折々のチェスのレシピ(780)華麗なる手筋
d6にポーンを進めさせてしまったことから、黒が端にナイトの活路を求めてきた局面です。

この手は悪手というよりむしろ敗着級の一手です。なぜなら、

取られてしまうからです。

こうして取り返せばマイナーピースの交換じゃないかと高を括っていると、

水面下でもう対応が不可能になっています。このナイトってタダですかと思って取ってしまうと、

万事休すです。このナイトを取らなくても状況が好転するわけではありません。
チェスの指南書の類で、端のファイルにナイトを展開するのは基本的にはよくないと解説されることがあるかと思いますが、それはこうした手筋が発生しやすいこともその理由のひとつです。
相手のナイトが端のファイルに展開したら、こうした技が決まるのではないか?と一旦読みを入れるとあっという間に勝てる対局も多いです。
また、相手のナイトを端に跳ばすような駒組みを(可能であれば)序盤から視野に入れて作っていくことができるようになると、チェスでかなり熟練した証拠です。
ただし、端のファイルに毒饅頭としてナイトを設置する技もあるので注意が必要です。
自分にはまだ高度な技術など無理と考えている人にこそ読んでもらいたいのが本書『チェス 華麗なる手筋: 再現可能な美技の数々』です。なぜなら、「7 腰の据わった読み込み」で書いたように、華麗な手筋というのは何気ない局面にそれと気づかずに埋もれていることが多いからです。初学者が指すチェスにも、中級者が指すチェスにも、必ずどこかに美技が生まれる局面は埋もれているものです。それに気づくヒントを解説したのが本書です。
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