晴れた日に《シロクマ文芸部》
『桜ノ雨』
晴れた日に、
僕は重い荷物を抱えたまま、
舞い落ちる桜の花弁をただ見つめている。
――僕の悪い癖。
どんなことにも「意味」を見つけようとしてしまう。
考えたって、答えはいつも同じなのに。
そうして僕は、いろんなものを捨ててきた。
僕にとって、意味のないものだったから。
一枚の花弁を手のひらに乗せ、君は言った。
「こんなにも綺麗なのに、儚いね……」
あの日の君の言葉は、今も捨てきれず、
僕の荷物になっている。
君はもう隣にいない。
その言葉に、今では何の意味もない。
それでも――
捨てられない。
――僕の悪い癖。
何にでも「意味」を探してしまう。
それでも今日は、少しだけ違う。
意味のないものも、
抱えていこうと思う。
そう。
目の前に降る桜の雨は、
今年もこんなに綺麗だ。
僕の手のひらに、
桜がそっと舞い落ちた。
しばらく、僕は
そこに立っていた。
※今回も、こちらのシロクマ文芸部さんの企画に参加させていただきました。
ありがとうございました🙇♀️
