妖精日記〜ポイ活していたら契約とカメ吉がやってきた〜
最近の私は、人生の流れというものについて考えている。
なぜなら、まったく計画通りにいかないからだ。
春頃から私は仕事をボイコットしていた。
いや、「ボイコット」というと聞こえが悪い。
正しくは「もう頑張るのやめよ〜」である。
契約を貰わなきゃ!と追い立てられていた頃は疲れてばかりだったので、
「どうせ辞めるし〜」
「ポイ活でもしよ〜」
と、仕事に対してすっかりやる気を失っていた。
気がつけばここ2ヶ月ほど、かなりの時間をポイ活に費やしていた。
ところがである。
なぜかさいきん向こうから契約の話がやってきた。しかも一件ではない。
気がつけば一週間で、 二ヶ月分のノルマを達成してしまった。
私は何もしていない。テレアポすら1件かけたかどうか、くらいである。
正確にはポイ活しかしていない。
人生とは本当に不思議である。
退職しようと思ったら契約が舞い込み、 退職できなくなったのだ。
そんな不思議な流れは仕事だけではなかった。
先日、とつぜん娘が言った。
「亀を飼いたい。」
ふーん、そうなんだ。でもわたしゃ世話できないな〜。亀は長生きだし、猫も4匹いるし。と思った三日後。
職場の同僚が言った。
「雪ん子さん、カメ飼えない?」
なんと炎天下の車道を歩いていたところを保護され、警察署に預けられた亀がいるらしい。
引き取り手が見つからなければ、 その日のうちに生ゴミとして処分されてしまうという。
なんだその急展開は。
しかも三日前に娘が亀を飼いたいと言ったばかりである。
偶然にしては出来すぎている。
娘の引き寄せなのか、それとも宇宙の采配なのか。
理由は分からないが、
「仕方ない。これはもう運命だな」
と思った。
そして我が家にやってきたのが、 目の後ろに赤い線の入ったミドリガメ。おそらく10年は生きてきたであろうという大きさ。名前は、とりあえずカメ吉。
気づけば家族が一匹増えていた。
さらに先日。
地下鉄に乗ろうとした瞬間、 バッグがドアにはさまれた。特に混んでいたわけでも通勤ラッシュでもなかった。ボーっとしていたのだ。
引っ張っていたら急にドアが開き、 私は見事に尻もちをついた。
近くのおばさんと目が合った。
そして二人で笑った。
たぶんあの時の私は、 妖精というより漫才師だったと思う。
退職しようとしたら契約が来る。
娘が亀を欲しがったら三日後に亀が来る。
電車に乗ろうとしたらドアにはさまる。
最近の人生はそんな感じだ。
自分で頑張って動かそうとしても動かないのに、
力を抜いた途端、 なぜか向こうから話がやってくる。
だから最近は思う。
人生は川みたいなものなのかもしれない。
泳いで進もうとすると疲れるけれど、流れに乗ると、 思いもよらない場所へ連れて行ってくれる。
今のところ、 その流れの先には亀がいた。
次は何が流れてくるのだろう。
ちょっと楽しみである。

