惑星ニビルは惑星じゃない
惑星ニビルをご存じですか?
昔、ゼカリア・シッチンが唱えたシュメールの神々は惑星ニビルから来た!という説のあのニビルです。
それに関するムー系のオカルト本を昔は笑い転げながら読んでいたが、最近は、あ、これちょっとマズイかも、と思いはじめている。
20世紀から今世紀にかけて、UFOや宇宙人に関する本や映画が多数世に送り出されてきた。UFOって何?という人はもはや絶滅危惧種だ。莫大な資金でもって宇宙人に関する宣伝と刷り込みはもう完了しているようだ。
昨今の古代宇宙人説といい、UFO騒動といい、都市伝説のメジャー入りといい、各国の宇宙軍創設といい、何らかの目的があって巨大なプロジェクトが進められているように思える。
この動きにはなぜかバチカンまで絡んでいる。
これからいったい何をはじめるのかな?
いや、それよりも気になっているのは、現代人には理解不能な高度な文明の遺物をすべて宇宙人のせいにしてしまう風潮だ。これは一種の思考停止である。
古代には優れた文明や科学があった証拠が世界にはたくさん残されているにもかかわらず、それらをオーパーツ扱いにして、挙句の果てには宇宙人の遺物にしてしまう。
それはおかしいし、何より、ご先祖様に対して失礼極まりない。
こういった説の土台になりかねない、古代文明の記録に宇宙人が登場するというような誤りは、いずれ現実の社会で引き起こされる大きな事件に利用されてしまうのではないかと危惧しているのだ。
だから、ちょっと書いておこうと思う。
惑星ニビルは惑星じゃないよ、と。
アヌンナキも宇宙人じゃないよ。
シッチンが唱えた説は、歴史というよりSFファンタジーである。
アヌンナキとは、天の神と人類の偉大なご先祖様たちのことだ。
天とは単純に空の上のことである。シュメール時代には現代人が思い描くような意味わからんくらい壮大な宇宙という概念はない。だから、彼らの神話には、天の上のスペースにいる神と神の使いたちか、地上の人類しか登場しないのである。
じゃあ、神々がそこから来たというニビルってどこにあるの?
───それはシュメール地方の一都市のことである。
天から地上に王権を下す神エンリルの神殿はシュメールのニブルにあった。
「ニブル」は「ニップール」とも言う。ニブルとニビル。似てるでしょ?
そこにご先祖様が集って神前会議だか宴会だかを開いていた。日本で言えば定期的に神々が集う地である出雲のような場所が、ニブルなのである。
ニビルから来た神々とは、ニブルでの会議に出席していた神々のことだ。
神々は労働を肩代わりさせるために人類を作ったというが、現在でも農業が盛んな発展途上国では、労働力を増やすために子沢山が好まれる。少しでも年長者の負担が軽くなるように。
古代のご先祖様も、土地を開墾して畑をつくり、町を築くためにたくさんの労働力を欲したのだろう。
子孫はご先祖様の奴隷なのか?
ある意味そうである。
現代でも中東世界では若者は基本的に年長者に仕える立場にある。男の子たちは小さいころから大人や年上の兄弟のパシリとしての仕事をこなす。
世界中見渡しても、子や孫が高齢の親族の面倒を見るのは当たり前だ。日本だって、若者が年金受給者を支えている。
これは悪いことではないし、なるべくしてなることでもある。
本当にヤバいのは、若者に余裕がなくなり、それを当然と思えなくなる時代の到来である。
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