17 summitter 〜 1700m峰全制覇
九州で山に登る人たちの目標のひとつに「くじゅう17サミッツ」というのがあります。九州の真ん中の九重山系には1700m以上の山が全部で9峰(三俣山の5峰のうち3つの1700m峰を別々にカウントすると11峰)あって、その全てに登頂した人が「17サミッター」を名乗ってよろこぶというものです。本格的にトレランやってる人で6~10時間(カモシカ? 鳥? メキシコの走る山岳民族? スゴすぎ!)、速足で11~16時間(これもスゴイ、つーか景色見てないよね?)での One day コンプも可能らしいですが、数回にわけて登れば年寄りや子供にも可能なので、手ごろな目標として多くの九重のハイカーたちに知られています。

9サミッターでも1700サミッターでもなく17サミッターっていうネーミングがローカルっぽいでしょ? 最近見つけたネットに載ってたんですが正式なヨミはイチナナサミッターって? マジ? なんでセブンティーンじゃなくてイチナナなの?? いつごろから言われ始めたのかはわかりませんが、僕は2013年にヤマレコでこの言葉を知りました。同じ頃創刊したばかりの山雑誌「のぼろ」にも紹介されてました。その前の年から登山初心者の妻と年少の息子を連れて山登りをはじめていた我が家も、これを目標に山行計画を立てることにした次第です。それから1年、息子が6歳になるちょっと前に親子17サミッターになりました。

9峰(11峰)の名前は我々が登った順に、久住山、中岳、天狗ケ城、三俣山(南峰、Ⅳ峰、本峰)、星生山、稲星山、白口岳、北大船山、大船山。子連れの我々は好天の日を選んで日帰りで一座ずつ登頂していきます(元気な成人なら2~3座ずつ計4~5回で制覇可能)。まだ暗いうちに家を出て日の出とともに登り始め午後はなるべく早めに下山するよう計画しますが、幼稚園児の息子はよく「ぜんぜん着かんやん」「歩くの飽きた」と変顔で文句を垂れては長時間休憩を要求したり立ち止まってぺちゃくちゃおしゃべりしたりで、日没直前の下山になったことも数度。極め付けは、久住山初登頂まであと15分くらいの地点で休憩を要求するとリュックをひっくり返し、息子にとって登山より優先度がはるかに上のキョウリュウジャーのプラモデルを作り始め、結局登頂出来ずに帰ったこともあります爆笑。そんなもんリュックに入れて来た時点で確信犯やん!


とはいえ、大したトラブルもなく順調に目標をこなし、いよいよ最後に残った北大船山→大船山、、これは大変でした。この山は登山口から距離があったので子連れでの日帰りは無理。1日目は坊がつるのテン場で一泊し、翌朝ピストンしてから下山するつもりでしたが、息子、初日の夕食時に食欲がないと言い出して大好きな妖怪ウォッチカレーを半分残し明るいうちに就寝。この時点で翌日の登頂は断念しました。ところが、その晩快眠出来たらしい息子は翌朝一番に起きて「パパ、元気になったよ。大船山行くからね。今日登ったらぜんぶ登ったことになるんやろ? 早く行こう」と。ほんとに治ったのかと何度聞いても「元気。治った。登る」の一点張り。熱もなく朝食もパクパク食べたので登ることにしました。

出発してからもう一度聞いたところ「山登りは好きだけど『ああこの道めっちゃ疲れるところだぁ』って思い出しながら同じ道をもう一度歩くのは好きじゃない。今日いちばん大変な大船山の目の前まで来てるんだから、頑張って登ってこのサミットの旅を終わらせたかった」そうです。へぇー、懸案事項を片付けたがるとは、幼稚園児も大人とおんなじこと考えるんだねぇ。で、結局登ることになった大船山ですが、ピストンとは言え病み上がり?の息子にはしんどかったのか、休み休みやっとの思いで登頂。行きも帰りも予定時間をオーバーしたので大事を取って坊がつるにもう一泊することにしました(そんなこともあろうかと思って3連休に合わせて計画しててよかったー)。目標を達成した息子は、下山後坊がつる温泉に浸かるとすっかり元気回復し夕ご飯もモリモリ。その晩も熟睡し3日目はハイテンションで下山しました。

こうして晴れて17サミッターとなった我々親子ですが、その後は標高を気にせずノルマにもとらわれず行きたい山に登ったり山と同じくらい好きなキャンプにもたくさん出掛けてマイペースのアウトドアライフを楽しんできました。ちなみに一緒にサミッターになった妻は下山の翌日「私はこれで山を卒業します。この子が小さかったから一緒に登ったけど、ほんとは歩くの好きじゃないの。これからは2人で登ってね」と爆弾発言! その後妻は大好きなカウチポテトライフを突き進んでいます。息子はテニス、水泳、ラグビーなどスポーツを続けていたこともあって、小学生の間に体力は結構ついたと思います。小学校高学年になるとマイクラにはまり学習塾にも通うようになって一気にインドア少年になってしまいましたが、中学に入って生徒数が4倍に増えたのに走るのも泳ぐのも学年1位だったのが自慢でした。

我が家の親子登山のハイライトは小学校3年の夏休みに遠征した北アルプス、合戦尾根〜燕~常念~蝶の縦走でした。親子ともに事前準備をしていたので体力的な不安もなく、僕の学生時代の登山仲間(50歳前後で会社を辞めたという例の2人)も合流してくれて、全行程天候にも恵まれ非常に思い出深い素晴らしい縦走となりました。このときの最高到達点は大天井岳(2922m)なので息子は17サミッター兼2900サミッターということになります。この勢いで次はできれば槍穂や東北、北海道の山にも遠征に行きたかったのですが、間も無く僕が腰を痛めたりして体力に自信がなくなってきたし、息子も当分の間忙しいだろうから今後本格的な遠征登山のチャンスはないかもしれません。でもせめて九重か由布岳くらい一緒に登りたいものだわ。山の上でお湯沸かして一緒に珈琲飲みたい! (息子は今高2ですが未だに珈琲が飲めません謎)

(おまけ写真)



何をするにも健康が一番! 願わくば、いくつになってもハイキングが楽しめる程度の体力、筋力は維持したいものです。
