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下壁梗塞で「Ⅲ誘導>Ⅱ誘導」のST上昇が意味すること


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下壁梗塞(Ⅱ・Ⅲ・aVFでST上昇)を見たとき、
Ⅲ誘導のST上昇がⅡ誘導より強い場合、
それは 右冠動脈(RCA)責任病変を示唆します。

特に重要なのは、
👉 RCA近位部閉塞の可能性が高い という点。

なぜかというと、
RCA近位が閉塞すると

  • 下壁虚血

  • +右室枝が巻き込まれ、右室虚血が加わる

結果として、
STベクトルが「右下方向」に強く向き
右成分を強く見る Ⅲ誘導のST上昇が目立つためです。


臨床での思考ルート

  • 下壁梗塞

  • Ⅲ > Ⅱ
    RCA近位を疑う
    右室梗塞を想定
    V4Rを追加記録
    → 硝酸薬は慎重に(前負荷依存)


「前負荷依存」って何?

前負荷=静脈還流量(右心に戻ってくる血液量)

右室梗塞では👇が起きている:

  • 右室心筋が虚血で収縮できない

  • 右室は
    👉「たくさん血が入ってやっと拍出できる」状態

  • つまり
    前負荷が下がると、一気に心拍出量が落ちる

これを
👉 前負荷依存性 という。


硝酸薬は何をする薬?

硝酸薬(ニトロ)は:

  • 静脈を拡張

  • 前負荷を下げる

  • → 心臓に戻る血液量を減らす


ここで何が起きるか

右室梗塞 + 硝酸薬

  • もともと
    👉 前負荷が必要な右室

  • そこに
    👉 前負荷を下げる薬を入れる

結果👇

  • 右室拍出 ↓

  • 左室への流入も ↓

  • 急激な血圧低下・ショック

👉 「ニトロで血圧が落ちる」典型パターン



ひとことで

「下壁+Ⅲ>Ⅱ=右室を見に行け」

心電図は“確定診断”ではなく、
次に何を疑い、何を確認するかを決めるツール
この一手が、治療選択を大きく左右します。

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