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堪忍袋の観察|自由律俳句とひとごと日記
「断りの返事は天も仰がずに」
職場に良くも悪くもお手本になる先輩がいる。
さりげなく教養や、美的センス、裕福さを匂わせてくるのはまあ良しとしよう。
そんな素晴らしいあなたなのに、チームとして助け合わないといけない数々の場面で、何でそんなに面倒くさそうなの?出てますわよ、お顔に。
とにかく面倒な事は承らない人だ。
先輩は年度末に3連休とっているのだが、続けてもう1日シフトの変更をお願いしたいとの相談があった。
わたしは予定はなく変更しても問題なかった。
が、これまでの事が頭をよぎってわたしの堪忍袋が静かに超過の時を迎えていた。
「うん、ダメだね。」
‥‥自分でもびっくりした。
どちらかと言えば断れないタイプの人間だと認識してきた。繊細さんだとも思っていた。
それがスパーンと間髪入れずに断ることが出来たのだ。
後味の悪さは微塵もない。
不思議なことにイライラもない。
心は凪だ。
「しょうがないからもう1日お休みもらおうかなあ」
先輩はケロっとして、相変わらず自由なこと言っている。
あれ?
そういえばわたしの堪忍袋、今どうなってる?
パンパンになった堪忍袋は、緒が切れて落ちることなく、破れてしまう事もなく、むしろ浮力を得て風船のように飛んでいってしまったようだ。
気持ちよく断りの返事が出来たことに満足してしまい、次の先輩の言動なんてもうどうでもよくなった。
‥‥これは相手が先輩だからなのか?
だとしたら、案外相性は良いのかもしれないと全くめげずシフト表に顔を埋めている姿を眺めながら思った。
〝仕事はお互い助け合いながらやろうよ。
今度はきっと気持ちよく代われると思うから〟
今ならタメ口ぐらいの気楽さで、我慢せずに正直な気持ちを言えそうな気がした。
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