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コミュニケーションの相互行為モデル

Habermasは,目的合理的行為が労働行為であるのに対して,記号に媒介された相互行為が日常生活のコミュニケーション行為であると述べている[1].コミュニケーション行為では社会的規範によってコミュニケーション規則が決まるのに対して労働では道具を用いて経験的知識に基づく技術的規則に従うとされる.労働では,定義された目的手段関係に基づいて道具を用いた合理的な選択に従って目的が達成される.コミュニケーション行為では,社会的規範が相互に理解されているかどうかに従って,日常会話の中でコミュニケーション内容の意味が決定される.
Habermasはこの2つの行為類型を用いて,目的合理的行為が優勢な社会システムと,相互行為が優勢な社会システムを区別した.その上で制度的枠組に基づく相互行為のサブシステムが,組織の拡大や技術の進展に従って,目的合理的行為のサブシステムによって逆に吸い上げられコミュニケーションが制限される可能性を指摘している.したがって将来の相互行為には,役割の対立に対する寛容性の向上,自己表現の機会の増大,規範の柔軟な適用によって社会の構成員に解放の進展と個性化の前進の機会を提供する必要があると指摘している.
 この分析に従えば,技術が社会や組織に浸透することによって,技術という道具が持つ目的合理的行為の強制ではなく,逆に技術を活用した個人による能力の発揮への期待とそのための規範の柔軟な適用が求められていることが分かる.

参考
[1] ユルゲン・ハーバマス,イデオロギーとしての技術と科学-ヘルベルトマルクーゼの古希のために,1968, 長谷川宏訳,平凡社ライブラリー(2000)
[2] MIGE:コミュニケーション型モデル,
https://note.com/re_blogroom/n/nb16b41568b9a?app_launch=false
[2]
山本修一郎,比較コミュニケーションモデル論に向けて,AI学会, 知識流通ネットワーク研究会,

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsaisigtwo/2010/KSN-007/2010_05/_pdf/-char/ja

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