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千字文 その1

最近、書道の方面から解説した千字文についての動画を視聴しました。
https://youtu.be/b3I3Bwvd01g

面白かったのですが、おかしなところも ありましたので、少し書いてみたくなりました。 実は「集字」という観点から、千字文の制作伝説と史実については関心があったのです。
  また、千字文の中の名文句では、上イメージ 左(国宝 真草千字文から)の「尺璧非寶、寸陰是競」が一番好きで憶えています。老人になって時間の大切さを実感するはずの連中が時間を浪費させたりしているのに触れるたびに苛立ってしまいますね。

 谷如意から小川家(第一銀行の頭取の家)へ伝わった  国宝 真草千字文(上イメージ 左)は、神戸大学の魚住教授が科学検査して真跡であって、模写本でないことを証明しています。智永が書いたかどうかは不明ですが、西川寧先生の分析(ref)を読むと、智永にもっとも近いものだといっていいでしょう。なおカラー写真ではどうしても黄色っぽくなりますが、実物はあんなに黄色が強いわけではありません。
ref 西川寧、蒋善進の真草千字文、書品250号、1976、10月号
  なお、谷如意が書いた跋は亡失しておりますが、古い焼き付け写真が残っています。
https://reijibook.exblog.jp/30199599/

  欧陽詢の千字文については、楷書千字文は、ほとんど全て偽作とされています。ref 李天馬、張伯英 「張氏法帖弁偽」
また、中西慶治 中国書道事典、木耳社
では「(欧陽詢の千字文)かなり多く流布しているが、由緒正しいものはまずない。覆刻に覆刻を重ねて眞姿を失ったものや、後人の偽託に出ずるものが多く、ほとんど見るに足るものがない。」と、さんざんな評価である。そして、「やや関心の持たれるものは小楷本である。」と言っています。
 ただし、20世紀も後半に紹介された遼寧省博物館の行書千字文(上イメージ右)は、北宋の王センの跋がついている満州国宮廷由来のもので、現在、高く評価されています。
https://youtu.be/c-4VdbOmv5U
上海博物館の特別展で現物をみた印象では、精密な模写本という感じでした。また、陽明文庫にある24字分の千字文断片(実見)

は、欧陽詢風の書風のなかなか良いものですが、孔侍中帖などと同じような紙なので、おそらく玄宗皇帝時代の精密な模写本だろうと思います。内藤湖南は欧陽詢の真跡だといったそうです。#千字文 #書道史

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