見出し画像

京様作 【かげろうの君と】感想紹介記事

京様が執筆された本作、かげろうの君と。
昭和の戦火に巻き込まれ、成仏できずに現世を漂う幽霊幸子と、昔からずっと好きで拗らせていた思い出人が他人と結婚した事で猛烈な鬱になり死にたがっていた拓海。その二人が出会う事で織りなされていく、掛け値なしの純愛物語。

ドロドロジメジメした要素は無し! ただ真っ直ぐ、お互いがお互いを思い合う事で発生するもどかしいすれ違いを、これでもかっ! てほどに供給してくれる内容展開。もう大好き。超好き。私の大好物です。
でもこのすれ違い要素が、凄く大きいのですよ。だって、幽霊と人間ですからね。愛を語り合えても触れ合えず、そして生きてきた時代も違う。誰かに自分の恋人を自慢することもできない。
幸子と拓海の愛が、白く純粋であればある程、このどうしようもない隔たりが浮き彫りになるんです。「油ものがついたお皿は先にペーパーで拭き取ってよ!」「そんな事しなくても別にお湯で流せばいいじゃん!」なんてよくある価値観のズレなんて比べ物にならない、“存在のズレ”なんですよ。

しかも幸子は、生者の拓海からの生気を吸って現世に留まっているという、なんとも悲しい薔薇の棘みたいな状態。
そんな何もかもが違う、けど愛だけは確かに分かち合う二人がどんな結末を迎えるのか、皆様是非! 読み届けてくださいまし!

いいなと思ったら応援しよう!