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【実録】3時間でワインの虜―「ワインがわからない」を力技で乗り越える

さて前回「ワインがわからない」はヘルプを求めている言葉と言うことでその対処法を考察しました。
今回は最近あったケーススタディをお話します。
「わからない」と入ってきた50代男性のお客様がおられましたが、3時間後には「ワインってこんなに面白いんや」と言ってワインファンになってお帰りになりました。

あ、ちなみに私は夜ワインバーをしています。

さてどのような感じでこのワインの壁を瓦解したのでしょうか。
これはまあ予算の問題はありますが、しっかり「美味しいワイン」を直球でサービスしたのです。

※今回の記事は、専門用語が少し出てきますが、すべて理解しなくても大丈夫です。「こんな世界があるんだな」くらいで読んでください。

開けたワインが、下の2本どちらも北イタリアの名酒でした。
誰もが美味しいというのはあり得ないのですが、確率的に「美味しい」がいただけそうな経験値高めの方でしたので、思い切って直球勝負に出ました。

この夜に関して言えば、これが最適解だったと思います


1本目は新進気鋭のワイナリーが造る「クラシック」なワイン

記事で紹介した、今どきのエレガントなバローロはこちらバローロの新進気鋭の生産者ライネリ、バローロ初めての方にもおすすめできます#PR

どの時点で完成というのかはこれも個人の感想になるので正解はないのですが、先ほど50歳代の方が飲まれたものはイタリアを代表する名酒バローロは熟成に時間がかかるワインです。

バローロというのはイタリア ピエモンテ州の生産地区の名前です。古くからあるイタリアを代表する名酒として有名です。このバローロ地区にはたくさんの生産者がおり、このエリアで造られた「ネッビオーロ」というブドウを100%使って作ったワインがバローロを名乗れます。

今回はライネリという比較的新しい生産者のバローロです。 バローロに使われるネッビオーロというブドウは晩熟型のブドウで収穫期が遅く、これで造られたワインは渋みが強く、しっかりとした酸があり、熟成によってすべての要素がまろやかにそしてうまみに変貌を遂げていきます。その時間は銘柄やクラスにもよりますが5年から20年以上かかるともいわれています。今回のバローロは2021年とバローロを飲むにしては若いビンテージにはなりますが、果実の旨味がたっぷり出ていてエレガントでかつ熟成も可能な造り方をしており、いまの時代に即したバローロです。
このバローロをまずはひとくち...


「あ、美味い...うまいなー」

そして時間が経つにつれて味が変化していくことが「面白いー」とうなっておられました。

ワインに目覚めるのは間違いなく「感動」なのです。

ワインは不思議な飲みもので、発売直後が完成品なものと、発売してから時間をおかないと完成しないものがあります。
1000円台でも「安ウマワイン」といわれるものがあり、それはそれで素晴らしくリリース直後がほぼ完成品なので、そこから先はあまり変化は期待できません。
それとは別にある程度「熟成」という時間をかけないと完成しないワインが多くあります。
瓶詰され、さらにその瓶の中で少量の空気を使いながらワインはゆっくり成長していきます。
それは人生と同じで決して短縮することができないものなのです。瓶詰めされてから人間ができることと言ったら、適正な環境のもと熟成させてあげることぐらいです。

2本目は熟成した円熟の味わい


写真は2011年ですが現行はヴィンテージが違います。#PR

そして2本目はチンクエ ステッレ スフルサート ディ ヴァルテッリーナ ニーノ ネグリ 2011はピエモンテ州のおとなりロンバルディア州のワイン。先ほどのバローロにくらべてワインの名前が長い!
しかしワインの多くはこの名前の中に情報が隠されています。
以下は興味のある方だけお読みください。

ワインの名前を解説していくと、イタリアのロンバルディア州ヴァルテッリーナ地方で、キアヴェンナスカ(ネッビオーロの地元名)というブドウ品種を使用して生産されます。
スフルサート (Sfursat / Sforzato)イタリア語で「強化する」という意味を持ちます。これは、収穫したブドウを約100日間陰干しし、水分を飛ばして成分を凝縮させてから醸造するという特殊な製法に由来します。この技法により、アルコール度数が高く、凝縮感のある力強い味わいのワインが生まれます。
ヴァルテッリーナ (Valtellina)ワインが生産されるイタリアの特定地域(DOCG、統制保証原産地呼称)の名称です。スイス国境近くの急斜面にあるブドウ畑が特徴です。
チンクエ・ステッレ (Cinque Stelle)イタリア語で「5つ星」を意味します。これは、自社畑の中でも最高品質のブドウを厳選して造られた、ニーノ・ネグリ社の最高級品(フラッグシップ)であることを示しています。裏の意味としてはヴァルッテリーナ地域の主要5地区(インフェルノ、グルメッロ、フランチャ他)をブレンドしていることを指しています。
ニーノ・ネグリ (Nino Negri)このワインを生産しているワイナリーの名前です。

★ニーノ ネグリ社の素晴らしいHPです。ヴァルテリーナ渓谷の素晴らしい景観と実はメチャクチャ ブドウ栽培が大変な環境が動画で見れます。

このワインは、陰干しブドウ由来の凝縮した果実味と、冷涼なヴァルテッリーナの気候によるミネラル感を併せ持っており、力強さの中にも上品なコクとバランスの良さが魅力とされています。
煮込み肉料理やジビエ、熟成チーズなどと好相性です。
アルコール度数は16%にものぼりますが、干しぶどうからくる果実の凝縮感とアルコールの高さがまろやかさに繋がって、これはイタリアならではの世界観を表現したワインの一つです。

特に今回の熟成したタイプのモノは「円熟」の域には言っており、香りもフルーツの香りからより複雑な完熟したブラックチェリーやプラムの香りに、熟成によるタバコ、レザー(革)、スパイス、などの香りと重層的です。
もともと力強かったタンニンは、長い年月を経てベルベットのように滑らかになり、口当たりは極めてシルキーです。標高の高い畑由来の美しい酸味が、陰干しブドウの凝縮感と高めのアルコール(約16%)を支え、重たさを感じさせないエレガントな余韻が長く続きます。

ちょっと変化球のワインですが、おさけのキャリアが長い方にははまる場合が多いタイプのワインです。

実際、そのお客様も「これはちょっと格がちがうなー」とうなっておりました。そして3時間後にはワインの虜になられておりました。

また来てくださいね。

このように今まで体験したことのない味わいの世界と遭遇することでワインに感動し、ワインに目覚めていくことが多いと思います。

つまり「わからない」ものは体験するしかないのですが、星の数ほどあるワインのなかからワインをどうやって選ぶのか、永遠のテーマは永遠に続きそうです。

お約束:お酒は20歳になってから。飲酒運転は法律で禁止されています。

ワインと音楽の歳時記2026年2月9日


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