印度(ガンダーラは旧インド)への想い2
ゴダイゴが歌った曲、「ガンダーラ」は1993年のヒット曲。
その歌詞の中に、THEY SAY IT WAS IN INDIAとある。
その年1993年は、6月上旬にプリンセス雅子が結婚され、華やかな成婚パレードの中、国民に特に印象付けた、「雅子スマイル」が一番の話題だった。その1週間後に、私は初めて、パキスタンに赴任した。
家族連れで(一人のワイフ、2人の娘:小学校1年生と幼稚園児)。
ご存じの通り、南アジア国のイスラム教国。
奥さんは4人までOKの国である。
飛行機に初めて乗った娘二人は喜んでいたが、トランジットのバンコックで成田からのタイ航空を、カラチ(パキスタン国一の経済都市)行に乗り換えるためにゲートまで歩こうというときに、次女が突然泣き出した。
なんだろうと思つたら、イスラム教徒の集団―20人程
白い衣装に皆が皆、髭面の大男たち(ムスリム坊主)が近くのゲートで
搭乗手続き中に出会った。
大人の私でも一瞬引いたが、幼稚園児の次女には、
どのようなモンスターに見えたのだろうか。
彼らは敬虔なイスラム教徒たちである」と後でわかる。
それから4年間、私たち家族は、一度も日本に休暇帰国せず、イスラム教国のパキスタン国になじんだ。
10人のパキスタン人サーバントたちが主たる仲間だ。
コック、掃除婦、洗濯婦、ドライバー3人(交代制)、
バンガロー(英国風外国人向け住宅)ガードマン(チョキダールと呼ぶ)
4人との共同生活が始まった。
コックは、日本食に近い料理が出来るものほど日本人社会で重宝がられ
高給で各社で争奪戦。
ガードマンは24時間を2シフト制。
これに番犬用にと、ジャーマン・シェパードを飼った。
当時はテロリスクはなく、もっぱら夜間の強盗被害だった。
子供の頃、いたずらして秋田犬にかまれた経緯で、
犬嫌いでの身であったが、
4年間の犬との共同生活で、一気に犬好きに転換。
善きことよ。
弱っちい犬で→経緯があって、家族で旅行で外出の間、
どうも犬嫌いのパキスタン人・チョキダールが4人とも
棒などを使っていじめていたらしい、
この間、ブラウニー(犬の名)、必死に車の下に隠れていたらしい、
帰ってみると、体全体油まみれ、臭っていた。
よっぽどいじめられていたらしい、主人家族が返ると、いきなり当番のチョキダール達に向かって吠えまくる。この悪循環。
だから徹底していじめられた。
部屋掃除係も、テーブルの上以上、下以下と担当が2人に分かれ、身分の低い方が下を掃除する。印度だけでなく、パキスタン(イスラム)世界でも
カーストがあったようだ。イスラムカースト制度。インド世界は奥深い。
イスラム教徒は例外なく、一日5回のお祈りの時間。
昼は、昼食後の時間(午後1時半)従業員全員が決まった方向
(サウジアラビア・メッカに向かって)
お祈りする。水道で手と足を清め、一斉に礼拝時間。
お陰で水道場はびしょびしょになる。
夜には、夕食後、ドライバーのNAWAB君が、やはりメッカに
向かい、マットを敷いて正座し、只管祈り続ける。
月の光煌々の中、祈り続けるイスラム教徒の姿は、
何か心を打たれるものがあった。信仰とは何か?」に思いが向かった
時代でもある。
イスラムの世界に浸っていたからか、休暇には仏教遺跡巡りをと、
向かったのが首都イスラマバードに近い、「タキシラ」であった。
遺跡の中心に行くと(観光スポットでもある)
写真は、首をはねられた仏陀像の一つ、
息をのむ
現地にはこれでもかと首無し仏像が並ぶ、
なんと一神教の非情さよ。
パキスタン人ガイドが、首のない菩薩像が並んだ場所に案内。
イスラム教が入った時代、ムガール帝国の力で仏教がねじ伏せられ、
13世紀初めにインドから仏教が消えた」との教科書的説明がある。
(消えた首は、観光事務所の土産物屋にあるから
そこで買ってくれというのが彼の営業トーク)。
タキシラ(ガンダーラ仏教)は、イスラム教が侵攻前の、
ヒンズー教帝国(チャンドラ・グプタ時代)に既に
アショカ・カニシカ大王時代の仏教文化は弱まり、
決定打がイスラム教のムガール帝国の侵攻だった
というのが実態か。
仏教衰退の大前提として、仏教哲学・教学内容が
インド国民にとって難しすぎる点がポイント。
大衆は、象・猿などの動物神もいて、理解が難しくない
「かわゆいヒンズー教」に走るわけだ。
日本のお寺さんの事例をごらんなさい。只管
法然親鸞の念佛仏教でしょう。
とてもインド発祥、大乗仏教の教祖「龍樹の空論」
(空即是色のあれですよ)あるいは、三島由紀夫が自死直前に
はまった阿頼耶識(世親の唯識理論)は、凡夫には難しすぎる。
すたれるのは時間の問題。
パキスタン4年、その後インドに2年、そして60代のジャイカ
活動でパキスタンに再度4年と、インド亜大陸10年の体験から言うと、
インド国民(パキスタン、バングラデッシュはイスラム教で自ら分離を志向した)には、ヒンズー教が似合うようだ。
象神 ガーネッシュ、
猿の神 ハヌマンジー(中国に入って、孫悟空に化けたようだ)の
素朴な祈りがいい。
最後に、仏教徒の名誉のために一言。
インドの政治家,アンベードカルさん(インド憲法の起草者)が、
印度カースト制度と闘って、カースト外・不可触民解放のために
活動、自身も含め大挙ヒンズー教から仏教への改宗ムーブメントを巻き起こした。
それを受けて、日本の和尚(佐々井秀麗)さんがインド人不可触民解放のために「仏教回帰の活動」されてきた。
今や1億人を超える仏教信者(要確認)がいるとされている。
印度に、仏教は滅びることなく生きており、今も
信者数は着々と増えていると世界に発信したい。
この記事は、カタリベ活動に参加しています。
