転職も独立も決められない20代へ。キャリアの方向性がないまま動くヒント
キャリアの方向性がないままでも動いていい
キャリアの方向性がはっきりしていなくても、いまの仕事を続けながら小さく動いていくことはできますし、その小さな一歩の積み重ねの中からしか、自分に合う道は見えてきません。
平日の朝、同じ時間の電車に揺られながら、なんとなくスマホで求人サイトを開いては閉じる。上司の顔を思い浮かべるとため息が出るほど嫌ではないけれど、このまま数年先まで同じ毎日が続くと想像した瞬間、胸の奥がざわつく。そんな感覚を、ぼくも何度も味わってきました。
転職してしまうほどの決定打はない。独立やフリーランスに憧れはあるけれど、自分にそれだけの力がある気もしない。今の仕事を続ける理由も、やめる理由も、どちらもはっきりとは言えない。
この文章では、そんなあいまいな場所に立っている20代のあなたが、
自分の不安がどんな種類のものなのかをざっくりつかんで
方向性が決まっていなくても「ここから動いていい」と思える土台をつくり
今日から試せる小さな実験を一つだけ持ち帰れる
ところまで一緒に歩いていきます。
転職をすすめるでも、独立を美化するでもなく、今の生活を壊さずにできる範囲の動き方を、静かに並べていきます。結論を急いで自分を追い込むのではなく、呼吸を整えるような気持ちで読んでみてください。
1分チェック あなたのキャリア不安はどのくらい積もっているか
まずは、いまの自分の状態をざっくり知るためのチェックから始めます。考え込まず、直感ではいかいいえを決めてみてください。
仕事終わりに「今日も一日よく分からないまま終わった」と感じることが多い
休日にふと「このまま3年経ったらどうなっているのかな」と不安になる
転職サイトのアプリを入れているが、ほとんど本気で応募したことはない
同年代の転職報告や独立報告を見ると、うらやましさと少しの焦りが混ざる
今の会社や仕事を「続けたい理由」より「やめる理由」の方が先に思い浮かぶ
やりたいことを聞かれても、ぱっと言葉が出てこない
自分には特別なスキルも実績もないと感じて、動く前からあきらめてしまう
はいが3つ以上ついたなら、いまのあなたは立ち止まって考えるタイミングに来ているはずです。全部はいでも、2つ以下でも、ここで自分を責める必要はありません。大事なのは、モヤモヤの存在をいったん認めて、ここからどう扱うかを決めていくことです。
このあと進んでいく中で、自分の不安がどんな形をしているのかが少しずつ見えてくるので、その整理のための入口だと思ってもらえたらうれしいです。
なぜ20代は「仕事このままでいいのか」ループにはまりやすいのか
この感覚は、あなただけのものではありません。むしろ二十代の多くが、程度の差はあれ同じ場所をぐるぐる回っています。少しだけ、背景の話をさせてください。
昔ほど、職業と人生のコースが一対一ではなくなりました。親世代のモデルは、就職して、ある程度同じ会社に勤めて、タイミングが来たら結婚して、ローンを組んで家を買う。分かりやすく言えばそんな線路でした。
一方で、今の20代が見ている世界は、あまりにも選択肢が多いです。正社員、契約、派遣、副業、フリーランス、起業、転職、地方移住、海外移住。どれも現実的な選択肢としてタイムラインに流れてきて、「あれもできる、これもできる」と頭の中だけが忙しくなっていきます。
選択肢が増えると、自分にとっての最適解を探したくなります。けれど、人生の選択肢は比較サイトのように並べられるものではありません。やってみる前から完全な答えを出そうとしてしまうと、情報を集めれば集めるほど、どの道にもリスクと不安が見えてきて、結果として足がすくんでしまいます。
もう一つの理由は、社会から受け取るメッセージのギャップです。ネットを開けば、若くしてキャリアに成功している人の話が溢れています。一方で、親や上の世代の多くは、今の会社に残ることの安心を強調します。そのどちらにも完全には共感できず、間にはさまれて動けなくなる人が増えています。
さらに言えば、日本語の世界には「我慢は美徳」という空気もまだ強く残っています。つらいと感じても、周りを見るともっときつそうに働いている人がいる。だから、自分のしんどさを大したことではないと片付けてしまいがちです。
