池袋東口は東京の実験区へ?「しゃれた街並み」条例で始まる、静かな都市アップデート
東京都には、少し不思議で、ちょっと可愛らしい名前の条例があります。
「東京のしゃれた街並みづくり推進条例」
しゃれたという響きだけ聞くと
「急にどうした?」「東京がおしゃれを気にするの?」
と思うかもしれません。
でもこの条文には東京が抱えてきた根深い悩みと、これからの都市の方針がはっきりと刻まれています。
• どの街も個性が強すぎて、初めて来た人が迷いがち
• 看板や外観の主張合戦で街の顔が見えなくなる
• 小さな店が多い既成市街地では、一気に再開発ができない
• でも、街の雑多さは残したい
• 安全・歩きやすさ・回遊性を同時に高めたい
こうした課題を、壊すのではなく整えることで解決する。
そのために作られたのが、この「しゃれた街並み」条例です。
そして今回池袋駅東口がこの条例にもとづき、「街並み再生地区」に指定されました。
池袋東口がいま静かに衣替えを始める理由を、ここから順番に紐解いていきます。
1|条例が目指すのは「街のドレスコード」づくり
この条例の狙いを一言で言うなら、街全体のドレスコードをつくるというものです。
例えば、こんな状況をイメージしてください。
• 1軒だけ極端に派手な看板がビルの視界を支配している
• 通りごとに雰囲気がまったく違い、街の“顔”が見えない
• 夜になると一部はギラギラ、別の路地は真っ暗で不安
• 案内表示がバラバラで、観光客が出口から動けない
この「雑多さ」は池袋の魅力でもありますが、「歩きにくさ」や「迷いやすさ」の原因でもあります。
そこで条例は、
• 看板の色・大きさの方向性
• 建物1〜2階の外観(ファサード)の基本トーン
• 通りごとの雰囲気の揃え方
• 夜間照明の明るさや色味
• 歩道や案内板(サイン)の見やすさ
こういったものに対して「このエリアは、だいたいこんな感じで整えていきましょう」という街の服装ルールを決めていきます。
ポイントは壊して作り直すのではなく、いまある街を整えて育てること。
雑多さや個性を殺すのではなく、「街としての見やすさ」と「店の個性」のベストバランスを探る。
これが、この条例の思想です。
2|池袋東口がこの条例と異常なほど相性がいい理由
池袋は、東京の中でも街のテンションが高い場所です。
しかし東口、とくに駅前一帯には長年こんな課題が積み重なってきました。
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