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akane_ohashi
胸に手を当ててみる#120|私たちは皆、同じように生きている
自分は生きていて、
他人もまた同じように生きている。
当たり前すぎて、日常の中では、
ほとんど忘れているのかもしれない。
指先を切れば、血が流れる。
鋭い痛みが、身体に走る。
他人もまた、同じだ。
子どもを育てていて、
最近よく思う。
喜怒哀楽がはっきりしていて、
感情をそのまま外に出す子どもは、
なんて人間らしいんだろうと。
嬉しいときは、思いきり笑う。
悲しいときは、声をあげて泣く。
そのままの感情が、そこにある。
でも大人になると、
気に入らないからといって泣くことも、
人目を気にせず大笑いすることも、
少なくなる。
聞き分けの良さと引き換えに、
人間らしさの一部を、
静かにしまい込んでいるのかもしれない。
本当は、ちゃんと人間で、
ちゃんと生きていて、
人間らしい感情を、内側に秘めているのに。
“人の気持ちを考える”ことが、
私はあまり得意じゃないと思っている。
できるようになりたいと、
ずっと思っているけれど、
うまくできていない気がする。
じゃあ、
どうしたらいいんだろうと考えたとき、
ふと思った。
その根っこにあるのは、
とても当たり前のことなんじゃないかと。
“自分も、他人も、生きている”
嬉しさも、喜びも、痛みも、悲しみも、
ちゃんと感じている。
ただそれが、子どものように
わかりやすく外に出ていないだけで。
見えないからといって、
ないわけじゃない。
見ようとしていないだけなのかもしれない。
自分の胸に、そっと手を当てる。
この鼓動は、私だけのものじゃない。
あの人も、あの人も、
思い浮かぶ人すべてが、
同じように鼓動を打っている。
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