水素のクルマに未来はあるか
2014年にトヨタが世界初の燃料電池車『MIRAI』が登場してからはや11年
この10年という月日でどう進歩したのか。そして今後どうなるか。考えてみたいと思います。
水素社会の現実
トヨタの歩み方

2014年の年末。東京モーターショーで展示されたコンセプトモデルからそのままに登場した初代MIRAI JC08モードで650km走るという当時の電気自動車と比べると比較的長い距離走ること、そしてガソリン車並みの時間で満タンになるということが魅力でした。
しかし、発売当初から今に至るまで水素を使う車両が持つ課題というものが存在します。
車としての資質という側面で考えると初代MIRAIに関しては、3代目のプリウスと同じ骨格を用いて作られたということもあって、使い勝手の側面においては比較的良かった方ではありましたが、水素タンクをどうにか積まなくてはいけないという事情によって、4人乗りにせざるを得なかったこと(後に5人乗りに改良された)など燃料電池車ならではの課題はありました。
そして2020年次の世代のMIRAIが登場します。

この代からTNGAのGA-Lプラットフォームを使用することとなり、FR車になりました。(厳密にいうとFRという表記も正しくはないのですが、、、)
車としての質そのものはクラスアップしたこともあり、全体的に高まっています。
航続距離はWLTCモードと測定法が異なるため直接比較はできないものの、最長で
850kmとかなり長い距離走ることができるようになりました!
そして現会長である豊田章男氏自身が「明治維新」と銘打って開発されたクラウンの核となる『CROWN』に初めてFCEVモデルが追加されました。プラットフォームを使っていることもありできたことではありますが、乗用モデルでMIRAI以外に水素を使った市販乗用車が出たことを素直に評価すべきことだと思います。

ちなみにCROWNも航続距離は820kmとMIRAIと同等程度の数値を持っており、実用領域に関しては遜色ないと言えるでしょう。
そして2021年から始まったのが水素をエンジンで使う研究です。スーパー耐久という国内では唯一の耐久レースのST-Qクラスというクラスでトヨタは水素エンジンを搭載したカローラでレースに参加し始めました。

最初は気体水素という現行のMIRAIやCROWNで使っている、いわゆる世間一般で多く使われているタイプの水素を使っていましたが、途中から液体水素という別のタイプの水素に切り替えました。液体水素に関して簡単に説明するとガソリンと同じく液体の状態で保存している水素なので、気体水素よりも体積も減り、エネルギー効率も高く、さらにエンジンに直接燃料として使うには適していて、航続距離も比較的伸ばしやすいというメリットがあるもの。デメリットは超低温である-253度でないと管理ができないという側面があることです
また、気体水素ではあるものの、オーストラリアでは海外版のハイエースをベースに水素エンジン車両を民間会社で実証実験を行なっています。

また、福島県の福島県警察ではCROWNのFCEV仕様をベースにしたパトロールカーが寄贈されていたり

福岡県では海外版のハイエースベースのFCEV救急車と、ゴミ収集車が使われています。


また、地域に限らずFCEVのバスである『sora』が各地で運用されています。

また、パリ市内ではMIRAIのタクシーが運用されたり、トヨタの子会社である『ウーブン・バイ・トヨタ株式会社』がメインで進めている『ウーヴン・シティ』内では、水素活用を進めようと計画しています。
トヨタはあらゆる領域で水素の研究、開発、輪を広めようとしています。
ホンダの歩み方
ホンダもトヨタ同様早くから水素に関する研究開発を進めていました。多くの人の目に触れることとなり始めたのは、北米でリース販売が始まった。ホンダ『FCX CLARITY』からでしょう。

その後国内でもリース販売が始まったのがホンダの『CLARITY FUEL CELL』です。

クラリティに関しては、より広める目的で『CLARITY PHEV』というプラグイン・ハイブリッドモデルも途中追加され、PHEVモデルに関しては一般販売もされました。しかし、FCEVモデルに関してはリースのみというスタンスは変わりませんでした。
しかし、ホンダが2040年までにBEVとFCEVで販売比率100%を目指すということを掲げ、それを念頭に開発が始まりました。BEVの方面は『Honda 0シリーズ』をはじめとして開発が進んでいます
しかし、FCEVに関してはなかなか進展がありませんでした。そんな中で、水素を使った新しい形で出てきたのが『CR-V e:FCEV』です!

