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鐡の花環“われは昔のわれならず” (平井美奈子)。

平井美奈子の歌う「鐵の花環」。サトー(ウ)・ハチロー作詞、杉山はせを作曲で、極初期のキングレコードからリリースされた一曲です。暫くは“健全な流行歌”を出していたキングですが、当初は殆ど相手されずに次第に大衆性を帯びた歌をリリースするに至ります。映画主題歌も出す様になり、そこで提供したのが此の歌。帝キネ映画主題歌とありますが、此のレコが出る前に「新興キネマ」へと生まれ変わっております。主題歌は映画よりも先に世に出るのが常なので、そのまま「帝キネ」の名前がラベルに記されたのでしょう。映画は全十巻、曽根純三監督がメガホンを取り、出演は森静子、中野英二、水原玲子、松本泰輔など。昭和7年1月に常磐座で封切られました。映画の詳細は不明ですが、歌詞からして、苦難の愛に生きる女性の悲しみを描いた物語ではないかと思われます😿。

主題歌の「鐵の花環“われは昔のわれならず”」は、なんとも厳つい雰囲気漂うサブタイトルですが、その単語から推察される逞しさは皆無で、これは「あの頃の私は居ない、今は世間の荒波に負けて、私は変わってしまった」と云う、諦めを感じます。メロディはスローテンポのワルツで、サロン・ミュージックの風のアレンジ。伴奏はピアノ、バイオリン、チェロのみで特にバイオリンの音色は、平井の歌唱に寄り添う様に奏でられていました。メゾ・ソプラノで歌っており、声楽家としてマイクに向う姿勢が表れた歌声。彼女は他に「有憂華の唄」「女の唄」など、主にポリドール系で吹き込み、他コロムビアでは「なんで捨てましょ」を録音しています。彼女も世代交代の波に押され、昭和9年にはレコーディングの第一線から去った様子。A面は淡谷のり子の歌う同名主題歌でした😀。

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