母に捧ぐる唄 (東海林太郎)。
最近タブレットがダメになっていて、暫く控えておりました。やっと直って帰って来たのでまた駄弁を重ねたく存じます。今日は『母の日』という事で、東海林太郎の「母に捧ぐる唄」。サトウハチロー作詞、阿部武雄作曲で、彼の初期のナンバーではファンの間でよく知られております。昭和8年に日東レコードからデビューし、その後キングの専属になり、また同社の制作を請け負っていたポリドールからも「残る痛み」をリリースしました。それからの1年は新曲が出る毎に人気が上がって行き、特に「赤城の子守唄」「国境の町」が大ホームランとなって、ポリは嬉しい悲鳴を上げたのです。スターとなった彼の売れ線は股旅や文学歌謡、または荒野ものなどでしたが、その最中で母への感謝を込めた曲が企画されました。それが此の曲なのです🎼。
「母に捧ぐる唄」はスロータンゴのリズムで書かれており、陰旋法三番構成。静かな前奏の後で歌に入ります。一番は🎵おばこ唄うと寝かされた…と、幼少の秋田での日々が綴られ、二番では🎵風は柳に高粱に…は満鉄社員として過ごした満州の思い出。そして三番では🎵胸も裂けよと声限り…と、歌手となった東海林の決意が歌われています。伴奏はピアノ、ドラム、バイオリン、ファゴットなどで、やや室内音楽風の上品な音色は当時の流行歌に見られたカラーでした。作詞者のサトウも母には格別の思いを抱いており、戦後には「おかあさん」という詩集を刊行しております。此の歌は大ヒットとは言えないものの、東海林の歌手人生を辿る曲としては欠かせない輝きを秘めていると言えるでしょう。昭和10年3月として発売されました😀。
