飲食アルバイト50代お局様!!第19話 キレたはいいがわからないときは誰を頼れば?
ついにお局様にキレてしまった・・・
それにしても狭いパントリーですれ違うたび「ちょっとじゃま!」「どいてくんない?」と怒気をはらんだ声で当たってきて仕事しにくいったらありゃしない。
怒りと恐怖で手が震えてトレンチが持てない。
トレンチをひっくり返してソファーから床まで水浸しで余計な仕事が増える。
所詮お局の才能がある人に対抗しても凡人の私は平常心も保てない。
情けない。帰りたい。もう仕事したくない。
近くに来た社長に話す。
「一号さんにキレちゃいました。もうだめです。手が震えてトレンチが持てません。」
社長はこう返す。
「気にしない、気にしない。」
気にしない、気にしない・・・・・・・・・・・・・・・・
気になるって‼
無理だって‼
涙をこらえながらお客さんが帰った後のテーブルを片付ける。
何かを察したバングラ人のアリフさんが
「大丈夫?一号さん良くないよー」
と言って私が下げ物をしているテーブルを拭いてくれた。
うう・・・こういう時の優しさって沁みるんだよね。ありがとう。
それにしても困った。ホールスタッフは私と一号さんと社長しかいないのだ。私はまだわからないことが多い。社長に聞こうにもそばにいないことが多い。どうしても一号さんに聞かなくてはいけなくなる。デザートのセッティング、使うフォークやスプーンの種類、エスプレッソマシーンの使い方、オーダーを取るたびに初めてのメニューを取るたびに疑問が出てくる。
わからないから聞きたい。
どうしよう・・・。もうだめだ・・・。時間がない・・・。
仕方ない。
嫌だけど一号さんに謝ろう。
私全く悪くないけど、謝るしかない。
こんな狭い空間でギスギスしたまま仕事できないし。
ちょうど社長と一号さんがパントリーにいる。こういうパフォーマンスは社長の前でやらなきゃ意味が無いからね。
私は一号さんと社長の前で深く頭を下げて言った。
「一号さん、先ほどは申し訳ございませんでした!」

一号さんは驚きつつも笑みがこぼれている。その時社長からまたしても衝撃の言葉が漏れいでた・・・。
「どっちもお互い様。」
ぉ、おい・・・。どこがお互い様?
私はずぅーーーーーっとお局一号にいじめられてたっちゅーねぇーーーん‼
私は!悪くない!
納得いかないっ!
全く納得いかないっっっ!
こんな屈辱的な仕打ちってあるだろうか・・・。とりあえず一号の態度は軟化したが私の心は新たな傷を負った。
なぜ私が謝らないといけないのよ。
社長も全然私の見方してくれないし。
恐怖と不安の涙だったのが後悔と情けなさの涙に変わり労働を続けた。
(つづく)
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