「20代の全力を、この組織にフルベットする」──大手金融系企業からmenu事業企画へ。事業を創る“当事者”としての想い
「仕事に誇りを持って、キラキラと働きたい」 そんな真っ直ぐな想いを胸に、日本を代表する大手企業から、デリバリー市場のカオスな最前線へと飛び込んだYasuharaさん。
menu株式会社の事業企画として、入社わずか数ヶ月で大規模な投資計画を動かし、経営陣や社内の中心人物と議論を行なってきました。彼はなぜ、安定したキャリアを捨ててまで、この「正解のない戦い」を選んだのか。
自らのコンフォートゾーンを抜け出し、組織に命を預ける覚悟を決めた彼が見据える、日本発・デリバリー&テイクアウトサービスの未来に迫ります。
「保守的だった自分」との決別。大手企業からベンチャーへ舵を切った理由
── Yasuharaさんは京都大学の法学部出身ですよね。新卒では大手金融系の誰もが知る企業に入社されているかと思います。当時はどのようなキャリア観を持っていたのでしょうか?
正直にお話しすると、当時はかなり保守的でミーハーな学生でした(笑)。ベンチャー企業は選択肢には一切なく、インターンも「一時の感情に流されてはいけない」とどこか冷めた目で見ていたんです。新卒の切符を使って誰もが知る大企業に行けば、まあ何とかなるだろう、と。
── そんなYasuharaさんが、なぜ転職を考えるようになったのですか?
入社してみると、金融業界特有の「ルール」に縛られることが多く、自分が本当にやりたいことに挑戦できるまで長い道のりになると感じました。
平日の大半を捧げる仕事なら、もっと熱量を持って、誇りに思えることがしたい。「俺はこれをやってるんだ!」と胸を張って言いたい。そう思った時に、かつては見ていなかったスタートアップやベンチャーという世界が、選択肢としてみえてきました。
入社2ヶ月で投資計画を策定。想像を超えた「裁量権」の正体
── 転職活動ではコンサルなども検討されていたそうですが、最終的にmenuを選んだ決め手は何だったのでしょうか。
最後は「コンフォートゾーンを抜ける」という自分の信条に従いました。コンサルティング業界であれば周りにも携わっている方が多く想像がつきますが、menuの事業企画は、今の自分では想像できないような高い視座と大きな裁量があると感じたんです。
声をかけてくれた大学の先輩や、二ノ宮さん(menu株式会社 代表取締役副社長兼CEO)とお話しした際、皆さん「世界一の企業へ」という目標を、青臭くなく、本気で語っていた。その姿がとにかく格好良くて。「この人たちに自分の人生を預けてみたい」と感じました。
── 実際に入社してみて、ギャップはありましたか?
「裁量が大きすぎないか?」と驚きました(笑)。入社して2、3ヶ月目には、「来月の投資計画を組んでみて」と言われて。多額の資金が動く起案のベースを、20代の事業企画の経験もない自分がゼロから作るんです。
もちろん、最初はトライ&エラーの連続でした。でも、単なる作業としての数字作りではなく、自分の提案が経営判断に直結し、会社を動かしているという手応えは、今まで味わえなかった感覚です。