何が違うのかと言えば、従来のFCEVは水素と酸素を化学反応させて電気を作る。その作った電気を使って走る。というものだったのですが、CR-Vの場合は作った電気を貯めるバッテリーに直接充電ができる機構を持たせたということになります。電気だけでも走行可能というのがいちばんの魅力です! ただ、この車もリース販売のみなので、そこは注意が必要なポイントと言えるでしょう。
ヒョンデの歩み方
ヒュンダイもとい、ヒョンデも電気自動車のみならず燃料電池車の販売もしています その名は『NEXO』(ネッソ)

トヨタのCROWN並みの航続距離820kmという性能を持ち、今のFCEVとしては珍しいSUVタイプの燃料電池車です。現状日本で選べる仕様は少ないのですが、知っておいて損はないと思います。
ちなみにすでに次の世代のNEXOも発表済みで全体的な質やクオリティが向上する見込みです。

BMWの歩み方
BMWはトヨタとパートナーシップ関係にあり、スープラとZ4が最たる例ではありますが、実は水素関係においてもその関係はあるのです。
トヨタのFCスタックや水素タンクを活用してBMWが本社を置く、ドイツのミュンヘンで開発を進めています!

その名は『BMW iX5 Hydrogen』国内においても一度姿を見せたことはありますが、販売はされていません。BMWは2020年代後半の発売をめどに研究、開発を続けています
トヨタと提携する前から、BMWは独自に水素車両に関する開発をしており、多くの方がご存じなのはBMW 760Liをベースに開発された『BMW Hydrogen 7』でしょう

水素を燃料として燃やすV12エンジンを搭載し、水素がなくなったときはガソリンを燃やすという画期的なものでしたが、実用化には至りませんでした
日本の水素化
課題は手軽さか
現状燃料電池車しか販売されていないことを考慮し、今燃料電池車の数が増えない理由を考えてみるとまず1番に上がってくるのはズバリ『水素ステーションの数が少ない!』ことが挙げられるでしょう。

現在でも全国で200ヶ所に満たない数しかない上に、夜間空いていなかったりインターネット上では開店されていると表示されているのに実際は閉店していることも度々あり、実用面で不満が残るのは事実でしょう。
ガソリンスタンドは年々減少傾向にあるものの、それでも各地に存在しており給油するのに困ることはあまりありません。また、電気自動車は昨今充電網が広がっており、さまざまな制約があったりはするものの充電できる場所はあることは事実です。
実際に水素に関して現場で従事している方々からも「まずは商用車などから進めないと」というような意見も出ていることから、トラックやバスなどそういった車から始めると広まりやすいためその方向を強めるべきという考えです。
しかし簡単にいかないもので、燃料電池化すると積載量が減ってしまうなど課題がまだ多く残っています。
トヨタが筆頭に川崎重工などの大企業とともに水素化を進めていますが、車両分野に関してはなかなか消費者が容易に触れることができる領域まで降りてきていないことが現状です。
結論
知って、興味を持つことの重要さ

みなさんいかがでしょうか 水素というものに対し見識は深まりましたでしょうか
単に販売すれば良いわけではなく、さまざまな領域において進化させていかないこと、そして多くの人が手軽にその魅力を享受できる環境を作らなければいけないこと。この2つの課題が浮かび上がってきたかと思います。
実際に研究、開発をするのは企業ではありますが、私たち消費者が実際にどのような現状にあるのかを知り、声を上げていくことが大事なのです。消費者の声が企業の原動力になることもあります!
水素はまだ発展途上ですが、確実にこれからの未来を作る存在となるでしょう!だからこそ今後の展開に興味を持ち、楽しんでまいりましょう!
それでは今回はこの辺で ばいなら〜
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