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タウマゼインって何? 「チ。地球の運動について」を読んで…

タウマゼインという聞きなれない言葉を知った時 何? と思ったけど
検索はしなかった。

代わりに「チ。地球の運動について」という漫画を買った。

それにしても、このタイトルも なんか変  チ。っていったい何だ?
と訝しみながら、全巻8冊セットをAmazonの買物カゴに入れた。

秋口からアニメも放映されていた事を知ったのは、その直後だ。
漫画が届くまでには、時間がかかる。
途中からだが、まずはアニメを観る事にした。

<  主題歌 歌詞 >

何度でも 何度でも叫ぶ   この暗い夜の怪獣になっても
ここに残しておきたいんだよ この秘密を

だんだん食べる 赤と青の星々  未来から過去を
順々に食べる       何十回も噛み潰し 溶けたなら 飲もう

丘の上で 星を見ると 感じる この寂しさも
朝焼けで 手が染る頃には もう忘れてるんだ

この世界は好都合に未完成 だから知りたいんだ
でも怪獣みたいに 遠く遠く 叫んでも また消えてしまうんだ


最初は、画面があまりに暗いので、テレビがどうかしたのかと思ったが
( 確かに、あの時代 あれくらい暗かったのだろうなぁ ) と 
妙なところで納得しながら、毎週 観ている。 

それはさておき、読み終えた漫画を元に、少し物語を追いかけてみたいと思う。
以下 第一集 〜 第八集のサブタイトルは、私が勝手に付けたものです。


第1集  それは美しいか?

最初から、気になる言葉が登場する。
星の動きに関して「それは美しいか?」という問いだ。
美しくないなら、何か間違ってはいないか? というニュアンスがある。

地動説を唱える異端者が、ある少年に山中の石箱の存在を明かし、自身は焼かれて世を去った。
地動説の火をつけられた少年は、否定しようとあがいても否定しきれない。
彼は、この先どう生きるのか?

第2集  託された者

時は流れ 
下層階級の男オグジーと相方は、異端者から 山中に隠された石箱を託される。

だが、二人には石箱の資料の意味など分からないし
添えられた手紙の表紙には ただ 「地」とあるのみだ。

そこで、異端の修道士パデーニを訪ねて、山中の石箱へと案内する。
石箱の資料を見たパデーニは言う。「地球🌍は動いている」と。

地動説を説いた異端者とそれを信じた相方は、やる事はやったという満足の表情で世を去った。

二人と関わった 文字も読めないオグジーは、彼らの表情に心打たれた。
彼は地動説を託されたのだ。

第3集  金星は満ちているか? 

ここで、一人の少女ヨレンタが登場する。

あどけないこの少女は、
「自分がこの世でうまく動くより、この世を動かしたい」
という命をかけた信念を、隠し持っている。

膨大な資料を持ち、天動説を信じる老いた研究者と
地動説を信じたい若き研究者パデーニを、この少女がつなぐ。

金星が遠く小さく見える日、満ちているか?
それは、地球が動いているか、天が動いているかを決める証となる。

確認できるのは、若き研究者に付き従うオグジーしかいない。
彼は、ずば抜けた視力を持っていたのだ。

そして、第2集から物語を動かしてきたオグジーは少女に問う。
「文字が読めるってどんな感じですか?」
少女は答える。
「それは… 奇跡です。全ての情報が時と場所を超える」

文字をインターネットに置き換えればよく分かる。

この第3集あたりで、真実を追い求める情熱が
組曲の底に流れ続ける低音のように、ずっと響いているのを感じた。

この物語はオーケストラの演奏に似ているのではないだろうか。

第4集  チ。 知と血の争いの中で 地は動き出したのか? 

