SpO₂が正常でも安心できない理由
呼吸は“崩れる前に増える”
SpO₂が保たれているのに、「なんかおかしい」と感じたことはありませんか。その違和感、だいたい当たっています。その正体は、多くの場合
👉 呼吸数の変化です。
⸻
呼吸数は、単なる呼吸の数ではありません。
身体が崩れないように、
👉 最初に働く“代償”です。
低酸素、感染、循環不全、代謝性アシドーシス。
こういった異常が起きたとき、身体はまず
👉 呼吸を増やして対応します。
つまり呼吸数の上昇は「異常」ではなく、
👉 すでに何かを補っているサインです。
⸻
このことは、研究でも一貫しています。
院内急変の前には、
👉 呼吸数が最も早く変化することが知られています
(Cretikos et al., 2008, Resuscitation)
また、Early Warning Scoreでも、
👉 呼吸数は中心的な指標とされています
(Smith et al., 2014, Resuscitation)
さらにBMJのレビューでも、
👉 呼吸数は臨床悪化を捉える重要なサインとされています
(Gerry et al., 2020, BMJ)
⸻
一方で、現場ではSpO₂が優先されがちです。
でもSpO₂は、
酸素投与や代償で“保たれてしまう”指標です。
👉 変化は遅れます。
つまり
👉 SpO₂=結果
👉 呼吸数=反応
です。
⸻
呼吸数が上がっているとき、身体では何が起きているのでしょうか。
• 酸素を取り込もうとしている
• CO₂を排出しようとしている
• アシドーシスを補正しようとしている
• 循環不全を補おうとしている
呼吸は、単なる呼吸ではなく
👉 全身を守る仕組みです。
⸻
だから同じ「呼吸数28」でも意味は違います。
• 呼吸不全なのか
• 敗血症なのか
• 代謝異常なのか
• 循環不全なのか
👉 必ず“理由”があります。
⸻
さらに問題なのは、
呼吸数はとても重要なのに、軽視されやすいことです。
実際に、呼吸数は
👉 最も正確に測られていないバイタルとも言われています
(Lovett et al., 2005, American Journal of Emergency Medicine)
⸻
では、現場でどう使うか。
シンプルです。
👉 まずはトリガーとして使う
• RR 22以上 → 再評価
• RR 24以上 → 報告・RRS検討
⸻
そして、もっと大事なことがあります。
👉 なぜ呼吸数が上がっているのかを考えることです。
ここが、看護の質を分けます。
⸻
呼吸数は原因ではなく、結果です。
だから見るべきは数値ではなく、
👉 その裏にある病態です。
⸻
最後に
呼吸は代償です。
そして代償とは、
👉 すでに破綻が始まっているサインです。
⸻
参考文献
Cretikos MA, et al. (2008). Resuscitation
Smith GB, et al. (2014). Resuscitation
Gerry S, et al. (2020). BMJ
Lovett PB, et al. (2005). American Journal of Emergency Medicine
