【TRN】プロが『CONCH』を聴くと何が見える?【イヤホンレビュー】
自分は作編曲・ミキシング・稀にMAを仕事にしており、
仕事でも扱えるイヤホンを求めて毎週日曜日21時にレビューを投稿します。
本レビューでは、一般的な「フラットかどうか」ではなく、
実際にどの帯域が再生され、その範囲をどう整えているか を評価軸としています。
イヤホンの音を
周波数レンジ(鳴っている上下帯域幅)
周波数バランス(特定帯域が抜け落ちていないか)
定位(左右の広がりとミッド/サイドのバランス)
トランジェント(音の立ち上がり・減衰の時間軸)
この4つの軸でレビューしていきます。
今回は TRN CONCH
“色々な工夫をすると一気に良くなるイヤホン”という印象で、素のままでは評価しきれない難しさを持つ1本です。
ただ、まず最初に断っておきたいのは──
私の個体だと左の出力がほんの少しだけ強い という点です。
“初期不良”と言い切るほどではなく、誤差レベルではあるのですが、
右耳のローが相対的に少なく聴こえてしまうため、
今回のレビューは 耳を補正しながら書いています。
そのため、
今回はゆるめに読んでいただけると助かります。
という前置きをしておきます。
また、今回は以下の環境で試聴しています。
インピーダンスプラグ:30Ω
ノズル:透過タイプ
邪道と思う方もいるかもしれませんが、
この組み合わせで最も特性が安定したため採用しています。

【試聴環境・試聴楽曲】
IF:RME Fireface UCX II
再生ソフト:TIDAL(Max設定 / Exclusive Mode)
試聴楽曲は下記プレイリスト(TIDAL推奨)
https://www.tunemymusic.com/share/1nk1CCYjHw



【レンジ|TRN CONCH の再生可能帯域と設計】
レンジの評価としては 「悪くない、けれど同価格帯の競争では少し弱い」 という位置づけです。
今回の個体は左耳側のローが強く出るため、
レンジ判断は左耳基準で合わせています。
その前提で見ても、上下の帯域はやや狭めで、広さを感じられるタイプではありません。
狭いです。
高域上限あたりの解像度がかなり怪しいです。出てはいますが情報量が急に薄くなります。
総合すると、
価格帯を考慮してもレンジはやや控えめで、
同クラスの競合と比べると明確な強みになりにくい部分だと感じました。

【低域|質感は良いが量は控えめ】
低域の質感そのものは 滑らかで綺麗なのですが、
量感はかなり控えめで、ベースラインの存在感は中高域に押され気味です。
質感は良く、濁らないロー
量感は控えめで“ベース中心”の聴き方には向かない
中高域の主張が強いため相対的にローが小さく感じる
後述するように 中高域が強いチューニングなので、
相対的にローが小さく感じられる構造になっています。
【中域|すっきりとした中心帯域】
CONCH の中域は、かなり好印象なチューニングです。
全体はドンシャリ傾向に寄っているものの、
“ボーカルが浮く” という感じではなく、
程よくオケの中に溶け込みながらも、しっかりフォーカスが当たる構造になっています。
ドンシャリ寄りだが、中域が痩せない
ボーカルは“浮く”のではなく“自然に中央へ収まる”
埋もれず、過度に前にも出ない絶妙な距離感
中域が荒れず、力みもなく、
「さすがTRN」 と言いたくなる安定した仕上がりです。
【高域|ピーキーゆえの課題。しかし改善余地あり】
インピーダンスアダプタの有無で評価が大きく変わります。
【インピーダンスアダプタ使用前|中高域が暴れすぎて聴けない】
私の再生環境では、
中高域があまりにも出すぎていて“そもそも適正音量で聴けない”状態でした。
中高域が突出しすぎてバランスが崩壊
高域解像度は高くはないが、とにかくピーキー
音量を上げられず、音場も楽しめない
イヤピやノズルを色々カスタムしても改善せず
極端にビットレートが低い音源なら聴ける可能性あり
これは 中高域帯域の構造に根本的な問題があった と感じています。
【インピーダンスアダプタ(30Ω)使用後|驚くほど化ける】
30Ωアダプタを挟んだ瞬間、
別機種かと錯覚するレベルで“高級感のある音”へ変貌しました。
ピーキーに暴れていた部分が落ち着く
ハイが削れたというより“適切な位置に落ち着いた”
価格以上の質感を持つ音に変化
インピーダンスアダプタの相性は抜群です。是非試してみてほしいです。

【定位|立体的で良好】
TRN CONCH の定位は、低域以外の帯域では良好で、立体的に聴こえる場面も多いです。
音場も比較的広めに感じられ、左右の広がり自体は自然です。
ただし今回は、
右耳側のローが不足する個体差の影響で“定位の正確な検証ができない” 状態でした。
中域〜高域に関しては定位が良いと感じる
音場は広めに聴こえる
“定位は良さそうだが、ローの個体差のため今回は評価を控えめにする”
という結論になります。
【トランジェント|速い。タイト。かなり良い】
TRN CONCH のトランジェントは、
一聴してわかる速さとタイトさが魅力です。
疾走感があり、リズム帯域が軽快に走るタイプで、
個人的にもかなり好みの挙動でした。
再生機器に依存して変わるタイプではなく、
どの環境で聴いても“速め”の印象が維持される構造だと思います。
アタックが速い
タイトで締まりが良い
再生機器に依存しない速さだと思います。多分何で聞いても速め。

【作業用途での特性】
今回は特殊ケースなのでEQのみでご容赦ください。
私が作業で使うならこのようなEQをかけます。

【購入リンク】
本レビューで扱った TRN CONCH は以下から購入できます。
▶ TRN CONCH(Amazon)
【総評】
TRN CONCH は、全体として ピーキーさが強めに出るイヤホン だと感じました。
30Ωのインピーダンスプラグを追加すると落ち着きはするものの、
それでもまだ 中高域をもう一段抑えたい と思う場面があり、扱いにはやや慎重さが必要です。
ただ、その一方で 付属品が非常に豪華で、パッケージングとしての価値は十分に高い と感じました。
また、TRNには Azure Dragon、Whale Shark、BA16 など、
個人的に気になっているラインナップがまだまだあるため、
機会があればレビューしていく予定です。
今回は、私の個体が左のみ出力が強い状態で、
右耳のローが不足したまま補正しつつの試聴となったため、
どうしても“正確な検証が難しい部分”が存在します。
そのため、今回は ゆるめのレビュー として受け取っていただければ幸いです。
イヤホンレビューでは、こうした個体差に遭遇することもあり、
そのリアルも含めて丁寧に記録しておきたいと思いました。
【読者への一言】
悪くない選択肢です。Amazonで手に入れやすく、
中華イヤホンらしい王道の一本として気軽に楽しめる仕上がりになっています。
それではまた来週

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