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大人は好き嫌いを「実験」で克服する―わたしは豆腐マイスターのレシピ本で、まいにち豆腐を食べたくなれるか

子どもの頃から、ずっと好き嫌いの悩みを抱えている食べ物はありますか?

わたしは「豆腐」がそれにあたります。周りの大人から「体にいいのよ」と何度聞かされても、自分からすすんで食べようとは思えませんでした。

大人になって、食べられないわけではないけれど、買い物かごに入れることもなく、食卓に並ぶこともほぼありません。

それでも最近は、歳を重ねるごとに健康のありがたみが増していくようになって、ヘルシーな豆腐を食生活に取り入れたほうがいいのでは?という気持ちがどんどんふくらんでいきました。

大人になっても残っている豆腐への苦手意識を、レシピ本の力で克服したい。

きょうは、そんな気持ちで手に取った『まいにち豆腐レシピ』という本をご紹介します。


『まいにち豆腐レシピ』って、どんな本?

1年に1000食以上豆腐を食べる「豆腐マイスター」が執筆

著者は豆腐マイスターの資格を持ち、国内外で豆腐の魅力を広める活動をしている工藤詩織さん。幼いころから豆中心の食生活を送る無類の豆腐好きで「年間1000食以上豆腐を食べている」と書いてありました。

本書を知ったのは1年ほど前、場所は書店だったでしょうか。写真ではないイラストの表紙が、料理写真がずらりと並ぶ料理本コーナーの中で目立って見えて印象に残っていました。

その時は一度手に取ったものの「気になるけど、豆腐かぁ…」と棚に戻し、帰宅の途中で「気になるレシピ本」のメモに書名を控えておくに留めていました。

今回、豆腐を好きになろう!と決めた際にそのメモを思い出し、ようやく自宅に本を迎えることとなったのです。

レシピだけでなく知識も深められる、豆腐のバイブル

本書は、単に豆腐のレシピをたくさん紹介する本ではありません。

まずは「豆腐のいろは」と題した「豆腐とは何か?」の授業のようなページから始まります。

身近な食材のつもりでいたのに、知らなかったことがいくつも出てきて、読み始めからひきこまれてしまいました。
そうして、ようやく1品目のレシピ紹介へと続きます。

豆腐を知識面からも理解したうえで、おいしくいただく。レシピだけではなく、読み物としても充実している「豆腐のバイブル」的な一冊なのです。

大人は「好き嫌い」とこう向き合う

子どもの頃の好き嫌いは、食材をすりおろして食感を変えたり、子どもの好む調味料で味や匂いを隠したりと、「目をそらす、隠す」ことに工夫を凝らして克服することが多いですよね。

しかし、大人になってからは、そうした手段をとることはほとんどないと思います。

むしろ逆に「目をこらす」やり方で、食材の特徴や自分が苦手なポイントを頭で理解しながら、仮説と検証をくり返し、なかば実験のように克服していくのが、わたしに合っているように感じています。

そのための参考書として、本書はぴったりの一冊であると、実際に手にとってみて思いました。

きょうのレシピのしおり「ベイクド豆腐」

わたしが豆腐をなかなか食べられない理由について、頭の中でひとつの仮説を立ててみました。

その仮説とは「水分の多い豆腐が苦手なのでは?」ということ。

冷奴を食べる時に、豆腐からしみ出してくるあの水分。お醤油の味が薄くなってしまうし、口の中に薄い豆の味が広がるのが、子どもの頃に豆腐を遠ざけた理由であったように思うのです。

水切りをした豆腐はそれほど嫌に感じないこと、またスープや味噌汁に入っている豆腐は抵抗なく食べられることから、この仮説にたどりつきました。

それならば、豆腐の水分を飛ばして食べる実験をしてみたい。

そんな気持ちで、豆腐をオーブンで焼いた「ベイクド豆腐」を作ってみることにしました。

切って、オーブンで焼くだけ

まずは木綿豆腐を角切りにして、オーブンペーパーを敷いた天板に並べます。

全体にまんべんなく塩をかけたら、予熱しておいたオーブンへ。

小さな豆腐たちをじっくりと焼いていきます。表面から水分が飛んでいくので、丁寧に作りたい場合は途中でひっくり返してもいいかもしれません。

焼きあがった豆腐は、水分が抜けてひとまわり小さくなっていました。指でつまんでも手は濡れず、押しても形がくずれないくらいにしっかりとしています。

焼き上がりをひとくち。正直な感想

表面がうっすら色づき、見た目はチーズのようです。

ひとくち食べてみると、水分が少ないねっとりした食感とともに、大豆の味わいが口に広がりました。

この大豆の味、冷奴で感じてきた「いやな豆の味」とはまったく別物でした。

ぎゅっと濃縮された豆の味とまぶした塩の味、そこにオーブンで焼いたことの香ばしさが加わって、ナッツのような味わいに変化していました。

これなら無理なく食べられそう。一品めからこんなにうまくいくとは、正直予想外です。

いつも夕方に小腹がすいた時、チーズやゆで卵を食べていましたが、この豆腐をつまんでもいいかも。そんな感想を持ちました。

サラダやご飯ものへのアレンジも

本では、ベイクド豆腐を使ったサラダと、豆腐ライスの2品がアレンジ例として紹介されています。

ちょうど調理撮影で使ったサラダ野菜がたくさんあったので皿に盛り、ベイクド豆腐を散らしてサラダ仕立てにしてみました。

食べてみると、野菜のシャキシャキの合間にベイクド豆腐のねっとりした食感、濃い豆の味が感じられて、野菜だけのサラダより食べ応えが増しています。

本ではピーナッツ風味のドレッシングをかけていましたが、ごまドレッシングでもおいしく食べられましたよ。

『まいにち豆腐』となるか、実験は続く

本書にはベーシックな豆腐料理のほかに、日本の各地や世界で食べられている豆腐メニュー、豆腐スイーツなど多彩なレシピが紹介されています。

気になったレシピを続けて作りながら豆腐と仲良くなり、家の冷蔵庫に豆腐を常備するまでに好きになれたらいいなと思っています。

豆腐好きな方はもちろん、わたしのように「豆腐といまいち仲良くなれない、けど食べたほうがいいと思っている」という方にもおすすめの一冊です。

📘 書籍情報

書名:まいにち豆腐レシピ
著者:工藤 詩織
出版社:池田書店(発売日:2020年11月4日)
ページ数:159ページ
ISBN:978-4-262-13055-2


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