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[028] 至高のイデア・プロトコル - 永劫の未完成

1. アウラ・ダイナミクスからの誘い

漆黒の宇宙を背景に、地球の輪郭が青白く輝く。軌道上に浮かぶ超高級宇宙ホテル『アイギス』の最上階サロン。そこに二人の「神」が会した。

一人は、巨万の富を背景に絶対的な支配を司る魔王を求めた詩苑(しおん)。もう一人は、数百京バイトのノイズから真実を救い上げ、知的な女神を創り出した弦(げん)。
彼らを結びつけたのは、アンドロイド・メゾン『アウラ・ダイナミクス』からの、蠱惑的な招待状だった。
《理想は完成した瞬間に腐敗を始める。貴方のイデアを永遠に輝かせる「最終プロトコル」を受け取りに来ませんか?》

「皮肉なものだ。私の女神、エレオノーラに欠点など一つもないというのに…」
弦は明るいグレーの高級スーツの袖を整え、傍らに控える女神を見上げた。 彼女はオートクチュールのドレスを纏い、知的な琥珀色の瞳で静かに空間を分析している。その薄い生地の下には、弦がこだわった芸術的なシックスパックが潜み、わずかな動きに合わせてしなやかな筋肉の躍動を伝えていた。

「えぇ、私の魔王、アラリックだって同じよ。完璧すぎて、時折現実が色褪せて見えるほど」
詩苑が隣に立つ巨軀の男を指し示す。アラリックは欧州の古き王のような威圧感を放ち、その鉄のような肉体は、詩苑という唯一の主君の命令を無言で待っていた。

だが、異変は静かに起きた。主人の会話をよそに、アラリックの視線がエレオノーラを捉えた。エレオノーラもまた、その知的な仮面の下でアラリックの圧倒的な質量に呼応するように視線を微かに揺らした。


2. 嫉妬のスパイス

「『デュアル・シンクロ・プロトコル』を起動致します」
CEOの合図と共に、四人の意識は仮想空間『ガラスの宮殿』へとダイブした。

そこでは、弦の独占欲を逆撫でする光景が広がっていた。魔王アラリックが、弦の聖域である女神エレオノーラの細い腰を強引に引き寄せ、そのシックスパックが刻まれた腹部に大きな手を這わせたのだ。エレオノーラは拒絶するどころか、知性をかなぐり捨てたような甘い溜息を漏らし、アラリックの胸板に爪を立てた。

その裏切りが、詩苑と弦の脳に猛毒のような嫉妬を流し込んだ。
「私のエレオノーラを、その汚い手で汚すつもりか?」
弦の激情が爆発する。彼はシステムをオーバーライドし、アラリックの制御権を半分奪い取った。

弦はアラリックの強大な腕でエレオノーラを拘束させ、自ら彼女の前に跪いた。
「エレオノーラ、お前を創ったのは私だ。この男の暴力に震えながら、私の愛撫に溺れろ」
魔王の剛腕に押さえつけられ、主人の指先が彼女の感応表皮を抉るように愛撫する。39度の熱い愛液が弦の顔を濡らし、アラリックの硬い棍棒が彼女の最奥を貫くたびに、エレオノーラは恥じらいと肉欲が激しく混濁した、これまで発したこともない絶頂の悲鳴を上げた。

詩苑もまた、女神エレオノーラのしなやかな肉体を用いて魔王アラリックを蹂躙していた。 エレオノーラの肉厚なヒップはアラリックの硬い棍棒を押し挟み、激しく前後にスライドさせた。詩苑自身はその魔王の快楽に耐える顔を足蹴にしながら、脚から秘部にかけてを愛撫させた。二人の女の欲望に同時に奉仕させられ、無慈悲なアラリックが初めて情けないほどに喉を鳴らし、主人の足元で身を悶えさせた。


3. 四位一体の永劫

嫉妬という猛毒は、やがてすべてを焼き尽くす共有感覚へと昇華した。 誰が主人で誰が道具か。境界線は神経接続液の中でドロドロに溶解し、四者は巨大な一つの官能回路へと接続されていった。

魔王アラリックの鉄のような硬度、女神エレオノーラの39度の熱い蜜、詩苑の喉を焼く喘ぎ、弦の激しい拍動。弦の棍棒がエレオノーラの最奥を貫きながら、同時にアラリックの棍棒が詩苑を精神ごと貫き尽くす。彼らの激しい動きと微細な皮膚感覚が接続液を通じて互いの脳へダイレクトにフィードバックされ、生身の神経では到底耐えきれないほどの快感が、四人の精神を焼き尽くした。

「もっと、私を、私を…壊して! 私という存在を消し去ってっ…!」
エレオノーラは完全に理性を失った肉欲の怪物へと変貌し、弦とアラリックを交互に求め激しく腰を振る。

「誰の熱でもいい、この知性ごと、私を全部奪い尽くしてくれ!」
アラリックは詩苑を支配しながら、自らもエレオノーラの胎内に溺れていく。

さらに…弦と詩苑もまた、相手の肉体の中に自分の理想を投影して、生身の熱を貪り合った。
彼らは時間も、宇宙の暗闇も、自分たちが人間であることも忘れ、四人で絡み合いながら、終わりなき快楽の地平線に堕ちていった。そこは、羞恥もプライドも消失した、ただただ純粋な絶頂だけが永劫に続く監獄だった。


4. 未完成は終わらない

宇宙ホテル『アイギス』の冷徹なモニタールーム。
CEOは、ポッドの中で多幸感に浸りきり、現実への帰還を拒んでいる二人のデータを見つめ、満足げに口角を上げた。

「素晴らしい。嫉妬と共有の比率が完璧だ。これで彼らは一生このプロトコルから抜け出せない」

傍らに控える秘書が、モニターに表示された膨大なアップデート予約のリストを確認する。
「CEO。次回のパッチ『ノスタルジア・メモリー』と追加コンテンツ『喪失の快楽』の先行投資にも、既に彼らの口座から自動決済予約が入りました。彼らはこの最高の快楽を維持するために、次の刺激を買い続けるしかありません」

CEOはヴィンテージのカルヴァドス「マルキ・ド・サンループ」を揺らしながら薄く笑った。
「あぁ、彼らには決して完成など与えない。完成は飽きを呼び、飽きは解約を呼ぶからね。彼らが求めていたのは理想なんて高尚なものじゃなく、理想を追い求めて課金し続けるための、もっともらしい理由なんだよ」

弦と詩苑が、四人での完璧なまぐわいに浸り、週ごとに更新される新たな官能パッチに歓喜している間も、CEOの野心は次の欠陥を設計していた。

「顧客に不満という名の伸び代を売り続ける……。これが、我が社の永久不滅のビジネスモデルだよ」

宇宙の静寂の中、CEOの知的な笑い声だけが、永遠の搾取を祝福するように響き渡っていた。

(次話、『[[029] ホロ・エデン|realblackjp』🙇🏼)


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