森のクマさんはドレミを弾きたい【ぬいぐるみたちのやさしい物語】
静かな部屋の片隅で、シロクマはピアノの前に座っていました。
横にはヒグマが応援するために立っています。
最近、シロクマはピアノの猛特訓中。
「今日こそ『ドレミの歌』を最後まで弾ききるぞ」と気合を入れると、そっと鍵盤へ指を置きました。
「ド、レ、ミ、ド、ミ、ド、ミ……」
慎重なタッチでメロディが響きます。
しかしテンポが上がると指先が勝手に弾み始めました。
「レ、ファ、ファ……ある、ひ……森の、なか……」 気がつけば、シロクマの指は見事な『森のくまさん』を奏でていました。
「ざんねん……まただ。なぜだか指がどうしても森を求めちゃうんだ」
しょんぼりするシロクマに、ヒグマが身を乗り出しました。
「僕も手伝うよ!二人で協力すれば、きっと森を抜け出せるはず!」

まずは二人で並んで連弾してみることに。
しかし、クマが二匹になったことで森への引力はさらに強まり、大迫力の『森のくまさん』が響き渡るだけでした。
「これじゃ逆効果だ」
とヒグマは腕を組みます。
「そうだ!クマだから無意識に森に行っちゃうんだ。別の動物になりきろう!」
二匹は「自分たちはウサギだ」と思い込む作戦に出ました。
頭の上に両手で長い耳を作り、ぴょんぴょんと跳ねてから、シロクマは再びピアノへ向かいます。
「ド、レ、ミ……(僕はウサギ)……ファ、ミ、レ、ファ……」
ヒグマも隣で「ぴょん、ぴょん」と呟やきながら、ウサギの耳のポーズでリズムをとります。
シロクマは必死にウサギになりきり、慎重に鍵盤を叩き続けました。
『シ、ラ、ファ、シ、ソ、ド!』
ついに最後の音まで弾き切りました!
「やったー!ドレミの歌だ!」
二匹のクマはウサギのように高く飛び跳ねて、大喜びでハイタッチを交わしました。


(※記事内のイラストはAIによって生成されたものを使用しています)
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