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【家にサル!?】カラスにミミズを飲まされるノーベル賞学者のぶっ飛び動物記『ソロモンの指環』

ソロモン王って大昔の物語で、たしか聖書にでてくる王様です。

この王様は、動物の言葉がわかる魔法のソロモンの指環を持っていたという伝説があります。

今日紹介する本『ソロモンの指環』のタイトルは、この伝説にちなんで名付けられたんですね。

オーストリアの動物学者コンラート・ローレンツという人が1949年に書きました。

彼は、動物たちを狭い檻に閉じ込めるのではなく、自分の家や庭で自由に生活させる、ということをしたんです。

そうやって動物のありのままの姿をじっくり観察することで、なんと動物たちの言葉や心を理解することに成功したのです。

この本は、そんなローレンツの家で起きた動物たちとのユーモアあふれる日常と、そこから発見された驚くべき科学の真理を描いた、世界中で愛される名著。

皆さんにも手に取ってみてほしいので、今日はこの本を詳しく紹介します。


コンラート・ローレンツについてちょっと解説

ローレンツは動物行動学(動物の行動の意味や、進化の歴史を研究する学問)の基礎を作った偉大な科学者です。

その功績により、1973年にはノーベル生理学・医学賞を受賞しました。

彼の家は、放し飼いの鳥や犬、魚やサルなどでいつも大混乱でした 。

てか家にサルが放し飼いってどういう状況なんでしょうか。笑

しかし、その自由すぎる環境だからこそ、動物たちの本来の賢さや不思議な習性を発見できたのです。

ノーベル賞取れるくらいの人はやっぱぶっ飛んでますね。笑

面白くてビックリなエピソード

この本の一番の魅力は、動物たちとのエピソードです。

ちょっとだけ代表的なものを紹介します。

  • ガチョウの「お母さん」になった話

卵から孵ったばかりのハイイロガンのヒナ「マルティナ」は、最初に動くローレンツを見たため、彼を本当のお母さんだと思い込みました。

ローレンツが動くと、ヒナはどこへでもついていきます。

この「生まれて最初に見た動くものを親だと思い込む」現象は刷り込み(インプリンティング)と呼ばれ、この本で最も有名な発見の一つです。

そうなんです、今では有名なこのことは彼が発見したんです。

  • 恋するコクマルガラス

カラスの仲間であるコクマルガラスは、とても頭が良く、人間のように複雑な社会のルールを持っています。

彼らは鳴き声で「一緒に飛ぼう」「家に帰ろう」とコミュニケーションをとります。

あるオスはローレンツを仲間だと思い込み、愛のプレゼントとして噛み砕いたミミズをローレンツの口に無理やり押し込もうとしました。

いや困りますね。笑

  • 道を知りすぎたカワネズミ

カワネズミは、いつも通る道の障害物の場所を「筋肉の記憶」として完全に覚えます。

そのため、通り道にあった石を人間がどかしても、何もない空中で「石を飛び越えるジャンプ」をしてしまうという、ちょっと間抜けで不思議な習性を持っています。

  • 平和に見える水槽の残酷なドラマ

金魚鉢や水槽の中は平和に見えますが、ローレンツが観察すると全く違いました。

限られた空間の中では、魚や水生昆虫たちの間で激しい縄張り争いや、命がけの戦いが繰り広げられているのです。

犬についての面白い仮説

犬が人間とどうやって友達になったのかについても書かれています。

ローレンツは当時、犬の祖先にはオオカミから進化したものと、ジャッカルから進化したものの2種類がいると考えていました。

ジャッカル系の犬は人懐っこく、オオカミ系の犬は一人の主人にだけ忠実だと考えたのです。

現在ではDNAの研究が進み、すべての犬の祖先はオオカミであることが分かっており、この仮説は訂正されていますが 、ローレンツの犬への深い愛情と観察眼が伝わってくる内容です。

オオカミが教えてくれる人への警告

恐ろしい牙を持つオオカミは、仲間同士のケンカで相手を殺してしまうことはめったにありません。

なぜなら、オオカミは負けを認めるとき、一番の急所であるを相手に差し出すから。

すると、勝ったオオカミは本能にブレーキがかかり、それ以上噛み付くことができなくなるのです。

人間はオオカミのような鋭い牙を持たないため、進化の過程で相手を殺すのを思いとどまる強い本能(ブレーキ)を発達させませんでした。

そして、人間はこのオオカミみたいなブレーキを持たないまま進化した結果、科学の力で大量破壊兵器を作ってしまいました。

ローレンツは、人間のこの武器と本能のブレーキのアンバランスさが、戦争という悲劇を生むんだ、と書いているんです。

動物を愛するすべての人へ

ちなみにローレンツは第二次世界大戦中、一時期ナチスに協力してしまったという暗い過去を持っており、後年そのことを深く反省しました。

これは、どんなに偉大な科学者でも時代の間違いに巻き込まれることがあるという歴史の教訓となっています。

ソロモンの指環は、ただ動物が可愛いと甘やかすのではなく、動物を飼うことの責任や大変さもきちんと描いています。

専門知識がなくても楽しく読めて、自然や生命に対する温かさと深い尊敬に溢れた一冊。

読めばきっと、明日から動物やペットを見る目が変わるはずです。

子どもから大人まで、動物好きに全員読んでほしい名著です。


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