見出し画像

プリンアラモードで泣くモード

プリンアラモードと聞いて思い浮かぶのは父の顔。
父は私が大学生の頃に亡くなった。病死だった。

51歳、早い方だと思う。こんなに早いとは家族全員思っていなかった。

父は時々入院をして、仕事に戻るようなことを繰り返していた。最後の入院もそのようなもの、と認識していた。でも違った。

父は自分の病状を家族に隠していた。迷惑をかけたくないといって。なんだよそれ。

医師から本当のことを聞いてから、1か月ほどで父は逝ってしまった。あっという間すぎた。

その間、感情はいつも揺さぶられていた。でも、冷静でいなきゃと神経は張り詰めていた、そんな壮絶な毎日だった。

父に対して、病気のこと言ってよ。迷惑ってなんだよ、それも言えなかった。言う間がなかった。

入院してから日に日に父の病状は悪化。食べる量は日に日に減り、話せなくなっていく。痩せ細っていく父を見るのも、疎通が取れなくなってく父を目の前にするのも辛かった。 

家族の気持ちもギリギリ。全員しんどかった。

そんなある日、母がポツリと言う。

母:「お父さんがさ、プリンアラモード食べたいって言うの。でもさ、売ってないのよ。ケーキ屋さんにもさ、プリンはあるけど、プリンアラモードはないの。喫茶店で持ち帰りできるかな?」

私:「わかんないけど、プリンアラモードってなんで?お父さん甘いもの好きじゃないよね?」 

母:「そうなの。不思議よねー。子どもの頃好きだったのかな。子どもに戻ってるのかな。ふふっ笑」

結局、プリンアラモードはなくて、コンビニでプリンに生クリームとフルーツがのっているカップスウィーツを買ってきていた。少し食べたと聞いた。

父はわたしに対して今の仕事ではなく普通の会社員になることを進めていた。将来、苦労すること、わかってたの?と今となっては思ってしまう。

それでも亡くなる直前、「元気でいてくれたらそれでいい。」とわたしと姉に言い残してくれたことは忘れられない。

わたしも姉も、父が早くに亡くなったことでどこか刹那的に生きている。

自分も自分の大切な人もいつどうなるかわからない、だから今を大事にしよう。やりたいことはその時にやろうと思うようになった。

父は今のわたしを見て何を思うだろう。聞いてみたい。でも聞けない。それが亡くなるということ。

ただ私から父に伝えられることは、悩みはたくさんあるけど元気だよってことだ。

プリンアラモードを食べた。可愛いけど甘くない。
涙がこぼれるのでどうにもしょっぱいのだ。

可愛さよりも今は父の思い出



いいなと思ったら応援しよう!

mint ちょっとホッとしたら、猫のおやつ代くらいの応援、いただけたら飛び跳ねて喜びます🐾 いただいたチップは、心と体を整える時間と、次のnoteの燃料に使わせていただいています。