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今日の花#23 〜紫陽花〜

 紫陽花が咲くのは、梅雨時だと思っていた。子供の頃から雨に濡れながら咲く紫陽花の記憶が多い。
 
 今年、京都大原三千院のあじさい祭りを見る機会に恵まれた。紫陽花は、梅雨が既に明けた京都のかんかん照りの午後、清々しくさわやかに咲いていた。
 どうにも止まらない汗を拭き拭き、三千院のあじさい苑を歩き、「暑かった」が1番の感想になってしまったけれど、酷暑の午後でも紫陽花の花だけは、涼しげだった。青い涼やかな色のせいなのだろうか。小花が集まって咲いているように見える可愛らしさゆえなのだろうか。
 温暖化が確実に進んでいる。かつて梅雨時の花だった紫陽花は、近年は真夏の花に変わっているように思う。厳しい暑さの中、紫陽花の花を愛でることは、一服の清涼剤になる。
 
 この記事の写真は、最後の1枚を除いて、猛暑日に近い日の京都大原三千院で撮影したもの。池や手水に紫陽花の花を浮かべているところなどは、まさに雅と涼との競演だと感じる。
 

 紫陽花は、複雑で神秘的な花である。
 私たちが「花」と思って見ているのは、実は「ガク」であって雄しべも雌しべもない。本当の「花」の部分は、ガクの中心に咲いているものだけ。私たちは、あじさいの花ではなく、ガクを鑑賞していることが多いようだ。
 また、紫陽花の花の色は、土壌の酸性度によって変化することが知られている。酸性の土壌では青色、アルカリ性の土壌ではピンク色に、中性では紫色になる傾向がある。これは、土壌中のアルミニウムが酸性条件下で溶け出しやすくなり、紫陽花の色素であるアントシアニンと結合することで青色に変化するためなのだそうだ。
 では、白い紫陽花はどうなるのかと言えば、 もともと色素を持たない品種であるため、何色にも染まらないとのこと。なるほど。


 英語の紫陽花hydrangeaには、「水の器」という意味がある。「hydro-」は水、「ange」は器という意味の言葉であり、紫陽花hydrangeaの語源になっている。

 小さな池に、色とりどりの紫陽花が浮かべられたさまは、ひととき暑さを忘れる景色だった。優雅な別世界がそこにはあった。
 
☝ここまでの写真が京都三千院の紫陽花。

信州で咲く紫陽花

 これは信州のまだ咲き始めの紫陽花の写真。
 雨が止んだ夕方、よく見ると、葉に雨のしずく。雨は紫陽花の涼しげな姿をいっそう引き立てる。紫陽花には、どうしたって、雨が似合う、とやはり私は思ってしまう。


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