手間の距離も近くなり、前半はインターセプトされまくっていた縦パスからの組み立ても成功するようになり、後半立ち上がりは札幌が支配する。
52分の高尾(現地では近藤だと思ってた)の突破からのスパチョークのシュートや、55分のガブリエウが迎撃に行った後ろのスペースを使われたシーン、そして60分の近藤のシュートなど、札幌が大宮のゴールに迫るが得点までは届かず。
特に60分の札幌に1対1を作られたシーンは、ボールを持った近藤に体を正対させず、中央を締め続けてシュートコースを切った下口の素晴らしい対応だった。
という事で札幌が大宮対策をしてきたのに対し、このままじゃあいかんと、今度は大宮が対策をする番。
62分、カプリーニに代わり豊川を入れて、健勇と2トップを組む4-4-2に移行(OMFは泉と藤井)。前半、可変して高い位置でハマっていた4-4-2で、プレス相手をより明確にさせる狙いがあったか。
代わった豊川は前線からのプレスの圧力を数段階上げ、CB目掛けて突進しまくっていて、スタンドからもその迫力は見て取れた。今まではスタメン出場でそのプレス強度を見せていたが、後半の短い時間でも効果的であることが(予想はしていたことだが)判明。
今後、対戦相手次第でカプリーニとどちらを先発で行くのか悩みそう。
システム変更で札幌の前進を食い止められるようになった大宮。盤面を五分に持ち直す。
大宮得点
札幌の攻撃を耐えた先の待望の先取点は藤井!
笠原からのフィードを健勇が素晴らしい技術でキープ、預けた豊川が強烈な縦突破で一気に相手陣内へ。深い位置で左右に振った後、最終ラインから爆進してきたSB下口が折り返したゆるいクロスの落ち際を、利き足でない左足で藤井がボレー!相手DFに隠れてしまい、一瞬反応が遅れたGKの手をかすめ、ゴール左隅に吸い込まれた。
前半と比較してマークが緩み自由になれていた健勇の技術、豊川の突破、下口の献身性、そして藤井のシュート技術と、大宮サポが喜びそうな要素てんこ盛りのゴールであった。
藤井は前節FC今治でも難しいバウンドを枠内にシュートしてたし、ここぞのシュート技術の高さはさすが!
藤井はこのゴールでお役御免。OMFには谷内田(石川)が回り、和田・中山のWボランチで中を硬め、WB安光も関口に交代。
最後は札幌が前線をバカヨコとキム・ゴンヒのWタワーにしてパワープレイで襲いかかるが、最後までDF陣が跳ね返し続け、1点を守りきって試合終了。
雑感
鳥栖・水戸・徳島・大分の4連戦などは、相手が大宮対策を打ってきて、その対応に追われていた感じだったが、この試合では久しぶりに前半から大宮の対策がハマっていた。
それに対し札幌も当然対策を打ってきて、後半開始15分くらいは札幌の時間になっていたが、更に大宮が対策を打って、札幌の勢いを食い止めることに成功し、最後は五分五分の戦いに。
お互いが後出しじゃんけんでどんな手を出してくるのかが非常に興味深く、監督の采配で流れが大きく左右される面白い試合だった。
トータルで見た場合、ゴール期待値も2倍で、押していた時間も長かった大宮の戦い方がまさったゲームだったか。事前のスカウティングによる札幌対策と、ゲーム中の修正もうまく行った作戦勝ち。
札幌としては宮澤による健勇マークで、中盤のバランスを崩していた時間がもったいなかったなといった印象 (だけどそのマークをゆるくした健勇のキープからゴールは生まれた)。
ともあれ、開幕直後の大宮のやり方に対し、相手が対策してきたフェーズを超えて、その対策に対してどう対策するかのフェーズに入ってきた印象(*健勇徹底マークに対するアプローチとか)。大宮フロントの優秀なスカウティング参謀陣の腕の(目の)見せ所っすね。
あと上では書く余裕がなかったんだけど、泉のプレスバックによる守備にはチームは本当助かってるんじゃあないかと思う。攻撃だけでなく、目立たないけど泉の守備はもっと評価されてほしい。
ともあれGW5連戦の初戦を取った大宮。千葉が全く落ちてこないんで勝ち点差が埋まらない状況だけど、3位以下とは1馬身離すことに成功。
次戦は全く違う戦い方をしてくるいわきに対し、どこまで戦術的落とし込みができるのか。メンバー選考を含め楽しみにして待ちたい。