ここでぼくが伝えたいのは、あなたの優柔不断さが個人の弱さだけで説明できるものではない、ということです。環境の側に原因がある部分もちゃんとあって、だからこそ、責めるよりも「じゃあこの環境でどう動くか」を一緒に考えた方が建設的だと、ぼくは思っています。
自分の不安がどのタイプなのかをざっくり分けてみる
モヤモヤを少し小さくする一歩目は、「なにに対して不安なのか」をざっくりでも分けてみることです。全部がごちゃごちゃに混ざっていると、どこから手をつければいいか分からなくなります。
ここでは、キャリアにまつわる不安を3つのタイプに分けてみます。自分はどこが一番近いか、ゆるく照らし合わせてみてください。
今の職場そのものがしんどいタイプ
1つ目は、今いる場所そのものがしんどいタイプです。
例えば、
長時間労働で体力が削られている
残業や休日出勤が当たり前で、趣味や勉強に使える時間がほとんどない
上司や同僚との相性が悪く、毎朝会社に向かう足取りが重い
ハラスメントや理不尽な扱いを受けているが、相談相手もいない
このタイプの大きな特徴は、「仕事の内容そのもの」よりも「環境」や「人間関係」へのストレスが大きいことです。やっている業務自体はそこまで嫌いではないけれど、この職場で続けていく未来が想像できない、という感覚が近いかもしれません。
この不安を抱えているとき、方向性を考える前に、まず生活の安全を取り戻す必要があります。本当は「次にどこへ行きたいか」を考えるフェーズに入りたいのに、毎日の消耗が激しすぎて、その余力が残っていない状態です。
将来のイメージがぼんやりしているタイプ
2つ目は、今の仕事はそこまで悪くないけれど、数年先の自分がぼんやりしているタイプです。
毎日なんとなく仕事をこなし、給料も最低限はもらえている。しかし、この会社でキャリアアップした未来を心から望んでいるかと聞かれると、自信がない。今のまま続けていけば生きてはいけると思うけれど、それ以上の意味を見いだせていない。
このタイプの大きな不安は、「これでいいと言い切る根拠がないまま、時間だけが流れていくこと」です。特別な不満がないぶん、「わざわざリスクをとるほどでもない」と自分を説得しやすい一方で、心のどこかではずっと、小さな引っかかりが残り続けます。
ぼく自身も、20代の頃はこのタイプにかなり近かったです。表面上はそこまで不満もなく、周りから見れば普通に働いている人。それでも、ふと夜中に目が覚めて「このまま35歳になった自分を想像したら、どんな顔をしているんだろう」と考えてしまう。そんな夜が続いていました。
自分への評価が低すぎるタイプ
3つ目は、「自分には何もない」という感覚が強くて動けなくなるタイプです。
特別なスキルも資格もないと思っている
これといった実績や結果を出した記憶がない
仕事で褒められた経験が少ない、もしくは覚えていない
新しいことを始める前から「どうせ続かない」とあきらめてしまう
このタイプのつらさは、外側の条件よりも、内側の声にあります。環境を変える勇気を出す前に、自分を低く見積もるクセがブレーキを踏んでしまう状態です。
本当は、「今の自分がどうか」と「これから伸びていけるか」は、まったく別の話です。けれど、過去の経験や周りからの評価が積み重なって、「自分はこの程度だ」と線を引いてしまいやすい。
3つのうち、どれか一つだけに当てはまる人もいれば、混ざっている人もいるはずです。大切なのは、どのタイプが一番強そうか、なんとなくでも見当をつけておくことです。あとで行動を考えるときに、「自分がまず手を入れるべき場所」が少し見えやすくなります。
方向性がなくても動ける人がやっている三つのこと
ここからは、「転職も独立もまだ決められない」状態のままでも、少しずつ動ける人がやっていることを三つに絞って話していきます。全部一度にやる必要はないので、いまの自分にしっくりくるものを一つだけ拾ってもらえたら十分です。
1つ目 完璧な軸ではなく「仮の軸」を決めてしまう
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