筋トレ前のストレッチは逆効果? 83本の研究で見えた科学的な答え
前回、筋トレ後のストレッチにはリカバリーの効果は期待できないという最新エビデンスをご紹介しました。
では、筋トレ前のストレッチには意味があるのでしょうか?
筋トレ前にストレッチをするのは、準備運動の定番です。けがを防いだり、筋肉を目覚めさせたりと、多くの人が習慣的に取り入れているこの行為。しかし、過去には「静的ストレッチが筋力を低下させるのではないか?」という疑問も提起されてきました。
2024年に報告されたグラーツ大学のWarnekeらのメタアナリシスでは、静的ストレッチが実際に筋力や運動能力にどのような影響を与えるのかを、過去の研究を徹底的に分析することで明らかにしています。
今回は、そのメタアナリシスの結果をもとに、最新のエビデンスにもとづいた筋トレ前のストレッチの影響について紹介します。
◆ 筋トレ前ストレッチの真相に迫る!2,000人以上の実証データ
Warnekeらは、静的ストレッチが運動直後に与える影響、いわゆる「ストレッチ誘発性筋力低下(stretch-induced force deficit)」について検証しています。対象とされたのは、18歳以上の健康な成人または若年者に関する83件の研究で、合計2012名のデータが解析されました。
評価されたのは主に次の3つのカテゴリーです。
・筋力(等尺性筋力、等速性筋力、動的筋力)
・ジャンプ能力
・スポーツパフォーマンス(スプリント、投擲など)
ストレッチの時間や部位、ストレッチ以外のウォームアップとの比較、年齢・性別などの変数も分析対象となっています。手法としては、マルチレベル・メタ分析およびロバスト分散推定が用いられ、バイアスやばらつきを考慮した結果が示されています。
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