【散文詩】サヨナラの向こう側で…#3つのお題に空想のひらめきを【第30回】
ふと、ソファの隅に目を落とす。
そこには、小さな小枝があった。
無数に残る君の歯型が、不揃いな円を描いている。
指に通すには無骨で、あまりに頼りない。
けれど、それは君と僕を繋ぐ、世界でたった一つの「木の指輪」
部屋のあちこちには、君が遺していった、決して「消えない手紙」がある。
フローリングの小さな傷跡。
忘れないでと呼びかけるように、ふと現れる一本のヒゲ。
撫でた時の指先が覚えている、あの温もり。
そこにはいつだって、
『大好きだよ』と書いてある。
いま君がいるのは、痛みも苦しみもない、ふわりと白い優しい場所。
「雲の上の待合室」
君のことだから、きっと遠慮がちに端へ座って、
まだ「サヨナラ」の向こうへは行かず、
僕がそこへ辿り着く時を、
尻尾を揺らしながら、待っていてくれるのだろう。
またまたまた、片桐みかんさんの
『3つのお題に空想のひらめきを 第30回』
に参加させていただきました。
お題はこちら。
第30回 3つのお題
お題①:「雲の上の待合室」
お題②:「消えない手紙」
お題③:「木の指輪」
みかんさん。素敵なお題、ありがとございました😊
