1000文字、短編小説、宝石探し、努力する人
僕は島に宝石を探しに来ていた。しかし島での忙しい生活のせいで本来の宝石を見つけるという目標を忘れていた。
そんなある日、僕は努力する人と出会った。その人は勉強にスポーツに努力をし続けていた。おそらく良い仕事に就いて活躍をするだろう。誰もが、そう思っていた。しかし努力する人は僕と出会ってしまった。僕は努力をしたことが無い。勉強もスポーツも苦手である。最初は相手にされなかった。しかし途中で僕の努力しない態度が気に入らなくなった。それでも人は人。努力しないと不幸な人生を歩む。そう考えて相手にしてなかった。
それでも僕の言動には黙ってられなかった。僕は、「今を楽しく今が大事。」と言っていた。努力する人は、「そんな考えだと将来、困るよ。」と忠告した。僕は忠告してきたことに腹を立てた。見返してやろうと考えたが努力して見返そうとはしなかった。努力が無駄ということを証明しようとした。勉強しても役に立たないと言いスポーツしてもプロにはなれないと言った。
努力する人も腹を立てた。勉強やスポーツができないことを笑って見下してきた。僕のことを無能とか出来損ないと呼んだ。僕は一旦は負けを認めて反撃を狙うことにした。しかし努力する人は良い仕事に就いたり結婚したり幸せになっていく。僕は努力する人の忠告通りに不幸になっていく。努力する人がテレビに出て活躍する場面を見ると昔を思い出し腹を立てた。テレビを見なくなった。
僕は一人、部屋に閉じこもり、どうしたら努力する人を不幸にできるか考えた。犯罪しても裁判で反撃される。僕は考えたが答えは見つからなかった。一方、努力する人は幸せな生活を送っていた。努力の素晴らしさを証明できたのだ。それでも世の中には努力しない人が多くいた。ほとんどが僕と同じような考えで生きていた。努力しなかったら不幸になる。そう思ってほっといた。やがて部下や子供ができた。部下や子供は努力しなかった。ほっといたら会社や家庭が困る。
努力させようとした。しかし努力しない部下や子供は僕と同じように反抗的な態度を見せた。努力する人は直接は言ってないが無能とか出来損ないという言葉はテレビなどで耳にするらしい。部下や子供は努力する人に腹を立てていた。どうしたらいいのか考えたが分からない。努力しない部下や子供のせいで会社や家庭は苦しくなった。努力は無駄という言葉を思い出した。
その頃、僕は努力する人の苦労を知らなかった。努力する人は幸せになったと思っていた。負けたと思った。僕は宝石を探していたことを思い出した。島での生活は不幸になり終わった。それでも宝石だけは見つけたいと思い探した。見つけた宝石を持ち帰る時に努力する人と再会した。2人とも疲れていて会話は無かった。努力の素晴らしさ無駄さを証明しようという気持ちは無くなってしまっていた。
終わり
