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いつものところで。

なんかさあ
少しほっとしたな

また会えた。

「ねえねえ、さっきから思ってたんだけど 爪にマニキュア塗ってない?」 「ちがうの、これ保護液。 体操の先生がね、きれいでいましょうねって」 そう笑むあなたは すこし背中は曲がったけど やっぱり変わらない。

なんかさあ
今日、ちょっと颯爽としてない?
「いやいや、してないよ」 と言いながら
してるって、十分。

土曜の昼。
面白半分に、いつもと違う、梅田の裏道を、
昼難民みたいに三人でうろうろ歩く。
高架の電車を目印に どれだけ歩いたやろ。
結局行きついた先はいつものところ。
梅田大丸のなか。

やっぱりここに 最初から来ればよかったね、なんて言いながら
積もる話をして それでも足りへん。

「お茶、いかがですか?」 何度言われたやろ。
いや、まだ3回めやし。
そう呟きながら 思わず、ひとりが こうも言う。
「はい、もう出ます。」
三人で笑ってしまう。

次 行くところは、いつものところ、と
迷わず決める。
梅田の町が、にわかに近くなった。

「あんみつにしよう」
「抹茶パフェがいいかな」
いいねえ、甘いの食べよ。
ああ、あわや 振り込め詐欺にあいそうになったり
働き観の違うジェネレーションの中で すっぱり見切った家族の話をしたり
ここには書けん事、いっぱい。重い荷物もずんとある。

でもさあ
なんだろね。
こうして笑っていられるのが いちばんいい。

あ、
わたしも 爪に淡い桜色のマニキュア してみようかな。


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