評論家はいらない。事業企画を「電卓叩き」にしないための真のオーナーシップ
── 事業企画というポジションは、数字を扱う冷静さが求められる一方で、各部署との調整など泥臭い面も多いかと思います。Yasuharaさんが仕事をする上で、特に「やりがい」を感じる瞬間はどこにありますか?
自分が策定した「中期計画」が承認され、実際に巨大なリソースが動き出した瞬間ですね。事業企画のミッションは、単に数値を予測することではありません。投資家や経営陣の期待を汲み取り、それを具体的なアクションプランに落とし込み、リソースを獲得して事業を拡大させる。
このプロセスにおいて最も重要なのが「オーナーシップ」です。事業企画は、下手をするとただの「計算機」や「電卓叩き」になってしまう。もし自分にオーナーシップがなければ、上がってきた数字を並べるだけの“作業”になってしまい、そこに介在価値は生まれません。
── 「計算機」にならないために、具体的に意識していることはありますか?
「この数字の結果に責任を持つのは自分だ」と強く自覚することです。例えば、他部署から上がってきた見込み数値が目標に届いていない時、それを「部署の問題」として報告するのではなく、「会社のミッション達成を阻む壁」として捉える。
なぜこの数字なのか、背景にある現場の動きはどうなっているのか。自分から泥臭くヒアリングしに行き、目線を合わせる。背景を共有せずに数字だけを動かそうとしても、現場は動きません。「この目標のために、今これが必要なんです」と、背景まで丁寧に伝えて巻き込んでいく。その調整の先に、大きな金額が動く投資が現実のものとなる瞬間の達成感は、何物にも代えがたいですね。
失敗が教えてくれた「当事者」の重み。数字の裏側にある現場を動かす意志
── その「オーナーシップ」という価値観は、入社当初から持っていたものなのですか?
いえ、この1年間の失敗と経験を通じて磨かれたものです。入社3ヶ月目、年間の営業利益を合わせなければならない重要な局面で、私は大きな失敗をしました。その時、当時の上長であるKuriharaさんから「一番困るのは自分なんだから、もっと旗を振って、気づいたならアラートを上げるべきだ」と厳しくも愛のある指摘をいただいたんです。
── 失敗を経て、何が変わったのでしょうか。
「言い訳はできない」という覚悟が決まりました。この会社は、自分がやりたいと思ったことは基本的にやらせてもらえる環境です。だからこそ、うまくいかなかった時に「誰かのせい」にはできない。
「現場から情報が上がってこなかったから予測を外した」ではなく、「情報を取りに行かなかった自分の責任だ」と考える。そうやってすべての事象に当事者意識を持つようになってから、仕事が劇的に楽しくなりました。自分がオーナーとして動けば、周りのVP(部長職)や経営陣も本気で応えてくれる。事業企画という「直接何かを製造したり配送したりしない」ポジションだからこそ、誰よりも強いオーナーシップを持って周囲をリードしなければならない。それが今、僕がこの場所で働く誇りになっています。

土壇場の爆発力。menuという組織が持つ、泥臭くも美しい一体感
── menuという組織の「らしさ」を感じる瞬間はありますか?
追い込まれた時の「爆発力」と「一体感」です。これは本当にすごい。
目標達成が危うい局面で、私が「このままだとやばいです」とアラートを出し、相談しに行った時のことです。各部署が「じゃあ、私たちはこんな施策を打ちます」と提案し、デザイナーやエンジニアを巻き込んで、「すぐにこの機能を実装しましょう」と、猛烈なスピードで動き出したんです。
── 組織が大きくなっても、そのベンチャー精神は失われていないのですね。
はい。単にスピードが速いだけでなく、全員が「勝つこと」に対して強烈な執着を持っている。競合は巨大な外資系企業ですが、私たちは「日本発」として負けていられないという意地があるんです。その土壇場での団結力や、泥臭くも美しい一体感があるからこそ、このカオスな市場でも戦い続けられるんだと確信しています。
日本発のサービスで、日本の生活を支える。20代をフルベットする価値
── 最後に、Yasuharaさんのこれからの展望を教えてください。
デリバリー市場でmenuが日本一を獲ること。これに尽きます。
外資系が強いこの業界で、日本発のサービスが日本人の生活を支え、より豊かにしていく。そして、デリバリーによって生まれた「時間」が、人々の生活をさらに好転させていく。その未来を自分の手で作ることに、今の僕のすべてを注ぎ込んでいます。
── これからmenuやレアゾンを目指す若手の方々へメッセージをお願いします。
自分一人でできることには限界があります。だからこそ、自分が信じられる組織に、信頼できる仲間に、自分の命を預けるつもりで「フルベット」してみる。
今の自分に何ができるかは重要ではありません。それよりも「この事業を、この組織を、自分が成長させてみせる」という気概があるか。自分のやっていることに誇りを持ち、全力で走り抜けたい。そんな熱意を持った方と一緒に、このカオスな正念場を勝ち抜きたいと思っています。

Yasuharaさんのお話を聞いて印象的だったのは、「組織に命を預けている」という言葉の重みでした。論理的な思考を持ちながらも、その根底には「仲間のために、事業のために」という熱いオーナーシップがある。そんな彼の姿は、まさにレアゾンHDのvaluesを体現していました。
