【第128話 戦いのあと】


 瀕死状態のレフトは、リスタオールの回復魔法により蘇生した。皆がレフトを囲んで心配そうに覗き込んでいたので、レフトが目を覚ました時に、太陽にカリーナを落とせなかったことを申し訳なさそうに項垂れてしまった。


「ピヨピヨピ〜」


 そんなレフトの背中を、デメタがポンと叩いて励ましていた。


「ゲコ! ゲコ!」


 すると、デメタから事の顛末を聞いたレフトが、途端に笑顔になり、皆の周りをぐるぐると飛び回っていた。




 ◆




 来翔とワタルとLEONは、カリーナの遺体の前に立っていた。腕も首もバラバラで飛び散っていたのを一纏めにして、この地で埋葬してやろうと思っていた。


 左手にはリジェネリングが装備されていて、もげた左手だけがリジェネ効果でツヤツヤと生きているように回復し続けていたので、土葬ではなく念の為に火葬してから、丁重に埋葬した。


 一応、同棲していたモナも呼んであげると、かなり複雑な顔をして埋葬の様子を見つめていた。


 そんなモナの所に、死んだと思われていたジムが合流すると、感動的な再会ではなく、モナは急いでゴーストバスターズに電話をかけてしまい、一時てんやわんやの大騒動となってしまった。


 そんな人間の不思議な行動を、ガマガエルのデメタとインコのレフトが大笑いして転げ回っていた。




 ◆




 そんな中、トンプソンを拘束していた米軍から、ワタルの元へ連絡が入った。


『拘留中のトンプソン、及びデビットとレベッカが監禁部屋から逃走。現在、行方不明』


 と。


 ワタルは呆れながら、来翔に説明した。


「来翔さん! 今、軍から電話があり、トンプソン達が逃げたそうですよ! どうします? 追いかけますか?」


 来翔はクスッと笑って答える。


「僕はさっきまで瀕死状態だったんですよ? 辞めときます!」


 それにワタルも同意した。


「俺もパスします! もうクタクタです! 早く上ノ国に帰りてぇ〜!!」


「僕も江差に帰りたいです!」


「ピヨピヨ!」


 こうして、最終決戦のあとはトンプソンを追うこともなく、ゾーン団との長きに渡る抗争にピリオドが打たれた。




 ◆




 この日から数週間後。江差では、宿屋の営業が再開していた。


 異世界では、ビリーの跡を継いだレンカがパチンコチェーン店を引き継いでいた。ワタルは今回のTdカンパニーの出資でほぼ全ての預金を使い果たしてしまったので、既にZONから大量に社員を引き抜いてしまっていた事もあり、Tdカンパニーはそのまま継続していくことを決め、ZONも買収してしまい、ワタルはここの大株主になった。


 それから、今後はマーガレットの翻訳スキルについては、完全極秘としてマーガレット自身もスキルを使用しないことを誓った。


 雨森はアメリカの方がガマの油売りは売れると言って、アメリカ各地を渡り歩き、行商人としての活動場所を地球に移した。


 結局、最終決戦を終えても、いつもの日常が訪れていた。


 朝、目が覚めると、夜になり、眠くなるように……。




 (第129話へ続く)

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