南伊豆温泉日記#11 製造から146年 悠久の時を刻む榧風呂
伊豆の踊り子の宿 福田家
日本秘湯を守る会の会員さんであられます。
古い旅館で、創業は明治12年。
車で直接アクセスすることができず、対岸の駐車場に車を置いて、
徒歩で橋を渡って行く。

橋から見える佇まいがすでに物語。

川端康成が宿泊し、小説「伊豆の踊り子」の舞台となった場所。
映画のロケにも何度も使われたそう。
概要
泉質
カルシウムーナトリウム硫酸塩泉
泉温53.6℃ pH 8.4の弱アルカリ性
施設
男湯と女湯は時間制。
日帰り湯も貸切など、システムがあるらしかったけど、
到着が遅かったので宿泊客の風呂に合わせて使わせてもらった。
榧(かや)風呂と岩風呂+露天風呂があり、
その日は榧風呂が女湯で、岩風呂+露天風呂が男湯だった。
榧風呂は受付のすぐ先で、暖簾をくぐるとそこが脱衣所

着替えている時に開いたら丸見えなくらい、小さくて簡易なつくり。
ロッカーなし

榧(かや)風呂
脱衣所を開けるといきなり階段の踊り場で、
お風呂は階下。
そこから見下ろすと、真ん中にほぼ正方形の湯船

榧風呂とは何か
この浴槽が床まで含め全て木製で、榧の木でできている。

榧はイチイ科の針葉樹で、
耐久性やツヤのある目の詰まった見栄え、芳香などの点から、
最高級の木材とされ、将棋盤や碁盤にも使われる。
(某鑑定番組で、榧の将棋盤が240万円と評価されたのを見た)
さらに、日本では生産量が少ないため、
榧の浴槽は「まぼろし」とも言われるそう。
その耐久性は素晴らしく、檜風呂の寿命が普通10年くらいなのに対して、
福田家の榧風呂は明治12年(1879年)のものがそのまま使われているので、
146年経った今も湯船として機能していることになる。
榧風呂ってすごい・・・!
そして、南伊豆のポテンシャルもすごい・・・!
それで、お風呂は・・・
壁には可愛いタイル

洗い場は隅に一カ所だけで、いいシャワーがついていた。
(湯船を挟んで反対側の壁に、幅が狭く、長い棚がついているので、
そこを使えば掛け湯で洗えるのかな?)
クマザサのシャンプー、リンス、トリートメント(日本秘湯を守る会)
が置いてある。

湯口にのところに、蒸し器のような木の蓋がついており、
コップがあるので、蓋を開けて飲泉してみる。
薄ーく塩味?

お湯はやっぱり熱め。気持ちがいい
湯触りはサラッとしていた。

湯船に浸かって、顔を上げると、高いところに窓
空が覗ける
夕方の薄明かりの中で入るのが、また落ち着く
途中から貸切状態になって、ずっと入っていたいような気持ちがした。
熱くても、入り飽きない、趣あるお風呂。

魅惑の地元湯
川を挟んで向かい側に地元の共同浴場がある。

昔(川端康成時代)は、榧風呂からここが覗けとか。
向かいの地元湯は、ちょうど誰もいなかったため
入り口の写真を撮らせていただいた。
現在は「外来者の入浴はご遠慮下さい」と貼り紙がされている。

共同浴場余談
ツレが南伊豆で勤務するようになって始めたnoteであり、「南伊豆温泉日記」です。
そのツレが南伊豆の地元の方に聞いたお話。
その方の地元にも共同浴場があっため、その方が子供の頃は、
家にはお風呂がなく、共同浴場を使っていたそうです。
夜遅かろうが、雨が降ろうが、寒かろうが、お風呂に入るためには共同浴場まで出かけなければならなかった。
それが、その方のお兄さんが高校で運動部に入ったことで、家にシャワーがついたそうです。
それで、すごく楽になったとか。
観光客の私たちにとっては風情ある共同浴場も、地元の方にとっては生活。
毎日温泉に入れる幸福だけでなく、
いちいち出かけなくてはならない不便さや、維持管理の負担。
そこで誰かと行き交う温かみと、煩わしさ。
南伊豆の暮らしを少し、教えてもらいました。
野ケ湯温泉 伊豆踊り子の宿 福田家
住所 静岡県賀茂郡河津町湯ケ野236
営業時間 10:30〜17:00(日帰り入浴の場合)
定休日 無し(臨時休業あり)
駐車場 有 福田屋第2駐車場、 野ヶ湯町営駐車場
料金 990円
その他 シャンプー、トリートメント、ボディソープ有り
ドライヤー無し