オグジーは、その後、少女から文字を学び始めた。
自分の物語を書き残すために。

彼は、クセの強い研究者パデーニに寄り添いながらも
決して自分を見失なう事なく、成長してゆく。

だが、二人には危機が迫っていた。

若き研究者パデーニは まとめ上げた地動説の資料を焼き捨てた。
オグジーの書いた日記のような物語さえも処分されたようだ。


第5集  物語は誰に引き継がれるのか

やがて、託された者オグジー、若き研究者パデーニ、信念の少女ヨレンタ
この三人を大きな試練が襲う。

だが、第4集で消滅したはずの書物が、思いもよらぬ方法でのこされていた。

そして、物語は大きく動く。
いわば群像劇と言っていいこの物語は、時を超えて引き継がれてゆく。

第6集  爆薬と活版印刷の時代へ

長い時が流れ、二人目の女性主人公ドゥラカが登場する。
最初の少女が研究者だったのに対し、二人目は金を稼ぐ事にしか興味がない現実主義者だ。

そんな彼女が、地動説を書き残した本に出会い、その出版に金儲けの匂いを感じた。 活版印刷という革命が起きようとしている時代だ。

一方、ドゥラカが偶然手にした地動説の本を、探す者達がいる。
「情報を解放し、開かれた場を作る」ために、この書物を印刷出版しようとしている組織だ。

ドゥラカは、度胸と機転、交渉の巧みさ、したたかさで
この組織との駆け引きを繰り返し、この組織に加わる事となる。

謎の組織を率いているのは、誰なのか。
やがて、ドゥラカはその人物と対面する。

第7集  自由とは何? そう問える事!

地動説の本はドゥラカの手で燃やされたが、全ては彼女の脳に記憶されている。
謎の組織を率いる人物は、それを口述筆記する。

その写本を元に、本の印刷まで漕ぎつけた。
タイトルは「地球の運動について」

だが… 内部の裏切りにより、全てを捨てて脱出するしかなくなった。

唯一の出版の可能性は、ドゥラカにかかっていた。
彼女はある人物を説得して出版に持ち込める可能性を主張し
組織は、彼女一人を逃すために全員が犠牲覚悟の道を選んだ。

この時代、文字がどれほど重要だったか
それを出版する事がどれほど大きな意味を持っていた事か。

だが皮肉にも、現代の私は、無意味な雑音と化した文字の嵐に、頭がジャリジャリする時がある。


第8集  同じ時代を生きた仲間として

組織全員の希望を背負ったドゥラカは、この危機を乗り越え
「地球の運動について」という本を出版できるのか?

第一集からずっと物語を動かしてきた裏の主人公
異端審問官 ノヴァクの追撃を振り切れたのか?

もちろん、その答えをここに記す訳にはゆかない。( そんな事したらコロされる )

代わりに、ドゥラカが 組織のボスから預かった手紙を
伝書鳩につけて飛ばすシーンをご紹介する。
鳩は「オレが 飛ぶのかよ」みたいな めんどくさそうな顔をして、チロっとこちらを見てから 飛び立つ。 ここ 妙に好きなので。

そして、場面は変わる。
とっくにシンだはずでは? と思われた人物が 星空の下に立ち
幼い男の子に熱く語っている。

感じるだろ タウマゼインを! 



<   終わりに >

よくもまあ、こんな軽い漫画本8冊に
これだけの問いかけと 、怒涛の展開を詰め込めたものだと、感心してしまう。

この作品、私は絵がとても好きだ。
落ち着きがあり艶があり、殺戮シーンでさえ美しい。
自在なアングル、状況に応じた大胆なコマ割りも効果的で、まるで映画を観るようだ。モノトーンなのに色彩や光をたしかに感じる。

見開きの大胆なカットは 
絵画のようで、登場人物の心の風景に寄りそう深い愛を感じさせる。

この絵なら、私はどこまでもついて行ける。


「タウマゼイン」の意味を知らないまま読んでいたので

長いストーリーを 登場人物たちと共に旅して 
多くの血が流されるのを目の当たりにして、辿り着いた先で聞いた時

あぁ  あの言葉… ここで出るんだ !


登場人物達が空を仰いで立ちつくすその瞬間に、私は確かに立ち会った。
だから、それは 生きた言葉として 心に沁み込んでいった。

そして、ふと 我に返ってまわりを見れば、目の前を走りまわっている子供たちこそが、タウマゼインのかたまり ではないか!?

ねぇ どうして? どうして お星さまは落ちてこないの?

今この「チ。地球の運動について」を読み終えて思う。

あの時 検索しなくてよかった。
購入ボタンを押してよかった。

少しだけ自分が覚醒したような気がしている。

最後に、この作品に会わせて下さったクリエイターさまに心より感謝いたします

         とても有意義な時を過ごせました。

青い空が おひさまに溶ける 白い波が 青い海に溶ける  Love  is  blue より

以下に タウマゼインの解説があります。






タウマゼイン(希:θαυμάζειν、thaumazein)とは
「驚き」、「驚異」、「驚愕」といった意味を持つギリシャ語。
主に哲学の領域で「知的探求の始まりにある驚異」を表す言葉。

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