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甲州街道はもう秋なのさ

「このレコードは素晴らしすぎて販売
 できません」
↑は88年RCのアルバム「カバーズ」を発売中止
にした際の東芝EMIの広告だった。 
「このレコードは素晴らしい曲が
 多すぎて気軽には聴けません」 
と個人的に言いたくなるのが、RCの初期の名盤
「シングルマン」の数々の名曲。
あまりにも生々しい、というか
真に迫りすぎるのだ、清志郎の言葉が。 
できれば思い出したくない感情を
引っ張り出されるような感覚といえば
いいだろうか。
それは「甲州街道はもう秋なのさ」を
聴けばわかる。
この曲を聴いて撃ち抜かれる感覚は、
あまりにも真に迫ったドキュメント作品を観て
心身ともに疲れ果てるのに似ている。
芸術とは本来そういうものかもしれないが、
苦々しい真実ほど、ファンタジーという糖衣錠でくるまった状態で触れた方がいいことが
あるのも事実。
清志郎も、このままじゃ売れないと思い、
「シングルマン」以降は、バンド形式に編成し、
エンターテイナー性を大胆に楽曲にも、
ステージパフォーマンスにも導入する活動に
舵を取る。

アレンジでは、プロデューサーとは、
かなりやりあったそうだが、
清志郎にとっての純文学のようなアルバム。
だからこそ、痛い、辛い、そして美しい。


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